JR東日本が山手線へ投入を進める新型車両E235系。2015年度にデビューした量産先行車(第1編成)に続き、5月22~30日にかけて量産車3編成(第2~4編成)が営業運転を開始した。E235系の投入は2020年春頃まで続き、E231系500番台を置き換える予定だ。E235系が鉄道友の会ローレル賞に選ばれたことも、鉄道ファンらの間で話題となった。

山手線の新型車両E235系。5月末に量産車3編成がデビューした

E235系は総合車両製作所の次世代ステンレス車両「sustina(サスティナ)」シリーズとして設計・製造され、内外装全体のデザインプロデュースを「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当。雨どいが外側に出ないフラットですっきりした車体となり、外観において「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」を表現したという前面デザイン、ラインカラーの黄緑色(ウグイス色)をドア部のみ縦に配した側面デザインが特徴の車両となった。

山手線の列車は現行の主力車両E231系500番台、新たに投入されるE235系ともに11両編成で運行される。これまでに投入されたE235系4編成のうち、量産先行車の第1編成と量産車の第2・3編成は10号車にE231系からの改造車を組み入れており、車体側面の雨どいなどで見分けられる。一方、5月30日から営業運転に入った第4編成は11両すべて新造車両となった。10号車(サハE235-501)の車内には「sustina」のステッカーとともに、「J-TREC 総合車両製作所 平成29年 新津」と製造者・製造年が記されてあった。

E235系がどの列車に使用されているかは「JR東日本アプリ」の「山手線トレインネット」でも確認できる。5月28日の日中時間帯には、E235系が3編成(第1~3編成)とも内回りで運用され、3本連続でE235系の列車が到着する場面も見られた。あと1~2年もすれば、山手線を走るE235系も当たり前の風景になっていくはず。E235系量産車は今年度に15編成、2018年度以降に残り34編成を山手線へ投入する計画で、置換えとなるE231系500番台は順次、中央・総武緩行線への転用改造工事を実施する予定となっている。

山手線内回りで運用されるE235系の第2編成

5月30日に営業運転を開始した第4編成。この日は外回りで運用された

第4編成は10号車(サハE235-501)も新造車両に

山手線でE235系量産車の営業運転が開始された後、5月24日に鉄道友の会がブルーリボン賞(最優秀車両)・ローレル賞(優秀車両)を発表した。両賞とも前年1~12月に営業運転を正式に開始した新造・改造車両を対象としており、E235系は「2016年3月に量産先行車の営業運転を本格的に開始」した車両としてローレル賞に選ばれている。

解説・選定理由の中で、内外装や紙媒体の広告に代わるデジタルサイネージの導入といった特徴に加え、これまで電動車2両分をまとめて搭載していた制御装置を1両ごとに搭載する構成とし、新たに列車情報管理制御装置(INTEROS)を導入したことも紹介されている。これらの特徴から「安全・安定輸送を前提に新基軸をハード・ソフト両面で取り入れた車両」「今後の首都圏の快適な輸送サービスを担う存在」などと評価された。