カラオケという交流の場をうまく利用し、モテ女になれる「カラオケレイディ」になろうというお話の続き。筆者の知人の中から、参考になりそうな女性を2人紹介します。
歌がうまいのに周囲はドン引き! その理由は…
まず1人目は、通信系会社の事務員をやっている恵里さん(仮名、28歳)。彼女は地元にいた頃からカラオケが大好き。中学・高校と、ずっと「うまい」とほめられ続け、上京して大学生になってからも、カラオケ友達を作って頻繁に歌いに行っていました。しかし、上京して以来、カラオケに行ってもいまいちウケが悪いことに彼女は気づきます。
どうしてなのか悩んでいた頃、カラオケ友達とささいなきっかけで喧嘩に。そのとき、彼女は相手から言われてしまったのです。「あんたとカラオケに行っても楽しくないのよ! 自分の世界に酔って、空気読まずに自分のお気に入りの曲ばっかり歌ってさ。一緒に来る男、いつもあんたにドン引きしてるのよ!」
故郷の仲良しグループなら優しい目で許されていたことが、あらゆるタイプの人々が集まる東京に来た途端、見方が厳しくなっていたのです。彼女はショックを受け、カラオケ恐怖症にさえ陥ったそうです。
その後、就職した彼女は、新人歓迎会にて気が進まないながらも断れず、2次会のカラオケに行くことになります。そのとき、先輩OLが他の男性社員や年配の課長らに合わせて曲をチョィスする姿を見ながら、「……そうか!」と、恵里さんは目が覚める思いだったそうです。ただ歌うだけでなく、歌うことでコミュニケーションをしなければいけないのだと。
その後の彼女は、先輩OLの立ち振る舞いを研究し、カラオケで周囲とうまくコミュニケーションを取るべく、自分なりの「4つの法則」を作っていったそうです。一体どんな法則なのでしょう? 直接本人に聞いてみました。
法則1 : カラオケの最初の1曲をみんなが遠慮したら、あえて自ら歌う
これだと時間の無駄にもならないし、自分をアピールすることも可能。そういう場面で図々しくなっても、嫌な人とは思われないそうです。
法則2 : 要所要所で「定番曲」をうまく使いこなす
その場にいるみんなが知っていそうな「大定番」の曲を抑えて歌っていくと、盛り上がりをキープして楽しい会にしやすいとのこと。
法則3 : 静かな曲を歌うときはタイミングを考える
カラオケにおいて、その場の雰囲気やテンションはみんなが楽しむための大事な要素、バラードなどの静かな曲は、場合によっては一気にテンションを下げてしまうことにもなります。だからタイミングを見計らって選んだほうがいいでしょう。いきなり1曲目で歌うのは避けるのが無難です。
法則4 : 自信がない曲にもあえてチャレンジする
あまり自信がない曲を人前で披露するのはためらうものですよね。そういう曲でも、あえて入れてみるといいことがあるかも。たとえ歌詞がわからなかったとしても、その場に意中の人がいたなら、「手伝ってよ~」とか言ってマイクを渡せばいいのです。それがきっかけで仲が深まることもあるのですから。
もちろん、これらの法則すべてがばっちり機能することも少ないでしょうが、つねに心がけておくことで、カラオケを「楽しい場所」にできる確率はかなり高められるでしょう。恵里さんもそのことを、自信を持って言っていました。じつは筆者も、カラオケに行ったときにはこの法則を心がけています。その結果、何も考えていなかった頃と比べて、確実にその場の雰囲気が良くなっているような気がします。
共通の趣味を持つ人とのカラオケ会が、モテるきっかけに!
さて、今回もう1人紹介する「カラオケレイディ」は、企画力で勝負した文子さん(仮名、25歳)。出版関係の営業職の女性です。現在の彼女は明るく社交的で、何事にも積極性を持ち、人見知りをしないタイプ。すごく美人というわけではありませんが、どこか人を惹きつける雰囲気を持った女性という印象があります。
そんな彼女も、中学・高校時代は内向的で、つねに欲求不満をためこむタイプだったそうです。しかも最新のヒット曲に興味を持てず、彼女の青春時代より少し古い、1990年代のヒット曲を歌うのが大好きというタイプでした。
とはいえ、彼女と同年代で同じ趣味を持つ人は少なく、カラオケに行くとみんなが歌うのは最新のヒット曲ばかり。彼女が好きな歌を遠慮がちに歌うと、みんなから微妙な反応をされてしまい、本人いわく、「あの頃の私は心を開ける友達もいなくて、ぱっとしない青春を無駄に過ごしていた」そうです。そのような状態はかなり長く続きました。
やがて文子さんは短大を卒業し、社会人に。それからしばらく経った後、たまたま仕事関係で知り合った同世代の人たちと3人で飲み会に行くことになりました。
そこで趣味の話題になり、文子さんがカラオケの話をすると、「どんな曲を歌うんですか?」と質問が。お酒が入って酔っていたせいもあり、勢いで「90年代の歌が……」と言うと、2人とも「じつは私も!」と、意外なところで共感と賛同を得られました。3人は一気に打ち解け、話も盛り上がり、そのまま2次会はカラオケに行くことに。そこでも大いに盛り上がり、じつに楽しい夜になったそうです。その流れで、「今度はもっと人を集めてやりましょう!」という話になり、実際に行われたカラオケ会も大成功。1990年代の曲を歌う会は定期的に続くようになりました。
自分の趣味を十分に生かせる上に、いろいろなタイプの人と親密になれる場所ができたことは、彼女にとって大きなプラスになりました。「1990年代の曲を歌うのが好き」という人たちの集まりですから、お互い仲良くなるのもスムーズ。文子さんもいまではすっかりモテモテです。趣味を生かし、自らの才能も開花させた非常に幸運な例だと思います。
このように、企画力と行動力を秘めている人なら、カラオケを「コミュニケーションの場」に変えることも難しくないはずです。