国土交通省は、9月17日に「基準地価」(2024年7月1日時点)を発表。これによると、東京都・住宅地の地価上昇率は12年連続でプラスになりました。中でも特に価格が上がっているのは、どのエリアなのでしょうか。
今回は、国土交通省の発表をもとに、東京都・住宅地(区部)で地価上昇率の高いエリアトップ10をご紹介。地価上昇の背景についても、鑑定評価書の情報を用いて詳しく解説します。
【2024年】東京都・住宅地(区部)の地価上昇率ランキング
2024年7月1日時点で、東京都・住宅地(区部)で最も地価上昇率が高かったのは、「飯田橋」(市谷船河原町19番8外)でした。次いで「表参道」(神宮前3丁目13番13)、そして「東新宿」(新宿7丁目93番22外)が続いています。
なお、「勝どき」はトップ10のうち7位、9位、10位と3回ランクインしています。
上位は新宿区や渋谷区、7位から10位までは中央区が占める
東京都・住宅地の区部全域の地価上昇率は平均6.7%となり、2023年の4.2%から大幅に上昇しました。
東京都・住宅地(区部)の地価上昇率ランキングトップ10を区ごとに見てみると、新宿区が1位「飯田橋」と3位「東新宿」に、渋谷区が2位「表参道」と4位「代官山」、5位「代々木公園」に、江東区が同じく5位「有明テニスの森」にランクインしています。そして7位から10位は、全て中央区が占めています。
ここからは、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で公表されている各地点の鑑定評価書をもとに、地価上昇率の高い地域の特徴を解説します。
なお、鑑定評価書では地番や住居表示が使用されていますが、今回はよりわかりやすくするために最寄り駅名で表記します。
飯田橋
トップにランクインした「飯田橋」の地価上昇率は17.1%です。鑑定評価書には、「中規模中層マンション等が建ち並ぶ品等が良好な住宅地域として、当分の間現状を維持していくものと予測」とあります。
都心のほぼ中央に位置し、5つの路線が乗り入れ抜群のアクセスを誇る飯田橋。オフィス街のイメージがある一方、商業施設が充実し、スーパーやドラッグストア、病院など生活に必要な施設も多く、利便性の良い地域です。
表参道
2位の「表参道」の地価上昇率は15.9%です。鑑定評価書には、「都心型の低層住宅地域で地域要因の大きな変動も見られないことから、今後も現状を維持しながら推移していくと思料する」とあります。
都内でも屈指のショッピング街である表参道には高級ブランドの店舗が多く、高級住宅街も広がっているため、警察が頻繁に巡回するなど防犯への意識が強い街です。交通アクセスも抜群で住みやすく、人気のエリアとなっています。
東新宿
3位にランクインした「東新宿」の地価上昇率は15.1%です。鑑定評価書には、「一般住宅、共同住宅等を中心とした住宅地域であり、当面は現状を維持すると予測する」とあります。
渋谷、新宿、池袋へ電車で10分以内で行けるという好立地で、飲食店やスーパー、デパートなどが多く暮らすのに便利な街です。大通りを外れると、閑静な住宅街が広がります。
代官山
4位の「代官山」の地価上昇率は13.1%です。鑑定評価書には、「価格形成に大きな影響を及ぼす変動要因はなく、当面の間、現状を維持していくものと予測する」とあります。
落ち着いた雰囲気と緑豊かな街並みが特徴の代官山。おしゃれなショップやカフェのほか、日常生活に必要な店舗も揃い、渋谷区の中でも特に人気のあるエリアです。