自分のことは、自分がいちばんよくわかっている。そう考える人は多いはずです。私も、自分のことは自分がいちばんよく理解しているはず、と思っているタイプです。
しかし、時として、また場合によって、ジャンルによっては、自分のことをわかっているようでいてわかっていない部分もあるものです。
たとえば、知人のSちゃん(32才、某銀行勤務)ですが、彼女は、
「どうして、私にはなかなか女友だちができないんだと思います?」
と職場の先輩に相談したそうです。そんな質問をされて、先輩も困ったと思うのですが、 「うーん、そうだねぇ。……やっぱり、ほら、あれじゃない。人の彼氏を奪うのが趣味だからじゃないかな」
と言ったようです。
「ええっ!」
Sちゃんは、たいそう驚き、キズつきました。
「いやー、だってさ。フツウに考えて、友だちに彼氏をとられたらイヤじゃない? 彼氏とられちゃったのに、その後も、Sちゃんと友だちでいて、元彼と仲良くやってる話を聞かされたりしたらつらいでしょう。それどころか、Sちゃんが自分から奪った彼氏にすぐ飽きて、また違う誰かの彼氏をとることも知ってたら、自分も元彼もいたたまれないんじゃないかな」
「……ひ、ひどい。私のことそういう女だと思ってたんですか?」
「いや、私はほら……。そういうクセがあるっていうか、アクが強い女の子のほうが好きだし、話しててもおもしろいからね。Sちゃんはいい子だなぁと思ってるわよ。でも、自分が逆の立場になってごらんなさい。彼氏を友だちにとられて、その後も何もなかったように笑ってその子と仲良くできる?」
「……やーん、絶対ありえない! そうか、そういう考え方もあるんですね。はっ……私って、女の子を敵に回しちゃってたんだ」
Sちゃんは、驚きの新事実を知ってしまったのでした。
ちょっと極端な話ですが、まあ、このように……自分では自分のことがよくわかっていないということも時としてあるもの。
「自分にはなぜ、彼女ができないのだろうか?」
「けっこう頑張っているのに、○○ちゃんが振り向いてくれないのは何故なのか?」
といった疑問の答えは、実は自分が考えているのとはまったく違った理由がある……という可能性もあります。
本人はまったくわかっていなくても、ハタから見ているほうがよくわかる。認めたくない話ですが、自分の苦手としている相手、ライバルのような存在のほうが、客観的にあなたをよく理解している……ということだってあるものなのです。
たとえば、私は本当に……、
「ボクは、どうして彼女ができないんですかね?」
と男性からよく質問されます。その答えとして(こうだからではないかな?)と思う理由が2つほどあります。ひとつは、髪を切ったり、毎日着替えたりすればいいんじゃないかなという理由。身だしなみに、もう少しだけ気を遣えば、それだけで女性が彼を見る目がずいぶん変わるはずなのに、ということです。
そして、もうひとつの理由が、
(そもそも、本当に彼女がほしいと思っているの?)というものです。
なんでしょう、女性からそういうふうに見える男性は、男性同士で行動しているときはリラックスしてとても楽しそうなのに、女性といると落ち着きをなくしたり、本来の自分を消しているような感じなのです。
- 男同士で遊んでいるほうが楽しいと思ってしまう
- 女の子がいると、けっきょくのところ……面倒が多いと思ってしまう
- 女の子とデートして家に帰ると「ああ、疲れた。帰ってきてよかった」と思う
- きょうだいは、男兄弟である。なおかつ、自分は長男
- 趣味がある。もしくは、スポーツをしていて休日はスケジュールが埋まっているが、その趣味やスポーツは男の世界で、女性はほとんどいない
- 男同士で旅行やドライヴに出かけることがある。もしくは、ひとり旅も好き
- 女の子と街歩きをし、カフェでお茶を飲んで話を聞く……といったことが苦手
- これまでの恋愛は、どちらかというと女の子のほうから言い寄られてきた
といった点に当てはまる男性は、
(ホントに口で言うほど、彼女がほしいの?)と女性から疑われてしまってもいたしかたない部分があると思います。女性にも、男の子といるより、女同士でツルんでいるほうが楽しい! という人はけっこういるものです。ただ、男性の場合、そういったことをあまり考えず、無意識のうちに、男同士で遊んでばかりいることが多いようです。
そのため「オレって、なんで彼女ができないんだろう?」→そんなに必要としていないから……ということに思い当たらない。そんなタイプの男性もけっこういたりします。
「自分にはどうして彼女ができないんだろう?」と、最近、本気で考えてしまうことがある。そんな方は、自分では気づかない自分。自分の知らない自分も存在している……という大前提のもと、ぜひとも友人(できれば女性)やきょうだい、親御さんに、
「どうしてだと思う?」と聞いてみてほしいと思います。そうすると、自分の知らなかった自分、自分では気づかなかった自分に出会えるかもしれません。
GWはいかがお過ごしでしたでしょうか? 酒井冬雪です。私が最近、疑問に思ったのは、午前中、誰も私に話しかけてきてくれないこと。フシギに思って妹に聞いてみると、「寝起きが悪くて、声をかけるような雰囲気ではないから……。気づいてなかったの?」と冷たく言われました。まだまだ自分の知らない一面があるようです。では、またね。