情報メディア「卵子凍結UPDATES」の担当者が、卵子凍結のリアルをさまざまな視点から紹介していく本企画。

前回は卵子凍結の基本について、妊娠率や費用などの視点でご紹介しました。今回は、卵子凍結に興味を持っている女性たちに焦点を当ててお伝えします。

  • 女性がイマ卵子凍結に興味を持つ理由とは?

■注目が集まる卵子凍結! そのワケは?

なぜいま、卵子凍結に興味が集まっているのでしょうか。その背景には、さまざまな事情と希望が関わっています。以下に、いくつかの具体的な例をご紹介します。

1. パートナーがいなかった時に子どもを諦める以外の選択肢がほしかった

適齢期にパートナーが見つからなくても、卵子凍結により将来の妊娠の可能性を保つことができるようになりました。この選択肢の拡大は、多くの女性に安心感と自由をもたらしています。

2. 妊娠・出産のタイミングを調整したい

卵子凍結によって妊娠や出産のタイミングをある程度自由に計画できるようになり、将来の妊娠の希望を保持できるようになりました。これにより、女性のライフプランが柔軟になり、選択肢が増えています。

3. 第二子、第三子を想定すると自然妊娠では難しそうだと思った

近年晩婚化によって第二子・第三子を授かろうとすると、35歳を過ぎてからのことも。自然妊娠の確率は35歳以降、大幅に低下するため(※1)将来の妊娠に備えて卵子凍結をする人もいます。これは高齢出産のリスクを考慮しながら、家族計画を進めるための有力な手段となっています。

卵子凍結に対する関心が高まる理由として、パートナーがいない場合の選択肢の拡大、人生の選択肢を広げる手段、将来的な妊娠の可能性を保つ方法が挙げられます。これらの要因が相まって、卵子凍結への関心はますます高まっているのです。

  • 卵子凍結を希望する理由

東京都が行った調査(※2)によると、卵子凍結を希望する理由として「2人の間に子どもがほしいと思える相手(パートナー)がいない」や、「キャリアアップや趣味を優先したい」という意見も。この背景には女性の社会進出が進んできていることから、個人が思う理想のライフプランをより柔軟に選べるようになったことが考えられます。

さらに、凍結卵子の保管サービス事業者(※3)が行ったアンケート調査では、76%の人が卵子凍結に対して「満足」と回答しました。その理由として、およそ6割の人が「安心感・子どもを持てるという希望」と回答し、3割の人が「実際に妊娠できたから」と回答しています。

もちろん、卵子凍結をしたからといって必ず妊娠できるわけではありませんが、女性たちの安心や希望につながっていることがデータからもうかがえます。

  • 卵子凍結の満足度 ※20代・30代の卵子凍結経験者(n=100)「卵子凍結あんしんバンクが行った調査(2024年3月8日~2024年3月12日)

■まとめ

東京都では、卵子凍結の助成金制度が始まる以前にも一定数の人が卵子凍結をしていたこと(※2)、そして説明会にも多数の応募が集まっているという実態があります。

晩婚化・少子化が社会課題として挙げられている今の日本社会では、女性が望むキャリアプランやライフスタイルを選べる環境になることがこれまで以上に期待されています。

次回は、実際に卵子凍結を行った方の体験談をご紹介します!

(※1)日本産科婦人科学会 ARTデータブック2021)
(※2)卵子凍結への支援の検討に関する状況調査結果ー東京都福祉局 子供・子育て支援部(2023)
(※3)卵子凍結あんしんバンクによる調査 ※期間:2024年3月8日~2024年3月12日) 対象:20代・30代の卵子凍結経験者(n=100)