京急電鉄の主力車両となった新1000形の第1編成(1001編成)が更新され、京急線内で営業運転を開始している。車体前面に「けいきゅん」がデザインされ、車内も一新された。新1000形の初期の車両では、シーメンス社製のVVVFインバータ装置・主電動機が採用されていたが、車両更新にともない交換されたという。
同社は2017年度の鉄道事業設備投資計画の中で、新1000形を36両新造するとともに、既存の新1000形8両の更新・改造を行うことを発表していた。今回、車両更新が行われた新1000形1001編成はアルミ車8両編成(1001~1008)で、更新工事が行われた後、9月17日に実車が公開されたと報じられている。現在は羽田空港国内線ターミナル~新逗子間(空港線・本線・逗子線経由)のエアポート急行を中心に運用されているという。
車両更新が行われた1001編成では、現在の2100形と同様、先頭車の窓下に京急電鉄マスコットキャラクター「けいきゅん」がデザインされている。その他、車体前面に加えて車体側面の種別・行先表示器もフルカラーLEDとなり、車内照明もLED化された。車内はロングシートの袖仕切りが大型化され、ドア上に車上情報装置(LCD)も設置。運転台・連結部付近には、2002年に東急車輛(現・総合車両製作所)で新造され、2017年に京急ファインテックで更新されたことを示すステッカーが貼られてあった。
新1000形は2002年に第1編成が登場。2100形をベースとした片側3ドアのアルミ車で、第1編成も含め、初期の車両はシーメンス社製のVVVFインバータ装置・主電動機を採用していた。発車後の加速時に音階のようなメロディーを奏でることから、鉄道ファンを中心に「ドレミファインバータ」などと呼ばれ親しまれた。その後、2007年に新1000形のステンレス車が登場。新1000形は現在、同社最多の車両数を誇る主力車両となっている。
なお、シーメンス社製のVVVFインバータ装置・主電動機は新1000形より先に2100形でも採用されたが、車両更新に合わせて国産品に交換された。新1000形においても交換が進められており、「ドレミファインバータ」の車両は残りわずかだという。