自分は恋愛体質か? と問われたら「いや、違うと思う」「そんなこと考えたことなかった」と思う男性はきっと大多数をしめるはずです。

男性は、女の人って恋愛、恋愛っていつも言ってるからな、そういう発想になるんだろう、と思われるかもしれませんが、女子の中にも恋愛体質ではないかな、と思われる人はけっこういるものです。


知人のYちゃんは、女3人姉妹の末っ子に生まれ、学校は中学からずっと女子校に通ったあげく、某下着メーカーに就職をしました。というわけで、プライヴェートではたくさんの女友だちに囲まれ楽しく遊び、仕事でも女性ばかりの環境に身を置き「キャッキャッ」と働いています。

そんな彼女の恋愛を見ていると……まず好きになる相手は、薄い感じの顔立ちの高身長さわやか青年ばかり。もちろん、そういう相手を好きになると恋のライバルも多いので、中にはどんな手を使ってでも相手を蹴落とそうとする女の子も出てきます。

こういったもめごとや争いことが起きそうになると、Yちゃんは、

「こんな面倒に巻き込まれるくらいなら、恋愛とかはもういいや」

と率先して身を引いてしまいます。好きになった相手のさわやか青年は、明らかにYちゃんを好いていたようなのに、

「女友だちとモメるくらいなら、恋愛はいらない。彼氏はかわりができるだろうけど、友だちはかえられないから」

というようなことを言って、恋をめぐる争いから手を引いてしまうわけなのです。

こんなふうに、女性ばかりの職場にいる上に、恋愛で少しでももめごとや面倒があるとすぐに身を引く……というようなことを繰り返してきたため、Yちゃんは30才近くなった今でも、

「男の人といると何をしゃべっていいかわからない」「男の人と二人きりになると緊張してしまう」と言っています。

先日も、友だちから男の子を紹介されて、仕事帰りに彼とふたりで食事に行ってきたそうなのですが、

「やさしくていい人で、私にもすごく気を遣ってくれてたのはわかるんだけど、でも、家に帰ってきたらドッと疲れた。やっぱり、男の人といっしょにいると気を張っちゃうよね。うちがいちばん落ち着く」

というのです。その後、彼のほうから「また会ってくれる?」と聞かれると、けっきょくお断りをしてしまいました。

「やさしいし、服の趣味も悪くないし、マジメそうだし、いい人だと思うんだけど、ちょっと背が足りないし……あと、決め手に欠ける」

というのが、お断りした理由でした。Yちゃんに彼を紹介した友人は、

「彼はあんなにいい人なのに、背が低いだの決め手にかけるだのとワガママ言って。だいたい、Yだってチビなんだから、彼との身長差は余裕で15センチ以上あるじゃないの。もう知らないからね」

とプリプリ怒っていましたが、私は(誰を紹介しても、きっといい人だけど決め手に欠けると言うんだろうなぁ)と思いました。

なぜなら、Yちゃんは男性と恋愛(お付き合い……でもいい)したいと心の底から思っているふうではないような気がするから。なんでしょう、体質自体が恋愛体質ではなく、どちらかというと非恋愛体質っぽい……そんな感じがするからです。


恋愛体質……そんな体質の人間がこの世にいるのだろうか? とフシギな気持ちになる方は多いと思います。しかしながら、もちろん、女性でも男性でも、恋愛体質の人はいるものです。女性は、自分が恋愛体質かどうか? というようなことを考えたり意識したりすることが一度はあるものですが、男性は、

「そんなことは考えたこともなかった」

という人がほとんどだと思います。

ですので、恋愛体質の人の特徴を挙げてみます。

恋愛体質の人は

  • いつも、同性からの評価や好意よりも、異性からの評判や人気を気にかけている。
  • 子どものころ、家に帰ってから親にした話、大人になってから友人と会ってする話は、同性の友人ではなく、異性の誰かの話ばかりである。
  • 同性からの意見やアドヴァイスはあまり気にせず聞き流せるが、異性からの忠告は真剣に聞く。
  • 異性に冷たくされても、素っ気なくされても気にしない。失恋してもこりずに「次にいくか」と比較的早く割り切れる。
  • 女性(男性)の欠点やイヤなところを見ても「女の子(男子)ってそういうところもかわいい!」と思える。

このようなことに当てはまるようでしたら、あなたはきっと恋愛体質です。逆に言うと、同性からの評価が気になり、同性の友人の話をうれしそうにして、同性からのアドヴァイスをしっかり聞いていて、異性に冷たくされるとものすごく落ち込んでしまい、異性の欠点をみると幻滅してしまう……そんなあなたは非恋愛体質といってもいいと思います。

そんなことを言っている私自身、非恋愛体質ですが、自分の経験から言っても、やはりふだんから気持ちがそんなに恋愛(異性)に向いていないので、ふいにおとずれたチャンス(めったにない)に反射神経のよい対応をできないわけです。

あとで考えると「あれはチャンスだった?」ような気がして、照れたり怒ったりせずにもっとうまい切り返しができていれば、ふたりの関係が変わったり、違う方向にいったりしていたかもしれない~と思ったこともあるわけです。

チャンスというものは、自分でつくろうとしてつくれるものではありません。チャンスの波に乗れるかどうか? は、やはり……日ごろから恋愛(異性)に心を傾けているかにかかっています。

というわけで、チャンスがきた日に、よい反応を見せられるよう、今から少しでも恋愛体質になっておいたほうがいいと思う次第です。別に恋愛体質になんかなりたくないかもしれませんが、来週はどうすれば心を恋愛に向け、恋愛体質をつくっていけるか、という点について詳しく考えてみましょう。


酒井冬雪です。話が長くなったので、今回は前編で、つづきの後編は来週です。先日、幼なじみのKと昔のアルバムを眺めていたら、人気者のHくんの隣で首をかしげてかわいい顔で笑っているKと、Kの横で不機嫌な顔をしている私の幼稚園時代の写真をみつけました。それを見たKのひと言「やだー、私ってこのころから、男の子大好きだったんだね」。たしかに、彼女はあの頃から超恋愛体質だった。恋愛体質って生まれつき……なのかもしれません。では、またね。