人を誘う……特に女の子を「どこかに出かけよう」と誘うのは、非常にむずかしいことです。電話をかけるにしても「今、タイミングが悪かったらどうしよう?」と気になるし、面と向かって話すにはふたりきりになるチャンスやタイミングのむずかしさがあります。メールは手軽で気も楽だけれど、返事が来ず流されてしまったら、催促するのもなんだしそれでおしまいになる可能性も……。
というわけで、あれこれ考えてしまうと女の子を誘うなんてやっぱりできない、とあきらめてしまう人は多いかもしれません。
しかし、そんなふうに簡単にあきらめきれないほど誰かを好きになってしまい、がんばって、思い切って女の子に声をかけたことが何度もある……という男性だって多いはず。そして、こんなに勇気を振りしぼって声をかけたにもかかわらず、
「ごめんなさい」
と、やさしく、ときには迷惑そうに困った顔でお断りされてしまった経験をお持ちの男性もきっとたくさんいらっしゃることでしょう(こう書いているだけでも「だ、男子に生まれてこなくてよかった……」と私なぞは思ってしまいました)。
実際に私は、周囲にいる彼女がいない男性から、何度も、
「いや、断られるってかなり精神的にキツいんですよ」
「ドライブでもしませんか? と声をかけてもその段階で断られたのはすでに12人。会ってももらえないのにどうやって自分を知ってもらえば? もう誘うのもつらいです」
とカタチは違えど内容が似ている話をされたことがあります。
しかし、そこで、そのときのシチュエーションや相手との仲良し度について聞いてみると「ん?」と首を傾げたくなることがときどきあります。
- 会社のエレベーターや学校の共用スペースで顔を合わせるだけの関係。こちらは相手の名前を知っているけど、相手が自分の名前を知っているかどうかはわからない関係なのに、いきなり「ドライブ」や「映画」に誘う。
- 同じ会社の人、同じ学校の中から、すでに3人以上の女性に、しかも容姿に恵まれた子だけに誘いをかけている。
- いつも髪に寝ぐせがあったり、そこはかとなくだらしのない服装をしており、そのままの格好でよく知らない女の子に声をかけるという大胆な行動を取っているのに、自分ではその辺りに気づいていない。
(1)に関していうと、よく知らない相手をいきなりデートに誘うのは、ふたりともお互いに「ビビッ!」とくるものを感じたというような電撃的ひとめぼれでないとつらいところがあります。
男性の立場で考えると「好きな女の子=いい子=ぜひとも二人きりで仲良くしたい」と思うのかもしれませんが、女性は小さい頃から「知らない人についていっちゃいけません」「男はオオカミなのよ、気を付けなさい」と言われて育っているのです。
あまりよく知らない男性と、ドライブ(車という逃げられない密室に入る)したり、映画(やはり近距離に置かれ逃げられない密室で、おまけに暗闇)を観たりするなんて、そんなことをしたら「私は誰にでもついていくおバカさん」と言っているようなものなのです。 ですから、相手をよく知らない間は、まずは積極的に「おはようございます」「こんにちは」とアイサツをして声をかけ、「あの人って、アイサツがキチンとしているいい人」と印象付けるところからはじめるべきです。時間はかかるし、面倒かもしれなせんが、おさえきれない愛をぜひともアイサツのひと言にこめていってほしいと思います。
(2)です。男性同士はあまりプライベートな話をしないことが多いらしいですが、女性は違います。「オオカミ」である男子から身を守るべく、男子の(それに付随して女性のも)情報はすべての女子に、逐一報告されていきます。女の子の高度に発達した情報網を侮ってはいけないのです。ですから、
「××部の△△くんが、□□部の☆☆子ちゃんのこと好きらしいよ」
などという話は、すぐに女性全員の耳に入ってしまうのです。
ですから、同じ職場、同じ学校の女子、3人以上に声をかけたりすると……、
「何よ、けっきょく誰でもいいんじゃない」
「見境なくない?」
「なんで私の次が××子なわけ?」
と知らないうちに女性全員の反感を買ってしまうなんてこともあるのです。どうしても、同じ職場・学校にしか出会いがないという人は、ひと月~数カ月ではなく、できれば一年くらいは間をおいて他の女の子を誘ったほうが無難かなぁと思います。
最後に(3)になります。女性は身だしなみに気を遣っている人が多いです。だからこそ、男性であるあなた達が「かわいい」と思い、目を引かれるのだと思います。私の知人のWebデザイナーJくん(28才)は、インターネット恋愛でよく彼女をみつけてきますが、
「はじめて会うぞっていうときに、汚れた白いスニーカーのかかとをふんで、迷彩パンツをはいて、iPodつけたまま来た女の子がいるんですよ。私はこのことにそんなに気合い入れてないわよ、って見せたい気持ちはわかるんですけど、男としてはそのカッコを見てガクッとくるというか、興ざめしますよ」と言っておりました。
こういう気持ちは女子としてもいっしょです。男の子が自分を誘ってくれて、うれしくない人はそんなにいないはずです。「え、私に声をかけてくれたの? 私を誘ってくれてるの? うれしい!」と誰もが思うはずです。しかし、その彼が……髪もボサボサ、スーツはよれよれ、おまけにお昼ににんにくでも食べたのかしらという臭いをさせていたら、やっぱりガクッときてしまうのです。
好きな女の子には敬意を表して、パリッとしたスタイルで声をかけてほしいなと思います。
時間をかけて知り合って、相手の警戒心が薄まったころに、できれば、ひとつの場所でひとりに絞って、格好に気を遣ってあげて、誘ってみるのがベストかと……。よろしくお願いいたします。
酒井冬雪です。スケジュール管理がどうも苦手です。たぶん、OL時代に秘書をしていて、スケジュール管理と人の顔をおぼえるのが仕事みたいなところがあったから、その反動で苦手になったんだと思います。しかし、いい加減、そろそろ、克服したいところです。では、またね。