ベントレーモーターズは10月16日、W12エンジンを搭載するドロップトップグランドツアラー「バトゥールコンバーチブル」を発表した。現在ヨーロッパ全土で最終試験を実施中。コーチビルドモデルで16台のみの限定生産となる。
バトゥールコンバーチブルは、マリナーのコーチビルドシリーズ「バカラルバルケッタ」、「バトゥールクーペ」に続く3番目の車種。手作業で組み立てられた6.0リッターツインターボチャージャーエンジン「W12エンジン」を搭載する。
過去20年間にわたったベントレーを支えてきたW12エンジンは、2024年に引退することがベントレーによって発表済み(7月に生産を終了)。バトゥールコンバーチブルには最高出力750PSを発揮する最も強力なバージョンを載せ、W12エンジンのフィナーレを飾るという。
デザイン面では、クーペ型から引き継いだデザインを発展させ、最終的にベントレーの未来の車両デザインへ導くとしている。ルーフは、ハードトップに代わる現代的で触覚的な美しさを提供。断熱材、シーリングシステムの改良、音響処理の組み合わせによって、快適な環境を構築する。ルーフは19秒以内に展開または格納でき、最高50km/hで走行していても操作可能だ。
バトゥールコンバーチブルは、マリナーのデザインチームとユーザーが専用に作られたマリナービジュアライザーを使用してデザインを共同で制作していく。多く部分をカスタマイズでき、色や表面仕上げなどを選択可能。最終的に、ユーザーが望む個性的なデザインの車が完成すると述べている。
バトゥールコンバーチブルは、開発車としてバトゥール コンバーチブル「カーゼロ」と「エンジニアリングカー」の2台による検証を実施中。車両検証は58週間以上にわたるもので、全車両の開発プログラムには120の個別テストを設けた。
検証活動では、エンジンと車両全体の耐久性、環境適合性、日光シミュレーション、高速安定性、空力特性、騒音や振動、走行性能を確認する。走行試験はドイツから出発し、イタリア、フランス、スペインを経由して、山岳地帯、高速道路、都市部を走行。ヨーロッパ5カ国を横断する3,000キロメートルにおよぶものだ。途中、モナコで撮影のために一時停車した後、スペインのIdiadaでプライベートテストコースを使用した高速テストを実施する。
テストコースでは、ハンドリングトラックやさまざまな路面状況での耐久テストを実施し、高速走行や過酷な路面条件での評価を7週間にわたって行う。得られた走行データから、技術目標を達成しているかを確認し、妥協なくつくり上げていく。
バトゥール コンバーチブル「カーゼロ」
バトゥール コンバーチブル「カーゼロ」は、エンジニアリング開発用の車両。外装の塗装は、ヴァーミリオングロスとヴァーミリオンサテンのデュオトーンという特注カラー。ボディワークは、フロントスプリッター、サイドスカート、リアディフューザーに高光沢のカーボンファイバーを使用している。
フロントは芸術的なグリルが目立ち、メインのマトリックスはグロスダークチタンで仕上げた。シェブロンは、センターのベルーガカラーから外側にかけてヴァーミリオングロスカラーへのグラデーションとしている。ボンネットの「エンドレスライン」はグロスダークチタン塗装。22インチホイールは、グロスとサテンブラックチタンのスポークに、ヴァーミリオングロスのアクセントを施している。
バトゥール コンバーチブル「エンジニアリングカー」
バトゥール コンバーチブル「エンジニアリングカー」は、外装をミッドナイトエメラルドとし、高光沢のカーボンファイバー製ボディキット、サテンダークチタンのボンネット、下部バンパーメッシュを備える。ホイールはトライトーン。サテンダークチタンのボディには、グロスポーポイズのアクセントフェイス、グロスマンダリンのピンストライプを施している。
また、サテンダークチタンとマンダリンの組み合わせにグロスベルーガを加え、フロントグリルを三色のグラデーションフェードとした。キャビンには、カンブリアングリーンとポーポイズのレザーを使い、マンダリンのステッチとパイピングをアクセントに。機械加工したチタニウムのオルガンストップとブルズアイベントも取り入れている。
ウッドベニアは「ギターフェード」で、キャビンの幅に沿って色がグロスベルーガから高光沢のカーボンファイバー、再びグロスベルーガへと変化し、W12エンジンのレーザーエッチングされたオーディオシグネチャーで仕上げている。