女の子が困っているときに手助けをしてあげると、好印象を持ってもらえるだろうか? と聞かれれば、私は「イエス」と答えます。たとえば、気になる彼女が会社でケホケホと咳をしながら、
「風邪を引いちゃったみたい」
と言っているのを聞いたときに、さりげなくのどあめやトローチ、はちみつレモン、ゆず茶やしょうが湯などを差し入れてあげる。
そんなふうに、なにげない感じで、あまり相手に負担をかけず「重い」と思われない程度のものを「よかったら、これ使って」と渡すことができたら、それはいいことです。そんなあなたはきっと、気遣いがあってやさしい人……と彼女から思ってもらえることでしょう。
とはいうものの「さりげなく」「相手に負担をかけないように」女性を気遣う……というのは、なかなかむずかしいところがあります。学校や職場で、気になっているAちゃんが、なにやらとても疲れた顔をしていたとします。なので、よかれと思って、
「だいぶ疲れてるみたいだけど、大丈夫? これ飲む?」
と言いつつユンケルを差し出したら、かえって機嫌が悪くなってしまったような気がする……ということもあるかもしれません。
女心はフクザツですので、本当に疲れているけれども、その疲れをちょっといたわってほしいような気持ちのときもあれば、疲れていることがバレたくなくて、それを見せないようにがんばっているときもあります。
後者のような状態のときに、男性から「疲れてるみたいだ」と言われてしまって、がんばっていたのがバカらしくなりガックリきてしまうこともあるかもしれません。また、疲れたように見えるのは生理痛がひどくつらいせいで、そんな自分の体調が周囲の人にも気づかれるくらいみえみえかと思うと、恥ずかしくなってくる……というようなときもあったりします。
軽い風邪や頭痛くらいなら気を遣ってもらいたいのだけれど、生理痛のような場合は気づかないフリをしてもらいたかったりもするという。このあたりのむずかしさが、キズつきやすく繊細な男性を、
(どうすればいいかわからないから……やっぱり自分は何もしないほうがいい)
という方向にいかせてしまう原因かもしれません。
しかし、こちらが何もしないでいると、いつの間にか口が達者で調子がいいだけの男子が、
「あれ、疲れてる? 風邪とか? 元気が出るもの食べたほうがいいよ」
とあっさりみんなの人気者のBちゃんを焼肉ランチに連れ出してしまったり。
「早く帰って寝たほうがいいよ、その仕事だったら後でもできるから」
と言って、風邪引きのかわいいCちゃんが会社から早く帰るように仕向けつつ、肝心の仕事はお人好しのあなたに押し付けて、自分はちゃっかりCちゃんと帰ってしまったり。
気がついたら、損な役回りまで引き受けていた……なんてことにもなりかねません。
というようなこともあるので、やっぱり何もしないで後悔するよりは、失敗するかもしれないけど自分で何かをしてみたほうがいいのではないかと私は思います。
そこで、困っている女の子への失敗しない気遣いの方法をここに挙げてみます。
- 元気がなかったり、落ち込んだりしている女の子にあまり「どうして?」「なぜ?」と理由を深く追求・質問しない。
- 無難で、しかもヨロコばれる差し入れはチョコレート。渡し方としては「これ食べる?」と言いながら、デスクの上にそっと置いてしまえばよいと思えます。女の子を気遣って、手を汚さずに口にポンと放り込めるひと口サイズのチョコレートを選ぶとよい。
- ビタミン剤などのサプリメント、特保なお茶やお菓子も「これ、けっこうおいしかったよ」とすすめてみるといいかもしれません。
相手の女の子に対して「どうしたの?」と質問したり、「彼女はこれを食べたほうがいい」と自分の意見を押し付けるようなスタンスに立つのではなく、自分が食べてみておいしかった。自分的には風邪のときには葛根湯だ、というように、オレがやってみてよかった方法だから……というスタンスで差し入れをしてあげると、気遣いを受けた女の子のほうも、スナオに「試してみようかな」と受け止められると思います。
面倒かもしれませんが、相手のために○○してあげる……と厚意を押し付ける感じではなく「オレだったら、こうされるとうれしいだろうな」と自分の経験から好意を見せてあげると、きっと、
「あの人は、こちらが困っているときにいつも気づいてくれる。気づいて、さりげなくやさしくしてくれる」と、印象が上がっていくはずです。
相手が困っていたり、体調が悪くて元気のないときなどは、やさしさや思いやりを見せる機会にもなります。女性にこびたりする必要はないけれど、人としてのやさしさを見せるのは悪いことではないはずです。何もしないで見ているのではなく、手を差し伸べてあげられる男性が増えてくれるとうれしいなと私は思います。
酒井冬雪です。若いころ、ひとり暮らしをしていて風邪を引いたりすると妙に弱気になって「もう、ダメだ。死ぬかもしれない」と思ったりしたものです。当時付き合っていた彼氏に「つらいだろうから、邪魔にならないようにオレは行かないね」と言われたときは(ひーっ)と悲しくなりました。そんなとき、仕事の知り合いがポカリとグレープフルーツを玄関前にそっと置いていってくれて……。後々、心がそっちに傾いてしまったのも、今思うと致し方ないような、ほろ苦い思い出です。では、またね。