いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!

偶然…カードの請求書を見てしまった

33歳男性、会社員です。お見合いパーティで知り合った女性と結婚前提で付き合いだし、半年ほどが経ちます。そろそろプロポーズを……と考えていた時に、彼女の借金が発覚しました。

彼女の自宅に行ったときのことです。彼女がお風呂に入っているときに、ゴミ箱につまづいてこけてしまい、ゴミ箱の中身もぶちまけてしまいました。あわててゴミを集めているときに、カード会社からの請求書がありました。「見てはいけない…」と思いつつも、見てしまいました。すると、請求は複数社からあり、ショッピングのローンに加え、キャッシングやカードローンも彼女は使っていました。そこにあった請求書だけで総額は200万以上。彼女は28歳です。それなりの規模の会社に勤めている会社員です。どうしてこんなにも借金をしているのかと不思議でなりません。

彼女がお風呂から上がってきたときに問い詰めようかとも思ったのですが、なかなか勇気が出ず、今に至ります。とても家庭的で、私のことを愛してくれていて、見た目もきれいです。結婚相手として申し分のない女性だっただけに、なかなかあきらめられません。でも、結婚してもこんな金銭感覚だったらきっとうまくいきませんよね? やっぱりあきらめたほうがいいんですよね??

どういった事情でつくった借金なのかを見極める

はじめまして、こんにちは。故意に……ではなく、たまたま知ってしまったからには、やはり彼女本人と話してみたほうがいいと思います。

が、話し合いをする前にもう一度、彼女のことをジーッと見つめ直してほしいです。たとえば、彼女の持ち物や服装、生活ぶりを。相談者さんが、ブランドものなどに興味がないのでしたら、なかなか気づきにくいかもしれませんが、彼女の持っているバッグやクツが高級ブランドの、しかもいつも新作ではないかと思って、見てみる。

女子はたいてい、バッグ好き派とクツ好き派に分かれており、どちらかに比重が傾きがなので(私の持論)、相談者さんの彼女がどちらタイプなのか見極めつつ、「そのバッグいいね。なんていうブランド? いくらくらいするものなの? 」と本人に聞いてみてはどうでしょう。いくら? と聞いて、彼女のいう価格が信じられなかったら、相談者さんが自分で値段を調べてみるといいかもしれません。

もちろん、女の子の場合、持ち物だけでなく見えない部分にお金を使うこともじゅうぶんにありえます。男性が聞いたら驚くべき値段の下着や化粧品を買っている。エステティックやセラピーにお金をかけている。誰かのファンで、試合やコンサートを見るため、全国津々浦々へ行っている。私の友人には、Jリーグマニア、宝塚マニア、文楽マニア、皇室マニアな女子がおり、自分の地元だけでなく、あちこちへ出て行くので、旅費や宿泊費、チケット代等の活動費がかかって大変だということです。

友人と付き合うのに値段の高いお店で食事をしていないか、高価なお酒を飲んでいるのではないか、ギターなどの楽器、自転車等の趣味にお金をかけているのかも。そういった面も気をつけて、彼女をもう一度、新しい目で見てみてください。

相談者さんの場合、彼女の自宅にまで行っている仲なのですから、彼女のプライベートな一面を垣間見たり、本人に「こういうのって、いくらぐらいするの? 」と直接聞いてみるのは、そうむずかしいことではないと思います。相談者さんが彼女のことで気になるのは、彼女が自分の稼ぐ以上のお金を遣っていることだと思います。そして、お金を遣いすぎる理由が、彼女の身の丈に合わない贅沢なのだとしたら、それはこの先も直らないのではないかと、相談者さんは心配しているのですよね。

でも、もしかしたら、彼女が実家から頼まれてお金を出していたり、病気などをしていてお金がかかっていたり、いたしかたない理由で必要以上のお金を遣っていたかもしれません。そういった事情を知るためにも、本人と話してみるしかないと私は思います。

ただし、問い詰めるのはなしです。あくまで、彼女の賃金で、彼女が作った借金であり、彼女自身の問題なのですから、相談者さんは彼女ととても近しい人物として、冷静に客観的に相談に乗るスタンスでいてあげてほしいのです。

自分自身や周囲の女性の行動を見て思うのは、学校や職場での人間関係にストレスや大きな荷物を抱えていると、物欲を満たすことでストレスを解消するタイプの女性がいるということです。しかし、そういった女性もいい友だちができたり、結婚して家族ができたりすると、憑き物が落ちたかのように物欲がスーッとなくなることはよくあるのです。

もし、彼女の力になってあげる気持ちがあるのでしたら、これ以上の無駄使いをしないように話し合い、どうやって返済していくか相談に乗ってあげてください。結婚して長くなれば必ず、お金の問題に限らず、何かしらのトラブルや困難にぶつかるものです。そんなとき「この人とはもうムリ」と思うか、一緒に乗り越えてあげようとするか、どちらかです。

どちらを選ぶかは、相談者さんが彼女をどこまで好きか、これからも起きる可能性があるトラブルに付き合ってでも、彼女と一緒にいたいかにかかっています。相談者さんが、後悔しない道を選べることをお祈りしています。

イラスト: 下薗慧子

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