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この番組がスゴイ! | BURN NOTICE ~消されたスパイ |
経済危機で失業率悪化のアメリカ。スパイも例には漏れません
世界的な経済不況で、派遣切りをはじめとした労働者の大量解雇が問題になっている。先行きも明るいとはいえず。いつリストラの矛先がコチラに向けられるかわからない。そんなご時世だけに大きな声では言いにくいし、あまり聞きたくない言葉だと思うが『BURN NOTICE ~消されたスパイ』(FOXCRIME)というドラマが今ホットだ。訳すと解雇通知である。
主人公のマイケル・ウェスティンは悲しいことに突然、クビを言い渡された男。どこから言われたかというとCIAから。マイケルは任務遂行中のスパイだったのだ。一般人なら給料が入らなくなるだけだが……それだけでかなり辛いことが、スパイはより悲惨らしい。銀行口座は凍結され、身分証明書も抹消。故郷のマイアミに放り出され、元同僚からは危険人物として常に監視されることに。うーん、世知辛い。国家の安全も経済危機には負けてしまったのか。いや、まさか。では、なんぞ?
不況は起業の母となるのか? 元スパイのよろず請負業を描いた『BURN NOTICE ~消されたスパイ』 |
その理由を探るのが根幹部分のストーリーだ。しかし、最初は五里霧中の状態。なにより先立つものがない。そこでマイケルは考えた。とりあえず、元一流スパイの頭と腕を活かして、よろず請負業でもするか、と。そうして元IRA工作員で元カノのフィオナと、元軍情報部にいた友人のサムを巻き込み、警察には頼れない問題を抱えた人たちの手助けを開始。この依頼を一話完結型で解決していくのがドラマのメインだ。
普通はスパイが主役というと、シリアスなアクションを思い浮かべるだろう。しかし、スパイとはいえどフリーターの状態だからか、久しぶりに帰ってきた息子にべったりなママに振り回されたりなど、ユル~く展開するのが面白いところ。マイケル演じるジェフリー・ドノヴァンも笑顔が実に癒し系。特に「ニカッ」と笑う、いかにもな作り笑顔には、観ているこちらも思わず引き込まれてしまうハズ。
バカンス気分なマイアミの風景がお似合いの新機軸のスパイドラマ。もちろん、アクションファンにもオススメだ。スパイの経験を活かすときは「潜入場所からの逃げ出し方」や「盗聴器の作り方」など、その心得が多々モノローグで入るのが毎回のお約束。一般人にはあまり使いどころのないかもしれないが、解雇される前に覚えておくと、つぶしがきくかもしれない。
なお、11月にはDVDのレンタルが開始される予定。マイケルの吹き替えはルパン三世の栗田貫一だ。こちらもな~かなかユルそう。
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