Plextor製プロフェッショナルレベルのSSD「M5 Pro」。前回は、このSSDを搭載したパソコンを採用するという株式会社Boxioの代表・佐藤大輔氏に、新PC導入のきっかけやパフォーマンス面で期待することなどをうかがった。M5 Pro搭載PC導入時から10日間ほど経過したが、実際に使用した感想はどのようなものだったか、ファーストインプレッションについてたずねてみた。
「あらゆるPC動作がキビキビとしたものになりました」
株式会社Boxioの佐藤大輔代表取締役。同社はウェブサイトの制作・開発・運営をメインにし、ウェブデザインやフラッシュ、プログラミングなどを活用してのコンテンツ制作、システム開発といった業務を行う。M5 Pro搭載パソコンはCorsairのPCケースを利用した自作機だ |
マイナビニュース(以下MN):M5 Pro搭載マシンを導入してから数日経過しましたが、その印象はいかがですか?
佐藤大輔氏(以下佐藤氏):話には聞いていたことですが、OSや各種プログラムの起動が明らかに速くなりました。以前、ハイエンドなCPUを搭載したパソコンを導入したことがありましたが、そのときは「こんなものかな」程度のパフォーマンス向上でした。正直な話、実はあまり違いがわかりませんでした(笑)。ですが、SSD搭載機は明らかに速度向上が体感できます。一番最初にOSを起動した時から、その違いがわかりました。
MN:OS起動以外に気づいたことはありますか?
佐藤氏:実際に起動時間を測ったりはしていないので具体的な数値はいえませんが、画像加工ソフトなどクリエイティブ系アプリの起動が明らかに速いです。起動時にプラグインを複数読み込むPhotshopなどは、起動に若干の時間がかかるのが難点でしたが、M5 Pro搭載マシンにしたことでかなり扱いやすくなった感じです。
MN:そのほかに気づいたことはありますか?
佐藤氏:わずかなことなのですが、フォルダを開いたときにサムネイルの作成が速かったり、スタンバイに移行するときにストレスなく動いたり、キビキビとした動作に好感を持っています。時間にしたらほんのわずかなものなのかもしれませんが、切羽詰まった業務を抱えているときにスムーズにPCが動作することは大切なことだと思います。それと「SSDは容量が少ない」という話をよく耳にしていたので、私もそういう先入観を抱いていましたが、今回導入したM5 Proは512GBの大容量(PX-512M5P)。業務に必要なプログラムをすべてインストールしてもまだまだ空き容量に余裕があります。その空き領域に作業途中のファイルを保管しておけば、素早く呼び出すことができて快適です。
体感速度の向上は驚異的なリード/ライト性能にアリ!
このように、佐藤氏はM5 Pro搭載マシンのファーストインプレッションを語ってくれた。体感できるほど、明らかに各種動作が速くなったことが印象的だったようで、SSD搭載機へ好印象を持っていることが伝わってきた。では、実際にはどのくらい速くなるか……。Boxioが今回導入した環境で、実際の数値としてはどの程度高速化しているのかを、マイナビニュース編集部で検証してみることにした。
下図は定番のベンチマーク「CrystalDiskMark 3.0.1」で計測した結果。一番左が3.5インチHDD「ウエスタンデジタル WD20EARX」、その隣が50nm製造プロセスのSSD「インテル M25-Mainstreme」、一番右がPlextor M5 Pro(PX-512M5P)だ。HDDとの比較だけでなく、数年前のSSDのデータとも比較し、最新の19nm製造プロセスのNANDフラッシュを採用したM5 Proの性能を測ってみたい。
シーケンシャルリード/ライト、ランダムリード/ライトともにM5 Proの数値が突出しているが、注目なのは50nm製造プロセスのSSDに比べシーケンシャルリードで約2倍、ライトで約9倍ものスコアとなっていること。SSDは登場当初こそ、書き込み速度はHDDに劣るといわれていたが、今では圧倒的にHDDを凌いでいる。この書き込み速度なら、ファイルサーバーなどのデータ記録領域に利用するのもありだろう。M5 Proがこれほどのパフォーマンスを発揮する理由は、コントロールIC、Marvell「88SS9187」を採用しているほか、新生代のNANDフラッシュを採用していること、これらのハードウェアを最適に動作させるファームウェアを開発していることなどが挙げられる。
ここでは、佐藤氏のファーストインプレッションをもとにベンチスコアを測ってみた。佐藤氏は「SSD搭載機により業務効率が高まることは明らかです。今使っている古いPCの起動ディスクもM5 Proに変更してみたいと思います」とも語った。次回は、それについてレポートしてみよう。