東日本大震災の影響で、JR水郡線が全線不通となっていましたが、4月15日に全線での運行が再開されました。水戸から郡山へ、久慈川に沿って北上する水郡線。沿線は、田園地帯と山地が織りなす里山の風景が広がり、日本三大名瀑の1つとして有名な「袋田の滝」など、観光スポットも点在します。今回は、そんな水郡線磐城石川駅での貴重な3列車交換風景の写真です。
下り列車に乗って磐城石川駅に到着したところ、貨物列車が停車していたのですぐに下車して撮影。乗ってきた列車の最後尾は、改造されたブタ鼻ライトがご愛敬な湘南電車顔の珍車・キハユニ15でした。しばらくすると、上り列車が郡山方面より到着。目の前で、列車2本と貨物列車、計3本の列車交換が行われたのです。
当時の駅構内には数両の貨車が留置され、それなりの貨物扱いがあったようです。その後、水郡線の貨物営業は1987(昭和62)年に廃止されました。水郡線のバラエティーに富んだ車窓からの風景は、今でも思い出に残っています。大きく蛇行する久慈川を何度も渡りながら展開される里山の風景、長閑な田園地帯、山地を行く山岳線のような雰囲気……。機会があれば、ゆっくりと全線を乗り通してみたいですねぇ。
松尾かずと
1962年東京都生まれ
1985年大学卒業後、映像関連の仕事に就き現在に至る。東急目蒲線(現: 目黒線)沿線で生まれ育つ。当時走っていた緑色の旧型電車に興味を持ったのが、鉄道趣味の始まり。その後、旧型つながりで、旧型国電や旧型電機を追う撮り鉄に。特に、73形が大好きで南武線や鶴見線の撮影に足繁く通った。