優れたリード/ライト性能と高い信頼性により、プロフェッショナルレベルでの使用に対応するPlextor製SSD「M5 Pro」。株式会社Boxioの代表・佐藤大輔氏はこのSSDをオフィスに導入し、業務の効率化を図っている。前々回では、このSSDを導入するきっかけについてインタビューさせていただき、前回はM5 Pro搭載マシンのファーストインプレッションをレポートしてもらった。すでにM5 Proをオフィスに導入してから1カ月ほどが経過した今、その後M5 Proをどのように活用しているのか、再度たずねてみた。
「古いPCの動作が驚くほど機敏になりました」
マイナビニュース(以下MN):M5 Proを導入してからおよそ1カ月近く経過しましたが、その後変わったことはありますか?
佐藤大輔氏(以下佐藤氏):各種作業を行うメインマシンにM5 Proをまず導入したのですが、HDD搭載マシンと比べて明らかに動作がキビキビとしたものになりました。そのため、メインマシンだけではなく、補助的に使っているPCのパフォーマンスも向上させたくなって、古いPCの起動ドライブもM5 Proに換装しました。メインマシンの調子がよくなったので、欲が出てしまったという感じです(笑)。
MN:換装した効果はありましたか?
佐藤氏:圧倒的に速くなりました。補助的に使うだけのPCなので、基本的に使用しないときはシャットダウンしています。ですから、OSの起動が速くなったことは何よりもありがたいです。古いPCのディスクをSSDに交換してもあまり効果はないかなと思っていたのですが、体感できるほど速くなりました。また、OSやプログラムをインストールしておくのはSSD、データを保管しておくのは今まで使っていたHDDに分けることができたので、空き容量に余裕が生まれるという効果もあります。ちなみに、古いPCに使用したのは、一番求めやすい価格の128GB(PX-128M5P)にしました。
補助的に利用している旧型PCの起動ディスクをSSDに変更。それまで起動ディスクだったHDDはデータ保管用に活用することになった。右の写真の中央にあるのが旧型PC。インテルG45エクスプレス、Windows XPという仕様だ |
上記のように、古いパソコンの起動ディスクをM5 Proに換装することで大きな効果を得たと佐藤氏はいう。旧型のPCはインテルG45エクスプレスを核にした2008年世代のハードウェアだ。シリアルATAデバイスは、転送速度300MB/s(理論値)のSATAⅡに対応したICH10ファミリーに接続されることになる。そのため転送速度600MB/s(理論値)に対応したSATAⅢをサポートするM5 Proは、転送速度の面ではオーバースペックになるといえる。だが、リード/ライト性能はHDDに比べ圧倒的に優れているため、古いPCで利用してもその効果を体感できたというワケだ。では、どのくらいの性能差があるのか、Boxioの旧型PCと同世代のマシンを使ってマイナビニュースでリード/ライト性能を比較してみた。
左が2007~2008年頃のHDD「ST3320620AS」、中央がM5 Pro(PX-128M5P)。ともにインテルG45チップセット、Windows XPという環境で計測。一番右はPX-128M5Pを最新の環境で計測した数値 |
このテスト結果をみると、転送速度300MB/sのG45環境では、M5 Proはその性能をフルには発揮できない。だが、当時のHDDに比べればシーケンシャルリードで約3倍、シーケンシャルライトで約2.5倍も高速な数値となった。古めのパソコンの性能底上げにも、M5 Proへの換装が非常に有効な手段だということがわかった。
「RAIDにして大容量SSDのファイルサーバーにも挑戦したいです」
佐藤氏は最後にこう付け加えた。
佐藤氏:実は今メインで使っているマシンには512GBのM5 Pro(PX-512M5P)を使っているのですが、できればもう3基同じものを用意してRAID10で運用したいと考えています。容量が約1TBに達しますし、より高速なデータの読み書きが可能。さらには冗長性もアップします。M5 Proは正確なデータの保存や保護の面でも優れていると聞いてますから、RAID10で運用してファイルサーバー的に使うのもありかなと思っています。
さて、この3回の連載でみてきたように、M5 Proはメインマシンのパフォーマンス向上、古めのパソコンの蘇生、高速読み書きが可能なファイルサーバーの構築などで威力を発揮するのがわかった。事業の効率向上を図る上で有用な、まさにプロフェッショナルレベルのSSDといえるだろう。