1886年創業の「永井酒造」(群馬県川場村)。世界の著名なレストランで採用されているスパークリング清酒「MIZUBASHO PURE」など、伝統と革新を追求した酒造りを行っている老舗酒造だ。

今回は、「JAL Life Status プログラム」の上位会員を対象にしたプログラムに参加させてもらい、同酒造の完全招待制テイスティングルーム兼醸造研究所「SHINKA」を体験してきた。

  • 群馬県老舗酒蔵でテイスティング体験

酒造りの水源地から旅はスタート

「群馬県老舗酒蔵の蔵元夫妻がご案内する完全招待制テイスティングルーム兼醸造研究所「SHINKA」での特別な体験」と題された今回のプログラムは、JGC Six Star・JGC Five Star・JGC Four Star・JGC Three Star会員を対象とし、マイル特典として展開されたもの(必要マイル数は1名あたり35,000マイル)。7月18日(木)と7月19日(金)の2日間で計20名の募集となったが、平日日中の開催にもかかわらず、応募者多数で抽選が行われるなど、非常に注目度の高いプログラムとなった。

参加者は当日、川場村に近い「上毛高原駅」に現地集合。そこから車で30分ほど揺られて、まずは「永井酒造」における酒造りのベースとなる「水源地の森」へと向かう。

  • 水源地の森

「永井酒造」の初代が惚れ込んだという水を育む「水源地の森」では、永井酒造 6代目の永井則吉氏と永井松美氏の蔵元夫妻がお出迎え。ちょうど梅雨明けとも重なり、好天に恵まれる中、木々の緑、川のせせらぎを感じながら、ウェルカムドリンクとばかりに「MIZUBASHO PURE」が振る舞われた。

  • 永井酒造 6代目の永井則吉氏(右)と永井松美氏(左)

  • 「水源地の森」に用意されていた「MIZUBASHO PURE」

「MIZUBASHO PURE」は、伝統的な日本酒製法に、シャンパンなどで使用される「瓶内二次発酵」の技術を取り入れた、世界初の本格的なスパークリング清酒。awa酒協会を設立するなど、スパークリング清酒に情熱をかける6代目の粋なはからいに、ここから始まる体験への期待感がさらに高まっていく。

  • 自然に囲まれながら乾杯

  • 水源地の森で自然を楽しむ

「SHINKA」での特別なテイスティング体験

「水源地の森」からは再び車に揺られて、川場村が誇るブランド米「雪ほたか」が育つ田園風景を眺めながら永井酒造へと向かう。

今回の体験の舞台となる「SHINKA」は、完全招待制のテイスティングルームと醸造研究所「SAKE LABO」が併設されており、蔵元夫妻の出会いの場であるアメリカのナパ・ヴァレーからインスピレーションを受けて誕生した施設。「“真価”への挑戦」「“進化”する酒造り」「“深化”させる関係性」といった意味を併せ持ったネーミングとなっている。

  • 永井酒造に到着

  • 創業以来使用されている仕込み水

  • 「SHINKA」に向かう廊下には酒造の歴史などが紹介されている

  • すりガラスの向こう側が醸造研究所。日々、失敗を恐れないチャレンジが行われているという

  • 窓の外には田園風景が広がる

なお、本来「SHINKA」でのテイスティング体験は、永井酒造がスパークリング清酒とあわせて力をいれている“熟成酒”の購入者を対象に招待されているもの。すでに11月頃まで予約が埋まっているという人気の企画で、今回行われたJALとのコラボレーションは、まさに“特別な体験”となっている。

  • 「熟成酒」は周りの反対を押し切って挑戦した6代目の熱意の結晶

「SHINKA」でのテイスティングは、川場村の雪ほたかを使用したスパークリング清酒「MIZUBASHO 雪ほたか Awa Sake」からスタート。AWA酒専用グラス“IMMERSION”を使ったグラスによる飲み比べや醸造研究所で開発中の「ラボSAKE」、さらには「水芭蕉 純米大吟醸 プレミアム」といったラインナップが提供され、6代目が語る開発秘話に耳を傾けながら、味、香り、飲み口を堪能した。

