大好きな相手には「自分ができることは何でもしてあげたい」と思う人が多いことでしょう。無条件で、無償で、「何でもしてあげたい」という気持ちは分からなくもないですが、少し待ってください。あなたの一途な思いだけが暴走し、時としてその行為がやり過ぎになってしまうこともあります。いざ、気持ちが暴走してしまうと、後には引けない所まで走り続けてしまいます。気づいたら「別れ話を切り出されていた」では尽くしたかいがありません。
・必要以上に世話を焼いてしまう
これは特に女性の場合に顕著です。食事、洗濯、掃除、部屋の片づけなど、まるで奥さんのようにカレシの世話を焼くあなた。それこそ、上から下までなんでもしてあげる。中には、カレシに靴下を履かせてあげたり、シャンプーをしてあげたりする女性もいます。
カレシに尽くすことは悪いことではないですが、何事にも限度があります。尽くし過ぎることが日常化し、それが当たり前になってしまってはいけません。行き過ぎた愛情表現が限度を超えてしまうと、カレシの中でのあなたの位置が「ウザいオンナ」へとランクダウンする可能性があります。
最初のうちはカレシの中に感謝の気持ちこそあれど、その気持ちはだんだんと薄れ、あなたはカノジョではなく母親か召し使い、果ては「ただ世話を焼いてくれるだけの人」に成り下がってしまいます。世話を焼いてあげることは必要ですが、限度をわきまえることを覚えましょう。
・無理をしても貢いでしまう
「カノジョの喜ぶ顔が見たい」「カレシの力になりたい」と、求められるがままに、いや、たとえ求められなかったとしても自分のキャパシティを超えて貢いでしまう人がいます。あなたは果たして「自分は大丈夫」と言い切れますか?
私たちが相談を受けるお客さんの中には、私たちに指摘されて初めて、「私は貢いでいたのか」と気付く人がかなり多くいます。意識するしないに関わらず、自分でも気付かないうちに金品を貢いでしまっているのです。あなたの好意に便乗し、悪意であなたを利用する人もいます。
よく考えてみてください。本当に好きな人が無理して貢いでいるのが分かったら気持ちの良いことではありませんよね。好きでないからこそ、あなたのことをただの金ヅルだと思っているからこそ、平気であなたの好意を受け入れているのです。それこそ、キャバ嬢やホストにとっての「カモ」と同じ状態です。お金で人の気持ちを買うことはできないのです。
・自由にさせ過ぎる
相手に対して、「こんな事を言ったら嫌われるかな?」「器が小さいと思われたくない」と、そんな考えで相手を自由にさせ過ぎてしまう人がいます。カレシ(カノジョ)が異性と出掛けるのに対しても何も言わない、たまにしか連絡を寄こさなくても不満を言わない、そう、心の中では不満が渦巻いているにも関わらずです。
あなたが恋人に頓着しないことに対して友達から指摘されても、「自分は束縛しないタイプだから」などと自己欺瞞(ぎまん)のポリシーをひけらかしていることでしょう。そうしているうちに、あなたの大切なカレシ(カノジョ)は時を経ずしてあなたの下から遠くへと行ってしまいます。放任主義を逆の意味に取られて、「この人は自分に関心がないのか?」と思われるならまだしも、「愛情がないのだ」と思われてしまうかもしれません。こうなると「別れ」は時間の問題です。
放任主義を気取る前に、もう一度「これで良いのか?」と自問自答してみてください。過剰な束縛は否ですが、相手に気付かれない程度に、適度に、相手を絡め取ってうまく操縦することが必要です。
力関係は平等なほうが恋愛は長続きする
相手の事を思い、相手への愛情表現として「尽くす」ことは必要なことです。しかし、やり過ぎ、行き過ぎは常に禁物です。あなたと相手との力関係は平等であるべきです。平等である方が長い目で見ると恋愛関係は長続きします。
力関係の均衡が崩れると、必ずどこかにひずみやねじれが生じます。小さなひずみは修復が可能ですが、小さなひずみが蓄積されていくと大きな溝となります。この溝を埋めることは容易ではありません。あなたと相手との間に溝ができないよう、客観的に自分の行動や行為をもう一度振り返ってみてください。また、愛情を与えるばかりでは、その恋愛関係は成就し難いのだと肝に銘じておきましょう。
<著者プロフィール>
坂田陽子
1977年、福岡県生まれ。20代の半ばから恋愛に関するカウンセリングを開始する。数多くの相談案件を解決した経験から、独自の恋愛論を展開し、各メディアで人気に。現在では、日本国内のみならず海外からも恋愛相談を受け、その相談件数は年間1万件以上にも上る。2010年にNPO法人・日本結婚紹介業協会との連携で認定資格「恋愛アナリスト」を制定し、恋愛に起因する悩みを持つ人を救済するための後進の育成も手掛ける。
坂田陽子の恋愛力アップ相談教室
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