好きな女性、気になる女の子がいるとき、こちらに振り向いてほしい。彼女から愛されたいという気持ちを抱かずにはいられないものです。

けれど、愛されたい、愛されたいと願っていても、それが現実になるのはなかなかむずかしいことです。想えば想うほど、なんだか相手に引かれてしまうこともあれば、自分の気持ちを隠して、相手に存在すら気付いてもらえないこともあるでしょう。

愛が濃すぎる人、愛を表現できない人、まったく間逆な悩みになってしまいますが、そんな2つのタイプの人がどうすればいいのか考えてみたいと思います。

最初に、愛が強すぎて知らないうちに相手から引かれてしまうタイプからいきます。実はこのタイプは少数派です。女姉妹がいる。母親と仲良しで、よく話をする。小さいときから、女の子に、

「かわいいね」「髪型変えたの? 似合ってるじゃん」

と平気で言ってしまい、しかも、本人は口先だけで無意識に言っており、自分の女子に対する言動に無自覚だったりします。自分ではそんなつもりがないのに、

「オマエってよくそういうこと平気で言えるよな」

と男友だちに言われたり、理由もわからないのに先輩からからまれたりした経験がある人は要注意です。

さて、こんなタイプの男性が、自分で自分の愛に気付き、ある女の子を好きな自分を意識しはじめたら、ふだんの言動に+αになってしまいます。

気になる相手が同じ学校や職場にいるのだったら、授業中、仕事中にジーッと彼女をみつめてひとりほほ笑んでいたり。

「今日は遊べる?」
「一緒にランチ行こうか?」
「これ旅行のおみやげ、オレとおそろいなんだ」

と人目もかまわず、ふだんの2倍、3倍のパワーで彼女に想いを伝えようとします。

本人は、自分の気持ちは純粋な好意なのだから、なんら恥じることはない。オレの愛はオマエのものだぜ! と真っ直ぐなのかもしれません。

が、女の子のほうはほとんどの人が、周囲の目を気にして生きています。ですから、自分ひとりだけが男性から過剰な愛を受けたり、注目を浴びたりするのはちょっと困るのです。

愛が濃すぎるタイプの男性は、自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちや立場を考えてあげる。オレがAちゃんだったら、この愛情表現をどう思うだろうか? と想像してあげてほしいのです。もちろん、(オレがAちゃんだったら、そりゃうれしいに決まってるよな)と勝手に思い込むのはいけません。……たまには、本当によろこんでくれる女性もいるかもしれませんが、ほとんど大半の女性が、衆人環境で自分ひとりだけ注目を浴びることにとまどいを感じます。

(せっかく最近、職場の先輩女性たちとも仲良く付き合えるようになったのに、男性のせいでヘンに目立っちゃったら、反感を持たれたり、目を付けられたりしちゃうかも)

と不安になったりするのです。

いっそのこと、他の女の子達はいつもホメまくっているあなたが、好きな相手にだけは冷たかったり、素っ気なかったりするほうが効果的かもしれません。愛が濃すぎる男性は、足し算ではなく引き算で相手の女の子に気持ちを伝えることを考えてみましょう。

次に、自分の気持ちを隠して、密かに好きな女の子を想いつづけるタイプの人。

密かに自分の心の中で……とはいっても、多少なりとも相手に自分の存在を知ってほしい。笑顔を見せてほしい、話をしてみたいという気持ちはあるはずです。

ですから、エレベターで一緒になったとき、たまたま学食や社食でトナリの席になったとき、

「こんにちは」「今日も暑いですね」

と彼女から声をかけられたりすると、とってもうれしい気持ちになるはずです。

そして、やっぱり彼女もオレの存在を知っていてくれた → あんなふうに声をかけてくるっていうことは、彼女もオレを気にしているのかも → けっこう好かれている? と、いい方にいい方向にと考えます。

しかし、冷静になって考えてみると、相手の女の子はフツウに同僚や先輩であるあなたにアイサツをしただけなのかもしれません。自分自身はあまり、社内や学校内で親しくない人に「こんにちは」と元気に言ったりしないタイプの人ほど、そんなに親しくない女性からアイサツをされると「おおっ?」とうれしくなってしまうものです。

ところが、相手の女の子は、同じ学校や職場の顔見知りの人、おそうじのおばさん、食堂で働く人にも「こんにちは」とアイサツをする礼儀正しい人という可能性もあります。あなたも、彼女が顔を知っていて「アイサツをしよう」と思う人のひとりに過ぎないのかもしれないわけです。

逆に言えば、そんなふうに誰にでもやさしく接することのできる女性だからこそ、あなたも彼女を好きになったのかも。けれど、あなたがひとりの男性として、彼女に強い印象を与えているわけではない確率は高いともいえます。

それでは、自分の気持ちを隠してしまうタイプの男性はどうすればいいかというと、やっぱり彼女がしてくれたアイサツに対して、キチンとこたえを返すこと。たとえば、

「暑いですね」

と言われたら、

「今年はエルニーニョの影響で」

と答えてみる。そうすると、

(え、いきなりエルニーニョ? この人って、やっぱりマジメなんだ。マジメすぎておもしろい)と思ってもらえるはずです。

せっかく相手が声をかけてくれたのだから、こちらは自分の得意なジャンルの知識や専門的な分野でこたえてみる。そうすることで、あなたに対する印象が相手にも強く残るはずです。

少しずつ一歩ずつでいいので、相手に自分を見せてみる。気持ちを隠したいばかりに、彼女と仲良くなることを恐れるのではなく、アイサツをしてくれたから、こちらも話してみよう……と肩の力を抜いて考えてみるといいと思います。

実際にイロイロと話をしてみたほうが、きっと心の中で考えている彼女よりも意外なことがたくさんあっておもしろいはずです。少しでいいので、がんばって自分をアピールしてみてください。

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酒井冬雪です。両方のタイプを足して2で割るとちょうどいいんですけど、なかなかそういうわけにもいかないですよね。私は、自分の心の中で楽しむタイプなので、積極的な人がうらやましいです。うらやましいけど、絶対にああなれないんだろうな……と思います。では、またね。よい夏休みをお過ごしください。