• ベリー・ローガン

コンピュータに限ったことではないが、小さな文字が読みにくいと感じることがある。明るさやコントラストなどの問題など、いろいろと原因はある。疲労など目の状態でも変わることもあれば、年齢的な問題(いわゆる老眼)もある。とりあえずの対策は文字を大きくすればよい。視力を補正するメガネでもいいし、拡大鏡でもいいかもしれない。しかし、コンピューターならば、設定を変更するという手がある。

Windowsで文字を大きくする方法

一部のアプリケーションは、表示する書体や大きさを指定できるが、そういう指定のないアプリケーションも少なくない。また、メニューやダイアログなどWindows側の機能を使って表示されている部分は、アプリケーションの設定では文字を大きくすることができない。たとえば、エクスプローラーが表示する文字のサイズは、エクスプローラーの設定では変更できない。

Windowsの文字の大きさの設定はWindows 7までは細かく設定できたのだが、高解像度画面への対応が進むにつれて設定項目は逆に減ってきた。現在のWindows 11には、文字を大きくする設定が3つある。

  • 表示倍率(設定 ⇒ システム ⇒ ディスプレイ ⇒ 拡大/縮小)
  • テキストのサイズ(設定 ⇒ アクセシビリティ)
  • 高DPI設定の変更(実行ファイルの右クリック ⇒ プロパティ ⇒ 互換性タブ)

「表示倍率」の設定は、すべてのウィンドウの表示を大きくするもの。たとえば150%を選ぶと、ウィンドウサイズやアイコンなど、表示されるものがすべて1.5倍になる。10ポイントと文字サイズを具体的に指定された文字も1.5倍の大きさで表示される。この表示倍率の設定は、マルチモニターの場合、モニターごとに設定ができる。

なんでも拡大されてしまうので、ウィンドウ内に表示される情報量が減ってしまう。たとえば、Excelの表示セル範囲が小さくなる、エディタの表示文字数、行数が少なくなる。しかし、どこもかしこも文字が小さいという場合、たとえば高解像度のノートPCなどでは手軽で有効な方法の1つ。同じポイント数の文字が大きくなるため、表示品質が高くなるというメリットもある。

「テキストサイズ」は、文字サイズだけを大きくする設定だ。Windows 11では、メニューやタイトルバー、リボンの文字などWindowsが提供している機能は文字サイズが変わり、設定アプリやUWPなどは大きな文字で表示されるようになる。エクスプローラーも大きな文字を使うようになる。しかし、この設定では、文字サイズがまったく変わらないアプリケーションもある。Excelでは、メニューなどの文字サイズは変わるが、ワークシートの文字はそのまま。コントロールパネル・アイコンの文字やタスクマネージャーのプロセス表示などもそのままである。このため、ウィンドウに表示される情報量が変わらず、高解像度のモニターを有効に使うことができる。設定値としては「表示倍率」の設定で「推奨」とされている倍率を参考にするといいだろう。

「高DPI設定の変更」は、Windows XP以前に作られた古いデスクトップアプリ(DPI Unawareアプリ)に対して、「テキストサイズ」などの適用方法を変更するもの。自身でフォントサイズなどを指定できるアプリケーションの表示が好ましくない場合などに利用できる。ウィンドウサイズが固定で、「テキストサイズ」設定でメニュー文字が拡大されてはみ出してしまう、などの場合に使う。

こうした対応と同時にアプリ側の表示やフォント関連の設定を行うことで、表示が読みやすくなることもある。Excelでは、前述の「テキストサイズ」でメニューやリボンの文字サイズを変更できるが、数式バーの文字サイズは変わらない。数式バーは新規ブックの標準文字サイズと連動しており、「ファイル ⇒ オプション ⇒ 全般 ⇒ 新しいブックの作成時 ⇒ フォントサイズ」で変更が可能だ。変更すると「空白のブック」の標準文字サイズも大きくなる。対策として、ワークシートにExcelの標準文字サイズ(11ポイント)に設定したテンプレートファイルを作る(ワークシートの文字サイズは、ブックやテンプレートファイル側に保存される)。これ空白のブックの代わりに使うようにすると、ワークシート部分は標準と同じで、数式バーのみ大きくすることができる。

今回のタイトルの元ネタは、ドイツの世界最長のスペースオペラである「Perry Rhodan」(邦題宇宙英雄ペリー・ローダン)である。複数作家の連作からなるが、大きな枠組みやプロット、あらすじが作られたのち、作家がガイドラインに従い執筆するらしい。日本のマンガの製作システムに似たところがある。ただ、日本のマンガがマンガ家、原作者と多数のアシスタントという個人の集まりという構造なのに対して、並行して作業するプロットチームと執筆チームという組織的な製作という感じがある。1978年の時点で350巻先までドラフトが作られていたという。