カメラを手に取って間もないころ、写真を安定させるためには「構図が大事だ!」と言われました。
三分割構図、日の丸構図、対角線構図、放射線構図、三角構図……。書籍やネットで勉強してみましたが、ほとんどの作例が風景写真なんですよね。当初は基本構図をどうポートレートに活かしていいのか分からず、悩む日々を過ごしました。
そこで今回は「ポートレートにおける基本構図の使いかた」について、作例を交え、数回に分けて解説したいと思います。
もちろん、一番大事なのは主題の選択。構図は、その主題を効果的に見せるための手段ですので、構図が決まっているから良い写真になるわけではありません。写真を安定させるための手法として活用いただければ幸いです。
初回は、構図のなかでも使いやすい「日の丸構図」と「三分割構図」の例を紹介します。なお、今回のモデルは宮崎あみささんと西山乃利子さんです。
最もポピュラーな「日の丸構図」
特にポピュラーなのが「日の丸構図」。被写体を真ん中に置いて強調する。それだけです。人物においては全身を写真の真ん中に配置するケースや、顔を真ん中に配置するケースが多いかなと思います。
日の丸構図は簡単ですが、ありふれた写真になりがちなことが弱点。それだけに被写体の躍動感や表情などパワーが必要になります。
写真が安定しやすい「三分割構図」
続いては、一番使うと言っても過言ではない三分割構図を紹介します。
画面を縦横に三分割して、その交点に画角で強調したい部分を配置するという手法です。カメラの設定でグリッド線を表示させれば簡単に活用できます。バランスを取りやすいので、本当によく使う構図です。
ポートレートにおいては、交点を顔、さらにいうと瞳に合わせると写真が安定します。場合によっては口でもいいでしょう。人は、経験上、目や口に重要な情報があると感じ、自然と注目する傾向があるそうです。グラビアなどでは、身体の強調したいパーツに交点を持っていくケースもあります。