みんな大好きであろうポテトチップにも2種類あるのはご存じ?

大好物のお菓子として挙げる人も多くいるであろうポテトチップ。ただ、このポテトチップにも、実は「フェイク」と思えるような製品が販売されているのはご存じですか? 今回はポテトチップの謎に迫ってみましょう。

ポテトチップとフェイクポテトチップ

ふだんの買い物において、ポテトチップと呼ばれる製品は2種類あることにお気づきになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。1つはふぞろいのサイズのポテトチップが袋につめられている製品。もう一つは、均一の大きさのポテトチップが筒状の容器に入った製品です。この筒状容器に入ったポテトチップは、メーカーによっては約4割しかジャガイモが含まれていないことが明らかになっています。

筒状容器に入ったポテトチップの原料は、つぶしたジャガイモを再成形したものがメーンなのですが、それ以外の成分として精製デンプン(大半はトウモロコシから得られたコーンスターチ)を大量に使っています。さらにサクっとした食感を出すために必要以上にショートニングを含み、それをさらに揚げているので、1g当たりのカロリーは袋入りポテトチップより高いです。

袋入りタイプは筒状容器タイプより、「多少」健康的?

その上、筒状容器に入ったポテトチップに含まれる油は飽和脂肪酸の割合が多いため、人間の体内で代謝がゆっくりになります。これが肥満を悪化させるという研究もあるので、あまり健康的なお菓子とは言えなさそうです。

一般的に飽和脂肪酸を多く摂取すると、特に20歳以降の女性はニキビが増えやすいとされています。ポテトチップやラクトアイスを食べると「ニキビが増える」という実感のある人は、気をつけましょう。

袋入りのポテトチップは、ヤシ油や米油、コーン油などで揚げたものです。練り込まれた油がない上に染みこむ分量も少ないため、トータルの飽和脂肪酸の割合も少なくすみ、「多少は」健康的と言えるのではないでしょうか。

100g当たり500キロカロリー

揚げ菓子全般に言えることですが、ダイエットを考えているのであれば、やはり基本的に食べない方が良いでしょう。

揚げ菓子は総じて100g当たり500キロカロリー前後です。一般的な袋入りポテトチップが70g前後で、筒状容器入りのポテトチップが100g以上のため、牛丼1杯ほどのハイカロリーな食べ物です。代謝が下がる一方の中高年になればなるほど、摂取すべきでないといえます。 とはいっても、ポテトチップを食べたいという人は多いでしょう。そこで味も風味も市販のポテトチップ以上かつヘルシーで、必須脂肪酸もとれるポテトチップの作り方を紹介しましょう。

自作ポテトチップは健康食!?

使うのは電子レンジ用のポテトチップ調理器(なくてもいいですが、あったほうが完成度は高くなります)とオイルスプレー、そしてポテト用ふりかけです。

オイルスプレーは、霧状に油をふきつけることで油の風味を自然に付けることができる上、油の使用量を減らせるという優れものです。スライスしたじゃがいもを調理器に盛り付け、電子レンジでチンしましょう。できあがったポテトチップに、好みの油(少々値は張りますが、ハーブ入りオリーブオイルなどがオススメ)をふきかけ、ネットショップなどで購入できるポテト用ふりかけで味付けすれば完成です。

手間こそかかりますが、市販のものが食べられなくなるくらいの上等な味のポテトチップになります。栄養面も優れているため、1食置き換えダイエットフードなどにも活用できます。ぜひ、試してみてください。

写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール : くられ

『アリエナイ理科ノ教科書』(三才ブックス、シリーズ累計15万部超)の著者。全国の理系を志す中高生から絶大な支持を得ており、講演なども多数展開している。近著に『ニセモノ食品の正体』(宝島社)がある。メールマガジン「アリエナイ科学メルマ」ツイッターなどで、日々に役立つ話を無料配信している。