いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!



39歳会社員男性です。年収は1000万にギリギリ届く感じです。仕事は安定し、勤務先も倒産の心配は皆無に等しく、世の中的には優良物件です。高校の同窓会でも、「オマエは引く手あまただろうにナゼ結婚しないんだ。高望みしすぎなんだろう」と何人からも言われるので、優良物件であることは間違いなさそうです。

当方、スペックを書いておきますと、大学は一流国立大卒。1人暮らしで、両親は他界しています。この点も、嫁姑の争いがないので、女性としてはポイントが高いのではないでしょうか。住まいは都内一等地にあるタワーマンションで、結婚後のことを考えて4LDKを購入。購入額の半分程度の頭金を入れているので、住宅ローンの返済で苦労することはありません。健康診断で引っかかることもなく、健康体です。

一度、結婚相談所に登録しましたが、年下希望といっているのに年上とばかり会わされて、すぐに退会しました。相手の条件を言いますと、「27歳以下、育ちのいい女性」です。口の悪い女性や品のない女性は嫌いなので、良家の娘さんがいいです。

こういう条件を出して、婚活とまではいかなくても結婚相手がいればいいなぁと思ってから早5年です。どうして優良物件なのに、なかなか相手が見つからないのでしょうか。



本当に、どうして結婚相手がみつからないのでしょう、不思議ですね。でも、なんとなく、結婚相談所の方が相談者さんに年上女性を紹介する気持ちがわかります。

私がもし相談者さんご希望の27才以下の育ちのいい良家の娘で、相談者さんと知り合う機会ができたら……と想像してみましょう。きっと「スペック、最高! 」と思うでしょうけれど、あまりにも立派すぎて、上から目線で毎日威張られて疲れちゃいそう、という気がしてしまいます。

何不自由なく育った良家の娘であればなおのことです。親御さんに愛され、やさしく守られて育ったのですから、今の生活環境より少しでも面倒な状況、わずらわしいことは避けたいと思うはずです。結婚相談所の方はプロですから、相談者さんと張り合える同年代の知的な女性のほうが合っているのでは、と考えたのかもしれないですね。

相談者さんは私と同じ世代の方なので、多分、目上の人の言うことを聞こうと思う。上下関係を大切にする。マジメ。だけど、少し下の世代の自由さも理解できる、といった特徴を備えていらっしゃることと思います。会社勤めをしている友人や知人を見て思うのは、職場の中でも親密に付き合っているのは、やはり同期の友人や年齢の近い仲間なんだな、ということです。  

やっぱり、上の世代には気を遣うので、なかなか懐に入り込めませんし、下の世代には「うるさいオッサン(オバサン)だな」と思われたくなくて、距離を置いてしまうのかも。もしくは、生活環境や悩みが似ている同世代とのほうが付き合いやすいという理由もあるかもしれないです。私の友人などは、大企業に勤めてバリバリ働いていますが、「娘は専業主婦になって、楽してほしい」なんて平気で言います。「何を言ってるの。これからの男の子は、働かないで家にいる妻子を養える自信がない子が多いんだよ。おまけに、男女とも我慢をしたくないから、ちょっとイヤだと思ったらすぐに離婚するし、親もそれを許すんだから。自分だって、娘に『結婚相手がイヤだったら帰ってきなさい』って言うでしょ? 女の子もずっと働いていないと、後で自分が困ることになるかもしれないんだよ」と思わず言い返してしまいました。

会社に若い男女がいっぱいいるのだから、彼らとプライベートな問題を話していれば、考え方や悩み、未来への不安がよくわかると思います。相談者さんも、倒産の心配が皆無に等しいような職場で働いているのですから、ぜひ、自分が結婚したいと考えている年代の子の特徴を知るべく、職場の後輩と仲良くなってリサーチしてみてほしいと思います。

今の20代の子が自分の世代と決定的に違うなと思うのは、「人を見る目」です。自分たちと同年代だったら、被害にあわないと本性を見抜けないような「ぶりっ子」な女や、いろいろな面で優れているけど性格がよくない男を20代の子たちは即座に見抜きます。先が見えない不況のなかで育ち、未来に希望が持てないぶん現実的になり、危険を察知する能力が高まったのかもしれません。ですから、恋人や結婚相手に求めている要素、スペックも、随分と変化してきていると思います。

相談者さんには、そういったところをぜひ見極めてもらって、相性のよいステキな女性をみつけてほしいです。

恋のお悩み、募集してます

マイナビニュースでは、酒井冬雪先生への恋愛相談を募集中です。恋愛や婚活のお悩み、さらには結婚生活に関しての相談など、広く受け付けております。年齢、職業、性別を書き添えた上でこちらまでご応募ください。なお、いただいた相談内容は掲載させていただくことがあります。