交際期間が長くなってくると、二人の関係は大別して2つのパターンに分岐します。そのまま結婚へと進むパターンと、残念ながら恋愛が終わりを迎えてしまうパターンです。今回は、これら2つのパターンのうち、後者の場合の話です。
あなたが「二人の関係がうまくいっている」と思っていたにも関わらず、ある日突然、相手から別れを切り出されたとしたら、どうなるでしょう? まさに寝耳に水、青天のへきれき。別れ話に逆上し、あなたの口からは思いも寄らない言葉が飛び出してしまうかもしれません。しかし、逆上していたから、気が動転していたからといっても、これだけは言ってはいけない言葉があるのです。
・「別れるくらいなら死ぬ」
RPGゲームの究極魔法にも匹敵する、絶対使ってはいけない言葉です。自分たちには関係のない第三者同士で交わされた言葉であれば、「死なないから大丈夫」「死ぬはずない」と言えますが、いざ自分がその当事者になってしまったら軽々しくそうは言えません。しかも、心の奥には恐怖の感情が芽生えます。「このまま別れたらストーカー化するのでは?」「憔悴(しょうすい)して自殺でもされたら嫌だ」心の中は心配と恐怖に支配されてしまいます。これでは相手を脅迫しているのと同じです。こうなると、どんな手段を使っても相手の心に「愛情」は戻りません。
・「別れたくない」
相手から突然「別れ」を告げられたら、意識するしないに関わらず、口を突いてこの言葉が出てしまうかもしれません。反射的に、つい口走ってしまうのなら仕方ないですが、しつこく何度も「別れたくない」と懇願するのはNGです。別れを告げられた相手を翻意させるのは容易ではありません。また、しつこく懇願されればされるほど相手はかたくなになり、心を閉ざしてしまいます。こうなると関係の修復はさらに難しくなります。
・「悪いところがあったら直すから」
あなたに、悪いところ、納得がいかない箇所があるからこそ相手は「別れよう」という結論に至ったのだと考えてみるべきです。そして、この状況になるまであなたが自身の瑕疵(かし)に気付かなかったのなら、別れを受け入れ、引き下がるのが無難です。相手が別れを切り出すに至るまでを思い返してみてください。「不機嫌でいることが多かった」「暗い表情をしているところを見かけた」このような行動が見受けられたはずです。この場合、たとえ一時的に関係を修復できたとしても、あなたが自身が自分の瑕疵や欠点に気付かない限り、必ずまた同じ結果を招きます。
・「他に好きな人ができたの?」
これを聞いた相手が「うん」と答えたら、あなたはどうしますか? さらに相手を問い詰めますか? それとも、半狂乱になりますか? あなたの反応を見て、「別れを切り出して正解だった」と思われるのがオチです。また、この行為は自分で自分の傷口に塩を塗るにも等しく、別れた後の落ち込みダメージを増加させてしまいます。相手から別れを告げられたら、「あ、そう」、「幸せにね」と、あえてサラっとした態度で言ってやるくらいの気持ちでいること。相手に肩透かしを食らわせてやる……くらいの気持ちの余裕を持っていることも必要です。
恋人との別れは新しい人生の始まり
中には「自分が支えてあげないと相手がダメになってしまう」と考え、別れを思いとどまってくれる人がいるかもしれません。しかし、この状況に陥った二人の間に存在するのは、互いに相手に依存し合う「共依存」の状態だけになってしまいます。そんな関係が楽しいわけがありませんし、長続きもしません。
相手があなたに別れを告げるに至った経緯を分析することで、あなた自身の誤りや欠点を見付けることができます。自分の誤りや欠点を正すことが、きっと次の恋愛の糧(かて)となります。また、「恋人との別れは新しい人生の始まり」と、前向きな意識を持つこと。次の新しい恋を見付けるまでの期間に、同じ轍(てつ)を踏まないよう自分の行動を冷静に分析し、反省することで、自然と次の恋愛を引き寄せることができるようになります。
<著者プロフィール>
坂田陽子
1977年、福岡県生まれ。20代の半ばから恋愛に関するカウンセリングを開始する。数多くの相談案件を解決した経験から、独自の恋愛論を展開し、各メディアで人気に。現在では、日本国内のみならず海外からも恋愛相談を受け、その相談件数は年間1万件以上にも上る。2010年にNPO法人・日本結婚紹介業協会との連携で認定資格「恋愛アナリスト」を制定し、恋愛に起因する悩みを持つ人を救済するための後進の育成も手掛ける。
坂田陽子の恋愛力アップ相談教室
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