昨年12月4日には東北新幹線新青森が開業、そして今年3月5日には「グランクラス」を導入した「はやぶさ」がデビューと、鉄道ファンだけではなく多くの人々の注目の的となった東北新幹線。その開業前、首都圏と東北地方を結ぶ重要な役割を担っていたのが、東北本線や常磐線を長駆疾走していた特急列車です。

今から36年前の1975年当時、上野駅を発着していた特急の一部は東大宮操車場に回送され、整備や検査を受けて束の間の休息を取っていました。

東大宮操車場に留置中の「やまびこ」(上野 - 仙台)、20系客車「ゆうづる」(上野 - 青森)など。1975(昭和50)年2月

東大宮操車場に留置中の583系「ゆうづる」。寒波の中を疾走してきたのかスノープロウには雪がついたまま 1975(昭和50)年2月

上野 - 青森間を常磐線経由で結んだ寝台特急「ゆうづる」は、撮影した翌月の1975年3月に増発され、1日に客車4往復・電車3往復の計7往復となりました。現在の寝台特急の状況からは、想像すらできない活況ぶりです。

東大宮操車場で洗車中(?)の20系客車「ゆうづる」。1975(昭和50)年2月

東大宮操車場で入れ替え中のEF58。その横には「ゆうづる」「やまびこ」が見える。1975(昭和50)年2月

東大宮に向かう途中、上野駅でのスナップです。"つばさ"のエンジン音は、すごかったに違いない。

上野 - 秋田を結んだキハ181系特急「つばさ」。上野駅にて。1975(昭和50)年2月。キハ181系の定期運転は、2010(平成22)年11月で終了した

上野 - 青森を結んだ雪まみれの寝台特急「あけぼの」。上野駅にて。1975(昭和50)年2月。カメラのカバーが写りこんでいますがご勘弁を

※当時の許可を得て撮影
松尾かずと
1962年東京都生まれ
1985年大学卒業後、映像関連の仕事に就き現在に至る。東急目蒲線(現: 目黒線)沿線で生まれ育つ。当時走っていた緑色の旧型電車に興味を持ったのが、鉄道趣味の始まり。その後、旧型つながりで、旧型国電や旧型電機を追う撮り鉄に。特に、73形が大好きで南武線や鶴見線の撮影に足繁く通った。