「夜中によく目が覚める」「ベッドに入ってもなかなか寝付けない」「朝起きるとダルい」といった悩みをお持ちではないでしょうか? 質の良い睡眠を得るためには、実は朝の過ごし方が大切です。
睡眠研究家であり『最強の睡眠』(SBクリエイティブ)の著者である西川ユカコさんが、「最高の体調」を取り戻すための方法をお伝えします。
質の良い睡眠は起床後に決まる
あなたがその日の晩、質のいい睡眠を得られるかどうかは、実は朝の段階ですでに決まっています。就寝時刻が近づいてからいろいろ工夫することも悪くはありませんが、それだけでは「時すでに遅し」とも言えるのです。
その理由は大きく二つあります。
一つは、体内時計のリセットが「朝」に行われること。遅くとも10時までに、太陽の日差しを網膜に感じさせないと、脳にあるメインの親時計が整いません。
だから、目覚めたらすぐに起き上がり、家中のカーテンを開けて太陽の日差しを浴びてください。できれば窓も開け、窓ガラスを通さずに日差しを直接網膜に取り込みましょう(危険なので、直視は避けてください)。
たとえ雨や曇りだとしても、体内時計をリセットするには十分な光量が空にはありますのでご安心ください。そして空の表情は日によって異なるので、見ているだけでも楽しいはず。「起きたらカーテンを開ける」という行動を朝の習慣にしてみませんか。
仕事のパフォーマンスは朝の光に左右される
二つ目は、朝がセロトニン(睡眠ホルモンであるメラトニンのもと)を増やす時間の始まりであること。日差しが網膜に入るとセロトニンの分泌が促進されます。そしてセロトニンは夕方になると、睡眠ホルモンであるメラトニンに姿を変えるのです。
また、セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、食欲や性欲を司るホルモンであるドーパミン、危機管理ホルモンであるノルアドレナリンなど、攻撃性につながるホルモンの過剰分泌を抑えてイライラや不安を取り除き、楽しく穏やかな気分を作り出してくれます。
セロトニンは夕方までの時間帯に分泌されますが、朝の日差しをしっかり浴びてたくさん放出しておけば、夜に質の高い睡眠が手に入るだけでなく、その日一日をコンディション良く過ごせ、仕事のパフォーマンスも高まります。
セロトニンの分泌は、ビジネスパーソンにとって非常に大きな問題。無関心ではいけません。午前中に太陽の日差しを浴びれば、効率的にセロトニンを分泌できます。時間の目安は真夏なら15分、日差しが弱い季節は30分を目指しましょう。
「午前中に30分も日光浴の時間なんて作れない」という人は、画像にあるような方法を試してみてください。通勤や散歩の時間を利用するだけなので、あなたの負担が増えることはありません。
次回は、パフォーマンスがアップするランチの戦略的な取り方についてお話しします。