女の子と付き合う。女の子と付き合ってはみるのだけれど(実際に恋愛するのでも、1回だけどこかへ出かけるのでも)、どうも何かがしっくりいかない。何を話せばいいかわからないし、何だかあまりおもしろくもない。というか、男友だちといるほうが楽しい……そんなふうに感じたことのある男性は多いはずです。

それもそのはず。女の子と付き合う、というのはとてもタイヘンなこと。「好き」という気持ちがすべてをどうにかうまい方向へ運んでくれるわけでもないし、気の合う男友だちと遊ぶのとは、まったく勝手の違うことなのです。

たとえば、知人の大学生Sちゃん(19才)が、こんなことを言っていました。

「今年の夏は友だち(女の子)に誘われて、某大学の男子ばかりのテニスサークルの合宿で軽井沢についていったんです。正直いうと、私もその友だちもそんなにテニスが……っていうか、運動神経がいいわけでもないから、軽井沢で買い物したり、おいしいもの食べたりしようか、みたいな感覚だったんですよ。ところが、そのテニスサークルっていうのが、ホントに朝から日が暮れるまでバッチリ、テニスの練習をするっていう部活サークルだったんですよね。私はテキトーに練習してるふりしてやりすごしたんですけど、友だちはマジメな性格だから、本気でしごかれちゃって。その日は晩ごはんを食べながら寝ちゃって、男子に部屋まで運んでもらいました。彼女、夜9時ころにいったん目を覚ましたんだけど、そのときにはもう熱が出てて……。私は看病を理由に翌日の練習をサボりつつ、男子たちに『女子の体力を気遣ってない』って文句を言うこともできたけど。ウカツに何でもOKするものじゃないと勉強になりました」

Sちゃんは……、

「私たちの感覚では、午前か午後のどちらかに、まあ2時間くらい? テニスの練習をして、あとはショッピングモールへ行くとか、おいしいパン屋さんめぐりをするとか、そんなふうに思ってたんですけどねぇ」

と言うのでした。

もちろん、その男性たちはえらいです。サークルだけど、部活のようにテニスの練習をする。勉強もするけれど、スポーツもきちんとする、いい男の子たちじゃないの、と聞いている私も感心しました。

しかし、運動神経がよくない上に、体力もないインドア派の私には、Sちゃんの言い分がよくわかります。夏の炎天下に2時間以上外に出ていたら、熱も出る……Sちゃんの友人の体力も想像ができます。また、マジメな性格がわざわいして、

「もう練習なんていやだ。私はおいしいものを食べに行く」

なんて、マジメで運動好きの男子たちには言えない……という気持ちも理解できます。もちろん、そんな男子に付き合える運動神経と体力を持った女性もいます。女性の100%が、男子の体力に合わせられないというわけではありません。

とはいうものの、どんなタイプの女性にも、相手が女性なのだから、多少は「休憩する?」「ちょっと早めに切り上げようか?」と気遣いをみせてくれてもいいのではないか? と思わなくもないわけです。

このように、女性と付き合うというのは、相手に合わせてあげたり、相手が言い出しづらいこと、切り出せずにいることを察して、男性のほうから「○○しようか?」と言ってあげることが大切なのです。

そう、女性と付き合う……というよりは「女性に付き合う」という感覚で、付き合ってみるといいのではないかと思います。

とはいえ、「女性に付き合う」というのが……これまた男性にとってはむずかしいことのようです。たとえば、お茶を飲みケーキをほおばりながら、1時間も2時間も、ずっとおしゃべりをする。

買い物に行く……といいながら、目当てのものをまったく見ずに、やたらとあちこちへ足を運ぶ。そのあげく、気に入ったものがなかったといって、何も買わない。

(男性が思うに)やたらとトイレにいく。しかも、トイレが長い(理由は……女の秘密なので、ここでは言いません。でも、イロイロな理由があるのです)ので、その間ひたすら待っている。

海やプールへ行ったりしたとき、着替えがとても遅く、更衣室から出てこない彼女をひたすら待つ。

何かとグチを言ったり、うわさ話をしたり、ときには人の悪口を言ったりする(子もいる)。

しきりにお菓子を食べる。やたらと眠そうである。こういった女性ならではの特徴に付き合うには、やさしさと忍耐力と、待つ姿勢が大切かなと思います。

女性を「好き」と思う気持ち、好きな女性ができたときは、忍耐力や待つ姿勢、人の話を聞く……もしくは聞いてるふりで聞き流すいい練習をする絶好のチャンスです。

今度、女の子と出かけるチャンスができたときは、ぜひ、ウィンドウショッピングに付き合い、疲れた足をカフェでお茶を飲みながら休め、仕事のグチを聞いてあげてほしいなと思います。


酒井冬雪です。女の子のグチやうわさ話は、ストレス解消の一環です。そんなに深い意味や悪意があるわけではない……というか、そういう気持ちが本気でこもっているときは少ないので「かわいそうに」「タイヘンだったね」とやさしく聞き流してあげるといいと思います。では、またね。