海外旅行前に見てはいけない番組『史上最悪の地球の歩き方』

チャンネル	ナショナル ジオグラフィックチャンネル
この番組がスゴイ!	史上最悪の地球の歩き方

海外旅行前には見てはいけない、旅先でのアンビリーバボーな恐怖実話

観光ガイドの定番といえば? その問いかけに真っ先に思い浮かぶのは、やはり『地球の歩き方』だろう。読者からの投稿を募り、現地の最新情報を反映した本である。海外旅行経験者ならそれを片手に携え、見知らぬ土地を歩いたことがある人は多いはずだ。あらかじめ断っておこう。今回、紹介する『史上最悪の地球の歩き方』は、タイトルは似ているもののガイドブックとの関係はまったくない。一切ない。露ほどもない。旅先で巻き込まれた恐怖の体験を紹介するという番組だ。

旅先でスリにあった。置き引きになった。ぼったくられた。治安の悪い地域ではなくとも起こりうることだけに、少なからず経験がある人がいるかもしれない。なに、そんなのたいした話ではない。怒らないように。被害にあった人には申し訳ないが、この番組を見たら確実にそう思えるだろう。なにしろトラブルの桁が違う。

番組は当事者へのインタビューと再現ドラマで構成されている。チェチェンで拉致されて隣で友人が首を切られたという例外などもあるが、大抵は旅先ではっちゃけてしまい、麻薬がらみで逮捕されることから始まる。当然、母国ではないのでまともな弁護士はいない。即刻、刑務所行きとなるわけだが、送られた先はどこもかしこも最悪の場所だ。凶悪犯罪者20人と一緒の房であったり、元殺し屋しかいないところであったり、前年に受刑囚100人以上が射殺された刑務所であったり……。人気ドラマ『プリズン・ブレイク』のシーズン3では、荒廃したパナマの刑務所が舞台となっているが、あちらのほうが断然過ごしやすいのではないかとすら感じるほど。再現ドラマがやたらとリアルなのでガクブルだ。さらにたまに挟まれる当時の写真が怖い。

殴られ、蹴られ、寝る暇もなし。一生続くのではないかという地獄の日々を過ごすこととなる当事者。まぁインタビューに答えていることからもわかるとおり、なんとかそこから九死に一生を得るわけことになるだが、その展開も毎回サスペンスドラマさながらだ。ただ、ドラマと違ってカタルシスを得ることはないだろう。一生消えない傷を追っていたりするので後味は実に悪いのである。

はっきりいって日本から出たくなくなる内容。これから海外旅行を計画している人は絶対に見てはいけない。

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