「Intuos4」は、ペンという誰でも使い慣れているスタイルでPCを操作するツールだ。そのハイエンドな性能はデジタルペイントツールとして絶対的な信頼を得ているが、デジタルペイント以外でも、マウス以上に威力を発揮する場面も多い。今回は、DTM/DAWなどの音楽制作においてペンタブレットを使ってみたい。
絵を描くことと、音楽制作ではまったくやることが違うように思えるが、DTMソフトではピアノロール編集などドラッグ操作が意外と多い。ドラッグ操作はマウスよりも、ペンタブレットの方が圧倒的に手首に負担が少ないのだ。筆者は音楽の素養はないが、アニメーション作成時のBGMにAppleのDTMソフト「GarageBand」を利用している。今回はこのGarageBandを使って、DTMのどのような場面でIntuos4が有利なのか、紹介していきたい。
作曲ソフトはドラッグ操作だらけ
GarageBandにはあらかじめ、多数の楽器とフレーズが登録されている。それを聴きながら、左のタイムラインにドラッグ配置していくというのが操作の基本だ。フレーズを伸ばしたり、移動させたりするのも、すべてドラッグ操作で行うので、電子ペンでの操作が非常に快適だ。これだけでも、簡単なBGMなら作れてしまう。
一般にDTMではMIDIシーケンサーとよばれるアプリケーションにMIDIキーボードなどの入力装置を接続し、演奏情報を記録する。演奏情報は音ではなく、どのキーがどのタイミングで弾かれたか、という情報を記録するので、後からその演奏情報を自由に編集できるのが魅力だ。例えば演奏入力だとタイミングがずれたり、音を間違えたりといったミスもあるし、一小節目はテイク1、二小節目はテイク2の方良かったというケースもある。それを修正したり編集できるので演奏テクニックがそれほど高くなくても、音楽制作ができるというわけだ。もちろん、GarageBandでも、MIDIキーボードによる打ち込みと編集が可能だ。
MIDIの編集には、譜面、数値、ピアノロールなどがあるが、どれも演奏した情報は非常に細かく、長大な表形式になる。こういった編集作業はマウスやキーボードでももちろん可能だが、マウスでのこういった操作を長時間行っていると手首への負担がとても大きい。たくさんのドラッグ作業を行うには、ペンタブレットの方が圧倒的に楽なのだ。
同様に、録音(サンプリング)された音声波形の編集もドラッグ操作だ。波形の一部を選択する、選択した部分をドラッグする、といった操作もIntuos4が得意とする所だ。
次回もIntuos4を音楽制作に活用していきたい。