女の子は「もっと気を遣ったら?」みたいなことを言うけれど、いったいどういうところに気を遣えばいいんだ? と疑問に思っている男性は少なくないはずです。

気を遣う……といっても、仕事の取引先に気を遣うのと、同性の友人に気を遣うのと、親や家族に気を遣うのと、気になる女の子や彼女に気を遣うのとでは、方向性が違うと思われます。

ですから、今日は「女の子(気になる相手や彼女や彼女候補)」に気を遣うという点にしぼって考えていくことにいたします。


某製薬メーカーで働くUくん(27才)は、ここのところ仕事がとても忙しくて、学生時代から付き合っている彼女のOちゃん(26才)と会う時間もなかなかつくれない状態です。

土日も出勤することが多いので、たまに休みが取れたときは、正直、ただひたすら家でゴロゴロとゲームをして、お酒を飲んで寝ていたいぐらいの気持ちです。しかし、Oちゃんから「今日は会えるよね?」とメールがくると、断るわけにもいかず、ひとり暮らしをしている彼女のアパートまで行ってしまいます。

彼女のところまで行くことは行くのですが、疲れているのでどこへも出かけたくない。それで、つい、ソファで眠ってしまったりしてしまいます。すると、
「ふたりでどこへも出かけていない」
「会ってもただ寝てるだけ」
「もうちょっと自分の彼女に気を遣う気はないの?」
と怒られてしまい、余計に疲れて帰ってくるハメに陥るのでした。

そんなふうに、またまた彼女から怒られてションボリと家に帰った次の日、Uくんは会社の先輩の女性社員とふたりで昼食を食べに行く機会に恵まれました。そこで、自分と彼女のことを先輩にポツポツと話しました。

「それは、彼女だってたまにはどこか出かけたりしたいんじゃないの?」
「それはそうですけど、こっちはもう3週間ぶりの休みでホントに疲れてて、ひたすら寝てたいだけなんですよ」
「それで、彼女のうちで一日中寝てたわけ? ごはんとかどうしたの?」
「いや、彼女が作ってくれて…」
「ええ? 晩ごはんを?」
「いや、昼メシと夜と…、あと、酒のつまみも作ってくれてましたけど」
「信じられない…。そんなにやさしくしてもらってるのに、文句言ってるわけ?」
「え、いや、別に文句っていうわけじゃないですよ」
「そこまでしてくれる彼女のうちに行くのに、お花を持っていくとか、ケーキを買っていくとか、そういうことはしてるの?」
「…いや、それはないですね」
「だから、ダメなんだよ。彼女は『どこかに出かけたい』って文句を言いながらも、ちゃんとUくんのためにごはんを作ったり、気を遣ってるわけでしょう」
「まあ、そういうことになりますね」
「自分がどういう仕事をしていて、どんなふうに忙しいとか、そういう説明を彼女にしてるの?」
「…仕事のことはぜんぜん話さないです」
「話をしなかったら、彼女だって事情がわからないじゃない。話もせずに、彼女のうちでただ寝てるのはよくないよ。何でも自分のことを話して理解してもらうようにしないと。それから、彼女がしてくれたこと…ごはん作ったり、そういうことにはちゃんと感謝の気持ちをしめさないとダメだよ」
「ちゃんと『ありがとう』って言ってます」
「ことばも大事だけど、たとえば彼女のところへ行く前に、駅のデパ地下で何かデザートを買って行くとかね。彼女のために何かを考えて、ちゃんと時間を使ってるよっていうところを見せないとダメなの」
「はあ…そうですか」

同情してくれるかと思いきや、先輩にまで怒られてしまったUくんなのでした。


彼女に気を遣う――付き合いが長ければ長いほど、忘れがちというか後回しにしてしまいがちです。そこには「彼女ならわかってくれるだろう」という、甘えもあるのかもしれません。

けれど、彼女や気になる女性だからこそ、気を遣って、優先順位を上げて大事にしてあげたほうがいいのではないかと私は思います。特に何をしたほうがいい、とはいいたくありませんが、まずは気を遣わなきゃ……と思うように心がけることからはじめてほしいところです。

前述のUくんのように、忙しく彼女と会う時間もなかなかつくれない、休日はひたすら寝ていたいという気持ちもよくわかります。しかし、休日に1日寝ていたからといって、疲れが取れるというものでもありません(1週間近く徹夜でもしていたなら、話は別ですけど)。

午前中はグッスリ眠って、午後は彼女といっしょに出かけてスポーツをするとか、おいしいものを食べるとか、そういうことをしたほうが気分転換になる。休日も心の中にメリハリをつけたほうがいいという場合もあるはずです。また、家でゴロゴロしてばかりで悪いなぁと思ったときは、自分で彼女に料理をしてあげるとか、近所に料理をテイクアウトできるお店を探しておいて、自分で食料を確保するとか、そういうふうに気を遣ってあげるのもいいことです。

彼女に文句を言われてばかりいるけれど、よく考えてみると「こんなこともあんなこともしてもらっているな」と思うのでしたら、自分も何かをして返してあげてほしい、そういう意味で女の子に気を遣えば、ふたりの関係も良好な状態がつづくはずです。気を遣うというのは、遠慮するとか、必要以上のことをするとか、そういう意味ではありません。好きな人に「何かしてあげたい」、そんな気持ちを持ち続けることが、女の子の考える「気を遣う」なのです。忙しいみなさんにはタイヘンなことかもしれませんが、ぜひ彼女の幸せのためにがんばってみてほしいところです。


こんにちは、酒井冬雪です。女として、男性に気を遣ってほしい私のポイントは「空腹」と「睡眠時間」です。「おなかがすいた」ときは、すぐに何か食べられるようにしてくれる(コンビニで売ってるピーナッツバターサンドでもいい)。機嫌が悪いときは「眠ったほうがいいよ」と言ってくれる。それだけでじゅうぶん、気を遣ってもらっているなぁと思えます。ワガママでしょうか? では、またね。