アドバンは、「新NISA利用者の投資行動」に関するアンケート結果を12月11日に発表した。調査は2024年10月21日〜11月1日の期間、新NISAを利用したことがある20~69歳の男女446名を対象に行われた。

  • 新NISAの利用を始める以前の投資経験

はじめに、新NISAの利用を始める以前の投資経験について質問。最も多かったのは「1年~3年未満」で29.8%だった。次いで「10年以上」が15.7%、「1年未満」が15.0%で続いた。

全体では投資経験3年未満の利用者が58.1%を占めており、近年の個人投資家の増加傾向を反映している可能性が明らかに。「新NISAが初めての投資」も13.2%と一定数存在しており、新NISAが投資デビューのきっかけとなった人も少なくないことがわかった。

  • 新NISA利用者の各投資枠の利用率

新NISA利用者の各投資枠の利用率については、「成長投資枠」が73.3%、「つみたて投資枠」が65.7%だった。

  • 2024年8月上旬の歴史的な日本株暴落時における、「成長投資枠」での投資行動

2024年8月上旬の歴史的な日本株暴落時における、「成長投資枠」での投資行動について質問すると、全体で最も多かったのは「特に何もしなかった」(43.7%)だった。半数近くが様子見で暴落局面をやり過ごしたことが伺える結果に。

また、「保有銘柄・商品の一部を売却した」(26.9%)と「保有銘柄・商品の全部または大部分を売却した」(13.5%)を合わせて40.4%が消極的行動を取ったことも明らかになった。

  • 2024年8月上旬の歴史的な日本株暴落時における、「成長投資枠」での投資行動(投資経験別)

消極的行動を取った40.4%に注目すると、投資経験が「1年~3年未満」の層が最も多い61.2%だった。この割合は、投資経験が3年以上を超えると減少する傾向が見られ、投資経験が「10年以上」の層では16.7%となった。

消極的行動のうち「保有銘柄・商品の全部または大部分を売却した」に注目すると、最も多かったのは「新NISAが初めての投資」の層で30.0%という結果に。この層は消極的行動を取った人の割合は40.0%にとどまっているものの、その多くが保有銘柄・商品の全部または大部分を売却するという極端な行動を取ったことがわかった。

「新たにまたは追加で購入した」という積極的行動を取った人の割合に注目すると、最も多かったのは投資経験が「10年以上」の層で30.0%だった。積極的行動は、基本的に投資経験が長くなるほど高い割合を示している。

  • 2024年8月上旬の歴史的な日本株暴落時における、「つみたて投資枠」での投資行動

一方で、「つみたて投資枠」での投資行動について質問すると、全体では「現状維持」が61.8%となり、過半数を超える結果に。

成長投資枠と比較すると、暴落でも投資方針を変更しなかった人の割合が多く、積立を拡大する積極的行動/保有商品を売却するなどの消極的行動を取った人の割合は、ともに少ないことが明らかになった。

  • 2024年8月上旬の歴史的な日本株暴落時における、「つみたて投資枠」での投資行動(投資経験別)

この結果を投資経験別に集計すると、消極的行動を取った人の割合が最も多かったのは、投資経験が「1年~3年未満」の層で39.0%だった。この割合は、投資経験が3年以上を超えると減少する傾向が見られ、投資経験が「10年以上」の層では18.4%という結果に。

一方、積極的行動を取った人の割合が最も多かったのは、投資経験が「10年以上」(15.8%)だった。投資経験が「10年以上」の層は他と比較して、積極的行動が多く、消極的行動が少なくなっており、暴落時もポジティブに投資を継続した人が多かったことがわかった。