女の子のほうから、しかも、自分としてはあまり気にかけていなかった人から告白されたとき、どうすればいいのでしょう。
- 自分的には、気にかけていなかった人だけれど、よく見るとかわいいし、悪い気はしないというか満更でもない気持ち。なので、付き合ってもいいかなと思う。
- もちろん、好意を持ってもらってとてもうれしいので付き合うことにする。
- 追いかけられるより追うほうが好きなので、女の子のほうから告白などされると興ざめしてしまう。
以上のような反応……対応が考えられるかと思います。よっぽど気が合わなそうな感じがしない限り、ものすごく自分の好みとかけ離れた人でない限り、たいていの男性が、
「付き合おうかな」
と思うのではないか、と私は予想します。そんな男性は、やさしい、とてもいい人だと思います。
しかし、そこまではいいのだけれども……男性の場合、女の子のほうから告白されて付き合い始めると、その先にちょっと「疑問」なことがあったりするのです。
某食品メーカーで働くKくん(26才)は、最近、学生時代ゼミの後輩だったEちゃん(24才)から、
「前から、ずっと気になっていて……」
的な告白をされて、悪い気はせず、というか3年前に手痛い失恋をして以来、恋愛に縁がなかったのでとてもうれしくて、Eちゃんと付き合うことにしました。
ところが、Eちゃんとの恋愛は、以前の恋となんだか勝手が違います。まず、前の彼女と付き合っていたときは、
「今から迎えにきて」
と電話で呼び出されると、たとえ深夜だろうと、車で1時間かかる場所だろうと、迎えに行ってしまう自分がいました。また、「日曜日、どこか行こうか?」
と彼女に聞いて、
「ごめん、日曜日は友だちと買い物に行く約束しちゃった」
と断られたりすると、ズドーンと一気に落ち込んでしまう自分もいました。ところが、Eちゃんに休日の予定を聞いたとき、
「その日は用事があって」
と断られてしまっても、あまり気にならないというか、じゃあオレも家の雑用を片付けようとすぐにアタマの切り替えができてしまいます。
また、あるとき、Eちゃんが、
「来週の土曜日、クライアントの展示会に行かないといけないんだけど、早めに帰りたいから夕方に待ち合わせして、二人で食事でもしない?」
と言われたときは、
「ああ、でも、その後に食事会とかあるかもしれないじゃん」
と返事をしている自分がいました。あとで考えてみると、Eちゃんは展示会の会場(ちょっと遠い)から迎えにきてほしかったのかもしれない、と思います。でも、
(まあ、同じ会社の人といっしょに帰ってくるだろう)
と自分で自分を納得させて、迎えにいってあげないわけです。
前の彼女のことは、何年も片想いをして好きで好きで、あこがれていて、勇気をふりしぼって告白して付き合いはじめた。それを考えると、Eちゃんのことは、気がきくやさしい子だなとは思っていたけれど、ただの後輩で……あまり女性として意識したことはなかったような気がします。
そういう違いがあるから、休日の誘いを断られても冷静にアタマの切り替えができたり、彼女の誘いにものってあげられなかったりするのだろうか? と、つい前の彼女と比較して考えてしまったりするのでした。
そんなある日、Eちゃんから一通のメールが届きました。
>Kくんは、私のこと好きなの? 別にそんなに好きでもないの?
(えー、付き合ってるのに、今さらなんでこういうこと聞いてくるんだろう……)。Kくんはあきれてしまい、
>そんなの決まってるよ。と返信。
>決まってるってどういうこと?
>だから、好きだって。
>ウソ、好きっていう態度じゃないと思う。
メールではラチがあかないので、KくんはEちゃんに電話をかけました。すると、Eちゃんは泣いていたようすで、
「Kくんは、絶対、私のこと好きじゃない。告白されたからなんとなく付き合ってるだけでしょう? 忙しいんじゃないかって気を遣って会いたい気持ちもガマンしているのに気づいてくれない。本当にぜんぜん、私と会いたそうじゃないし、やさしくないし、もう同情で付き合ってほしくない」
というと、ガチャンと電話を切ってしまったのでした。あっけに取られながらも、どうしてこんな誤解を招いてしまったのかわからず、でも、Eちゃんのことをけっこう好きな自分に今ごろ気づいたりして、後悔するKくんなのでした。
これは、男性だけではないのかもしれませんが、「先に告白」したほうに、ホレた弱みがある……と思ってしまう人は多いような気がします。もちろん、わざとそうしているのではないのかもしれませんが、付き合い始めてからも、なんとなく、
「私のほうが好きだから、こういうこともガマンしないと」
と女の子に思わせてしまったり。好きな気持ちをセーブして、ガマンして遠慮させてしまったり。男性の場合は特に、追われるより、追いかけるほうが恋愛は「燃える」ところがあったりして、女の子のほうから告白されて付き合うと、自分ではそんなつもりがなくてもなんだか上から目線というか、余裕しゃくしゃくの態度になってしまう、ということがあるような気がします。
しかし、私が思うに、どちらが告白したかというのは恋愛においてあまり関係がないこと。告白して「うん」とOKした、お互いが合意した瞬間から、立場は同じになると思うのです。
ですから、女性も男性も「自分のほうが好きだから」と遠慮したりせず、付き合い始めたのならここから先はもう対等……という気持ちで、自分の気持ちをさらけだして付き合ってほしいなと思います。
男性のみなさんは、もし女性から告白してもらえるといううれしい驚きがあって、そこから恋愛を始めるのだとしたら、ホレられた強みで自分が彼女に対してなんとなく上から目線になったりしていないか、ヘンな余裕をみせたりしていないかどうか、ぜひ気をつけてみてほしいものです。そして、どんなふうに始まった恋愛でも、やはり男性は女性にやさしくしてあげてほしいな、と願わずにおれない私です。
酒井冬雪です。学生のみなさんは、そろそろ夏休みも終わりでしょうか? 若者の夏休みといえば、区民プールとか、友だち同士の旅行とか……ああいう小さな楽しみははイロイロな意味でよかったなと思います。10代後半の夏、友人Kが着てきた面積の小さい豹柄ビキニがいまだに忘れられません。ああいうモノは着たいときに着るべきなんだと、今になって思います。一度もビキニを着たことがない私としては……。では、またね。