これから社会人になる方、新しい業務を任された方、さらなるステップアップを目指したい方におすすめしたいのが、伝わる資料の作りかたをしっかり身に付けること。しかし、PowerPointを使った資料作成に苦手意識があるビジネスパーソンは少なくありません。
こうした資料作りに苦手意識がある方に共通するのが、知っておくべき「暗黙のルール」を知らないこと。本連載では、『この1冊で伝わる資料を作る! PowerPoint暗黙のルール』(著:中川拓也・大塚雄之・丸尾武司・渡邉浩良、監修:松上純一郎(株式会社Rubato)、マイナビ出版発行)から、必ず知っておいて欲しい、資料作りに必要な暗黙のルールを抜粋していくつかご紹介します。
小見出しを味方につけて箇条書きをパワーアップ!
箇条書きで情報を階層化してみたが、文章が多くて読みづらい……。
小見出しを使って構成することで、階層がより明確になり、箇条書きが洗練されます。
箇条書きを図解化すれば劇的にわかりやすい資料が作れる
小見出しとは、グラフや図、文章の要点をわかりやすくするためのタイトルのことです。上にある「Goodの図」では、「背景」「目的」「飲み会の概要」が第1レベルの小見出し、「飲み会の概要」の中の小見出し「名称」「日時」「場所」「予算」「備考」が第2レベルの小見出しとなります。
箇条書きには小見出しが欠かせない
ビジネスにおいて、しっかり読み込まないと理解できない資料は嫌がられます。箇条書きによって構造化された文章は、平文で書かれた文章よりもわかりやすい形になっていますが、さらに内容を伝わりやすくするため、小見出しを活用しましょう。
小見出しはレベル合わせが重要
小見出しを作るときは小見出し同士で言葉のレベル感を合わせるように注意しましょう。作成のステップは大きく3つに分かれます。
ステップ1:箇条書きの中に小見出しになるようなキーワードがないか確認する
例として、以下の図のように箇条書きの内容が「日時:20XX年10月20日(金)19:00~」であれば、「日時」がそのまま小見出しとなります。
ステップ2:キーワードがなければ、箇条書きを一言で要約してみる
例として、「桃太郎は彼らが互いを知る機会を作ることでチームを結束させたいと考え、飲み会を催すこととした」という箇条書きから小見出しを作る場合、このテキストは「会の目的」を表しているため、「目的」が小見出しとなる。
ステップ3: 他の小見出しとレベル感が合っているかをチェックする
小見出しの種類は、名詞・体言止め・形容詞・文章の4つ
小見出しの種類は大きく分けて、「名詞」「体言止め」「形容詞」「文章」の4つがあります。最も多く使われるのが「名詞」、続いて「体言止め」です。また、イキイキとした印象を与えたいときに「形容詞」を使うことが多いです。
- 名詞:小見出しに最も多く使われる 例)「ポイント」「コメント」
- 体言止め:適した名詞がない場合に使用する 例)「前回までの振り返り」「会議の目指すところ」
- 形容詞:イキイキとした印象を与えたいときに有効 例)「おいしい」「かわいい」
- 文章(平叙文):小見出し部分が箇条書きのまとめを示す文章の場合なっている場合に使用する 例)「鬼退治への準備を早急に進める」
- 文章(疑問文):小見出し部分に疑問を提示し、箇条書き部分でその答えや詳細を示す場合に使用する 例)「鬼は弱体化している?」
文章型を使用するケースはあまり多くありませんが、使う場合は小見出し同士で「結論」や「まとめ」、箇条書き部分の「理由」や「要素」のような関係性を持たせるようにしましょう。
『この1冊で伝わる資料を作る! PowerPoint暗黙のルール』
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