先日、知人の某光学機器メーカー研究職、29才男子Hくんから、こんな相談をされました。
「友人の話なんですけど、かれこれ4年近く仕事仲間の女性に片想いしてるらしんですよ」
ふ~ん、友人の話ねぇ、自分の話ではないんだ……と思いつつ、ふむふむとうなずきながら聞いていました。
「片想いの相手の女性には、彼氏がいたんですけど、最近別れたみたいなんですよね。それで、これはチャンスかもしれないと思って、ここいらへんで気持ちをハッキリ伝えることにしたんです」
「うんうん」
「いきなり『好きです』とか『付き合ってください』なんていうと、彼女もビックリするじゃないですか。だから、まずは伏線をはってみることにしました。ちょうど、出張でスイスに行く機会があったので、おみやげを買って帰ることにしたんです。会社の他の同僚に渡すお菓子的なおみやげとは別に、明らかに彼女だけ特別扱いのちょっときばったおみやげを渡すことにしたんです」
「うんうん」
「そうすれば、彼女のほうも『なんで私だけ、こんなにいいものを? 特別扱い?』みたいな感じで、好意に気付いてくれるんじゃないかと思って」
「そうだねぇ……」
「で、奮発して、彼女にだけ腕時計(ス○ォッチ)を買って、会社で渡したんですけど、笑顔で『うわぁ、どうもありがとう』って言われて、何となくスルーされてしまったというか。それっきりなんですよね」
Hくんいわく(やっぱり、友人の話ではなかったみたいです)、職場で彼女にだけ特別なおみやげを買ってプレゼントしたからには、彼女のほうから、
「おみやげのお礼がしたいから、今度飲みに行かない?」
と誘われたりする → いい雰囲気になる → なんとなく好意が伝わる。
というような流れを想定していたのだそうです。けれども、彼女からは、「うわぁ、どうもありがとう」以来、特にそれ以上のお礼のことばも、何らかのリアクションもありません。
「やっぱり、ふつうのおみやげとしてスルーされてしまったのかもしれません。もっと、高価なものとか、特別感のあるものをプレゼントすればよかったのかな」
と彼は言うのでした。
こんなとき、私でなくとも、ほとんどの女性がきっと、(いや……その女の子は、じゅうぶん特別なお土産だって気付いているだろうさ)と考えるはずです。
そして、(でも、いくら特別扱いされたからと言って、そこでこちらからアクションを起こしはしないよね、やっぱり)と思うことでしょう。なぜなら、あくまでこの段階では、職場のみなさんよりもちょっと特別なお土産をもらってしまったに過ぎないからです。
この段階で、(もしかして、私のこと好き? 好きとは言わなくても好意は持ってくれてるのかも)と気付いたとしても、
「えー、困るわ。付き合えない」と断ったら、お付き合いを申し込まれてもいないのに、断りを入れるおマヌケな女の子になってしまいます。
また、仮に自分も彼に好意を持っていたとしても、やっぱりハッキリと告白されているわけではないですから、次にどういった行動に出ればいいのか悩むところです。Hくんが考えていたように、
「お礼に飲みに」
なんて誘ったら、軽い女と見られるのではないか? 自分の気持ちがバレバレになってしまうのではないか? そもそも、好意を持たれているのかもというのも、自分の勝手な想像にすぎない可能性もあるし……と、相手を好きだからこそ、悩み、とまどい、不安になってしまうはずです。社内恋愛のリスクや、勝手な思い込みでハジをかいたり、大失恋した場合の恐怖なんかも、想像してしまうことと思われます。
ですから、やっぱり男性のみなさんには、順を追って、こうなるだろうなとシミュレーションする方式で、ステップを踏みながら気持ちを伝えるのではなく、わかりやすい方法で、自分の想いを伝えるようにしてみてほしいなと私は考えます。
でないと、女の子のほうも、どのような態度を取っていいかわからず、ステキなお土産やプレゼントをもらっても、
「ありがとう~っ」
と目一杯の笑顔とキラキラの瞳でお礼を言うことにし、次回、自分が旅行をした機会にはお礼にお土産を買って帰るくらいのことしかできなくなります。
彼女が次に旅行をする機会が半年、1年先だったら、その間も片想いは何一つ進展せず、そのままの状態でほったらかしになるばかりです。
というわけなので、片想いも、もう少しわかりやすいアプローチをしてくれると、女性はとても助かるということだけ、お伝えしておきたいと思います。
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酒井冬雪です。寒暖の差が激しい日がつづいていますね。寒さの影響で野菜が高騰…そうなると、無性に野菜が食べたくなる今日この頃です。なんでだろう。では、またね。