バレンタインデイにチョコレートをもらえた人も、もらえなかった人もこんにちは。子どものころから、イベントにあまり興味がなく、男子にチョコレートをあげたこともない私です。
しかし、バレンタインデイの葛藤は、チョコレートを渡そうかとドキドキの女子よりも、もらえるかもらえないか予想がつかない男子のほうが大きいような……そんな気がする今日この頃です。
たとえば、私の知人の息子ちゃんMくん(10才、小4)には、クラスに好きな女の子Kちゃんがいるのだそうです。なので、バレンタインデイの前日から、
「お母さん、もしもの場合を想定して(Kちゃんが学校ではなく、家にチョコを届けに来てくれる場合)、うちをキチンとそうじしておいてくれるかな? ボクも手伝うから」
と、親子でたんねんにそうじをしておいたそうです。Mくんの母は言います。
「実は、Kちゃんのママとは仲がいいので、Kちゃんがいつもうちの息子のことを『しつこくて困ってるの』『弟っていうか、赤ちゃんにしか思えない』と言ってることも知ってるのよねぇ。チョコなんてもらえるはずもないのに……」
しかし、やさしい母は、バレンタインデイ当日の朝、息子のMくんが、
「お母さん、今日はいざというときのために、お化粧して、キレイな服を着てちゃんとしていてよ。あっ、それから、もしかするとKちゃんがちょっと家にあがっていくかもしれないから、○○○○(家の近所の有名洋菓子店)のケーキも買っておいてくれる?」
というので、ちゃんとケーキも2個買って(息子と自分とふたりで食べるぶん)おいたのでした。
そして、バレンタインデイの日の午後6時30分……、
「いくらなんでも、もうKちゃんがうちに来る時間ではないよね」
とため息をつくMくんに声をかけ、ふたりでチョコレートケーキを食べたそうです。
また、某男子校に通う中学2年生のYくん(14才)は、
「塾の友だちとか、サッカーチームの先輩に『チョコもらった?』って聞かれたときは『あっ、レイコちゃんからもらった』って言うことにしてるんです」
と言います。
「へえー、最近は○○子っていう名前の女の子っ少ないよね、めずらしいね」
と私が言うと、
「違いますよ。レイコさんは0個、ゼロ個っていうことです」
と苦笑するYくん。ダジャレ……だったんだ。「みんなまだそのダジャレに気づいてなくて、へえ、レイコちゃんっていう彼女とけっこう長いな、みたいに思われてます! 同じサッカーチームに、すごいモテる友だちがいて、そいつは毎年20個とかチョコをもらってるんです。すごく仲がいい友だちだけど、バレンタインデイだけは、そいつのことがムカつく……やっぱ自分もチョコをもらってるくらいのこと言っとかないと」
と語るYくんなのでした。男子校だし、チョコレートをもらえる機会が減るのは仕方ないよねとハタから聞いていると思いますが、、それなりに見栄も張ってみたい微妙な中学生心理……なのかもしれません。
さて、年齢や状況、カタチは違えど、バレンタインデイをフクザツな気持ちで過ごす人は多いかと思われます。
なぜ、こんなふうに、つらかったりガックリきたり、やるせなかったりあきらめたり、何ともいえない気持ちを感じなければいけないのか? その理由は、日本のバレンタインデイが女性 → 男性にチョコレートを贈る日ということになっていて、男性は「待ち」の姿勢、「受け身」の姿勢でいなくてはならないから。
日ごろ、恋愛問題においては何かと「能動的」になることを求められることの多い男性が、なぜかこの日だけは超「受動的」でいなくてはならない。デートに誘うとか、相手の気持ちをたしかめるとか、そういうときには「男子のほうから」と願うくせに、
なぜこの1日だけ、
「待ってて」
と言うのか。自分から何もできず、ただひたすら待つというのは、待ち慣れていない男子にとっては、けっこうつらいことであるはずです。
というわけで、今年のバレンタインデイはすでに逃してしまいましたが、来年は、来年こそは、もう逆チョコをしてしまおう。男性のみなさんは、そんなふうに気持ちを切り替えてしまってもいいのではないか! と私は最近思っています。
義理チョコだの、友チョコだの言っていたら、今度は逆チョコ? はあ、やれやれと言いたい気持ちの男性も多いことでしょう。
ですが、チョコレートが嫌いっていう女性はとても少ないですし、ってプレゼントとしては「はずす」可能性が非常に少ないシロモノだと思うのです。
あまり女の子にプレゼントをしたことがない男性も、チョコレートだったら、
「あ、これ食べる?」
と気軽にプレゼントしやすいはずです。
また、最近は、そこで今すぐシロクロつけたいわけではない、という男性も多いと思いますので、渡すものが高価なアクセサリーなどではなく、チョコレートならば、受け取った女の子のほうも、義理チョコなのか? 友チョコなのか? もしかして本命チョコなのか? ハッキリわからない。バレンタインデイでシロクロつけなくても、次に彼女がお返しをくれるとか、ツナがっていく糸口をつくる。そんなふうに、ゆるやかに関係をたしかめていきたい男性には、逆チョコってとってもいいアプローチだと思います。
今年はチョコレートをもらえるのか? もらえないのか? 予測不能な問題で葛藤するくらいなら、自分から行動を起こしてしまうほうが、気持ちもスッキリするはずです。
来年はぜひ、逆チョコに挑戦してほしい、そんな気持ちでいっぱいです。
1年も先の話じゃないか、と思う人は、今から少しずつ、職場や部活やサークル活動に、ちょっとした差し入れ(おやつ)をもってくる人になって、1年後のバレンタインデイに向けて、気になる女の子の好むお菓子をリサーチしてみてほしいものです。
それから、今年、チョコレートをもらった男性のみなさんは、ホワイトデイのお返しを忘れないように気をつけてあげてください。
酒井冬雪です。今年はチョコレートのパッケージ自体に逆チョコと書いてあるチョコレートもありました。自分で買って食べましたが、私が男性だったら、あれを買うのはちょっと照れくさい……かも。デコチョコはかわいくて、やってみたいけど。あれを食べてと言われたら、私が男子だったら「いや、そのまま、何もついていないチョコを食べたかった」と思うかも。愛ってむずかしいです。では、またね。