卵子凍結について正しく知ってもらうため、情報メディア「卵子凍結UPDATES」の担当者が5回にわたって卵子凍結のリアルをご紹介します。
前回は企業に焦点を当てて、福利厚生制度の導入が進む背景をお伝えしました。今回は、実際の導入例をご紹介します
■日本企業の導入例
伊藤忠商事
1858年創業で、現在は世界61カ国に約90の拠点を持つ大手総合商社です。
Point
・2024年4月から導入
・海外駐在中の社員、および配偶者が対象
・海外駐在中社員のキャリア支援のため導入
同社は女性役員の数値目標を設定するなど、女性の活躍推進を積極的に行っており、その中でフェムテックを中軸としたキャリア継続支援にも取り組んでいます。
その背景として、海外駐在の業務上の必要性に対して、社員が安心して海外駐在にチャレンジできるように社員とその家族への選択肢を拡充する目的で、海外駐在中の卵子凍結保管費用を負担する福利厚生制度を2024年4月に導入しました。
ユニ・チャーム
1961年創業の大手衛生用品メーカーで、ヘルスケア製品などでアジア1位のシェアを持っています。
Point
・2024年7月から導入
・社員(パート含む)とその二親等以内の親族が対象
・ライフプランへの支援が目的
同社は、妊娠を希望する女性の働きやすい環境を目指して2024年7月に福利厚生を導入しました。その背景にはライフプランへの支援があります。社員一人ひとりの多様な人生設計を支援するべく、卵子凍結保管を可能とするサービスを福利厚生制度に導入しました。
この制度は、正社員やパートだけでなく、その妻や子どもなど二親等以内の親族も対象とされており、先進的な取り組みとして各種メディアにも報じられました。
クリーク・アンド・リバー社
映像・広告・建築など多岐にわたる分野でエージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開しています。
Point
・2024年4月から導入
・同健康保険組合被保険者およびその二親等までの親族が対象
・柔軟なキャリアプランとライフプランの形成を支援するため導入
女性社員の柔軟なキャリアプランとライフプランの形成を支援するため、2024年4月に導入されました。同社は正社員の約半数である47%が女性であり、かつ20代と30代が71%という比率で構成されています。そのため、女性活躍をテーマとしたセミナーなどを定期的に開催し、情報周知にも努めています。
女性社員一人ひとりが、自分自身の成功・働きがいの実現に向けて、ライフプランを設計できるよう、また自身のキャリア・ライフプランを考えるきっかけになるように、という思いから卵子凍結を福利厚生に導入しました。
さらに卵子凍結セミナーも開催しているほか、定期的に社内向けの卵子凍結への理解を深める切り抜き動画を配信するなど、啓発活動にも積極的に取り組んでいます。
■まとめ
ここまで、企業の福利厚生制度の実際の導入例をお伝えしました。
企業が福利厚生制度として導入することで、社内外へのインパクトや人材確保にもポジティブな影響をもたらすことが分かりましたね。
"仕事か子どもか"という選択を強いられる女性を一人でも減らし、それぞれが理想のライフプランを選択できるようになるため、日本企業へのさらなる導入が期待されています。