夏休みもそろそろ終わりが見えてきました。子どもがいるご家庭で気になるのは宿題の進捗。なかでも一夜漬けが難しい読書感想文は、早めに終わらせておきたいところです。
この記事では、本の要約サービスを運営しているフライヤーの編集部が、読書感想文の終わらせ方を解説します。初回のテーマは読書感想文用の本の選び方です。そもそも読書感想文とは何を書けばいいのかや、感想の書きやすい本の選び方をみてみましょう。
そもそも読書感想文って何を書くの?
「感想文」という言葉から誤解されがちですが、読書感想文を本の感想だけで終わらせてはいけません。読書感想文で求められているのは、本を題材に、自分の考えや意見を書くこと。一番話題にしたいのは、読書をした前と後での自分の変化です。本のあらすじに触れたら、そのあとはほとんど自分の話をして良いのです。
つまり、読書感想文の書きやすい本とは自分の話がしやすい本ということになります。自分と似た体験をもった登場人物に注目して自分の体験の話をしたり、本を通して知らなかったことを知ったという発見を書いたりできる本を選びましょう。あえてまったく興味のない分野や、嫌いなものが題材のテーマを選んでも、「はじめて知った」「嫌いなものにも発見があった」という話がしやすくなります。
話題の本について書く
話題になっている本は、感想文が書きやすいものの代表! その本を読んだきっかけとして「今話題になっている」ということについて触れてから、「こんな本だと期待して読んだ」「実際にはこんな話でこんなことを考えた」と、読書を通じた変化を書くことができます。
同名の映画で話題の『君たちはどう生きるか』では、主人公コペル君の成長が描かれています。大人でも考えさせられる出来事がいくつも起こるので、きっと心に引っかかるエピソードが見つかるはず。印象に残ったシーンと、その理由やそこから考えたことを書けば、立派な読書感想文になります。
エッセイを題材に自分の意見を書く
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』は、イギリス在住のブレイディみかこさんが、アイルランド人の夫と中学生の息子との、3人の日常をつづるエッセイ集です。リサイクルのために不用品を集めている際に「僕は自分のごみを誰かにあげようとしているのかな?」と考え込む息子、「ノンバイナリー」の先生など、意見や発見を書きやすい題材が溢れています。
読書感想文を書くためには必ずしも本を全部読む必要はありません。この本だったら、気になるエッセイを1つ取り上げてもOK。どうしてこのエッセイが気になったのか、日本で暮らす自分の生活と同じところや違うところはあるか、この話を読んで何を考えたかなどを書きましょう。
ノンフィクションで発見を書く
ノンフィクションの本から得られた新しい知識は、そのまま読書感想文の題材になります。人間が外界から得る情報の8~9割は視覚によるといわれています。では、目の見えない人は、世界をどう見ているのでしょうか。
本を読む前にイメージしていたこと、本を読んでから得られた新しい発見、そこから考えたことを書くのが、ノンフィクションで読書感想文を書くときの基本の構成です。〈見る〉ことそのものを問い直す『目の見えない人は世界をどう見ているのか』は、新しい発見に溢れているので、読書感想文にもぴったりです。
以上、読書感想文の書きやすい本選びについて紹介しました。リンク先では本の要約が見られるので、実際に本を買う前の試し読みや、内容理解を助けるための補助教材としておすすめです。次回は、読書感想文の構成のつくり方について解説します。