  • 雪ほたかを使用した「MIZUBASHO 雪ほたか Awa Sake」

  • 右のグラスがスパークリング清酒用に開発されたAWA酒専用グラス“IMMERSION”

  • 醸造研究所で開発が進められるラボ酒「SHINKA N002」

  • 「水芭蕉 純米大吟醸 プレミアム」

赤城牛を使った特別なランチと日本酒のペアリングを堪能

「SHINKA」でのテイスティングのあとは、永井酒造の旧酒蔵を改造した「古新館」に移り、地元産の野菜や赤城牛を使用した特別なランチと日本酒のペアリング体験が行われた。

  • 旧酒蔵を改装した「古新館」

近代的でハイセンスな「SHINKA」とは異なり、「古新館」は旧酒蔵の雰囲気を生かした、ノスタルジックで落ち着いた設計。いずれの施設も個性豊かな建造物としても楽しめるのは、6代目が大学時代に建築を学んでいたことも大きく影響していると思われる。

「古新館」では、ランチにあわせて、様々な「永井酒造」が誇るラインナップが振る舞われる。乾杯は桂由美氏とのコラボレーションで生まれたスパークリング清酒「MIZUBASHO with Yumi Katsura」。そして、「水芭蕉 夏酒 純米吟醸 おりがらみ 生貯蔵」や「水芭蕉 雪ほたか 純米大吟醸」などのスティル酒を交えながらランチを彩っていく。

  • 今回振る舞われた永井酒造の日本酒

  • 前菜は「川場村 夏の前菜盛り合わせ」。吸い物は永井家伝統の味という「永井家の粕汁」

  • 冬瓜、茄子、インゲン、ミニトマトによる「夏の冷やし煮」

  • 舞茸、金時草、オクラなど「夏野菜の天麩羅」

  • 赤城牛に水沢うどんと地元・群馬にこだわった献立

そして、低温熟成で醸したヴィンテージ日本酒となる「MIZUBASHO VINTAGE 2008」が登場。ヴィンテージワイン同様にデキャンタで開くという一手間をかけた熟成酒は、まさにワンランク上ともいえる香り、味わい、飲み心地を楽しむことができる。

  • 「MIZUBASHO VINTAGE 2008」をデキャンタージュ

ランチでは参加者が2つのテーブルに分かれたが、各テーブルには6代目と6代目夫人がそれぞれ同席。参加者も日本酒好きばかりとあって、日本酒談義に花が咲く。そして、「水芭蕉」とは別に永井酒造が手掛ける「谷川岳」が話題にあがると、即座に「谷川岳」がテーブルに。このあたりの柔軟性も楽しさに拍車をかけていく。

  • 谷川岳 超辛純米

ランチの最後は、デザート酒「MIZUBASHO Artist Series Dessert Sake 2023 大竹寛子」で締めくくり。デザートのバニラアイスにかけて食べるという楽しみ方も提案された。

  • デザートはバニラアイスと「MIZUBASHO Artist Series Dessert Sake 2023 大竹寛子」のペアリング

スパークリング日本酒や熟成酒、さらには大吟醸やデザート酒など様々なバリエーションの日本酒、地元の恵みである野菜や和牛を生かしたランチ、そして何より6代目夫妻によるホスピタリティあふれる対応に、心も身体も高い満足感にひたることができた「特別な体験」。永井酒造を後にした参加者は、道の駅として高い人気を誇る「川場田園プラザ」を経由し、それぞれ帰路についた。

JAL Life Statusプログラムのポイント上位者向けとして企画された今回の「特別な体験」。次回の開催などは未定だが、今後も様々な体験が企画されていく予定となっているので、ぜひ注目してほしい。