30歳過ぎてゼロからスタートした後発カメラマンが、「どうしたら最短で上手くなるか」をテーマに撮影術をご紹介。最初にお伝えしたのは、撮影に必要な認識力について。今回は、「認識した情報をどう整理する」かについてお話しします。
認識した情報を整理するってどういうこと?
認識した情報は、整理したうえで写真としてアウトプットする必要があります。「どう整理するか」はカメラマンの腕の見せどころであり、個性が出るところ。素材や調味料を理解したら、今度は実際に料理をしてみる、みたいな感じでしょうか。
と、言ってもわかりにくいと思いますので、こちらの写真を例にしてみたいと思います。
ビルの屋上で、火将ロシエルさんが犬と戯れている写真です。認識、整理した点はこんな感じです。
撮影中は、こんなことを考えながらシャッターを切っていました。
光の方向や強さ、被写体の服装、印象、背景といった必要な情報を認識して、それを写真として成立させるように整理して落とし込みます。慣れてくると、この判断が素早くできるようになるでしょう。
ロシエルさんだけでもう1枚、情報を整理してみると
同じ日に撮影した写真を、もう1枚見てみましょう。
こちらは、犬なしの単体ロシエルさんのお写真。認識、整理したポイントはこんな感じです。
いかがでしょうか? 認識しているポイントと、整理する手法によってカメラマンの個性が出てくるように思われます。
プロと呼ばれる人たちは、とにかく認識している情報量が多くて細かく、そして整理する引き出しをたくさん持っている印象です。素晴らしい写真とは、そういった細かい情報の認識と整理のうえでできているのです。「神は細部に宿る」とは、こういうことなのかもしれませんね。認識・整理できる範囲を少しでも広げようと、私もまだまだ勉強中です。
次回は主な「認識、整理するポイント」を紹介します。
文章・写真:関根康人(ねっしー)
モデル:火将ロシエル