最近、電子メールについて厳しい評価を耳にするようになってきた。メールは場合によっては中身を読まないことには、要不要が判断できないこともあり、スパムメールや不要なメールが大量にあると、必要なメールがその中に紛れてしまうのが問題の1つ。
代替手段があるのか、というとそうでもない。SNS系のメッセージサービスは、特定企業のサービスであるがゆえ、差出人、宛先ともに同じSNSのアカウントを持たねばならず、障害があれば、まったく使えなくなってしまう。これに対して、電子メールは、メールアドレスさえわかればメッセージの送受信が可能だ。プロトコルが公開されており、サーバーもクライアントも複数の実装があり障害にも強い。不評であっても当面はこれに頼らざるを得ない。
そうすると、1利用者としても、なんらかの対応を行っておく必要がある。差出人アドレスが多数あり、ユーザーがルールを1つ1つ作るメールクライアントのフィルタリング機能では、もう対応が難しい。筆者は、メールを見るだけのメールサービスとメールクライアントを使い、メールを送信、あるいは返事を書くためのメールクライアント/メールサービスとは分離した。これで、少なくともメールを読むことは、ラクになった。
この方法は、フィルタリングに関しては、Gmail.comやOutlook.comなどにある受信トレイの自動分類機能「優先INBOX」とでも呼ぶべき機能を使う。こうした機能は、初期状態から適当に分類が行なわれているので、作業は、これを修正するだけで済む。GmailもOutlookも、迷惑メールでなく、メッセージのメールアドレスが初めてのもので判断に困ると、優先受信トレイ、メインタブに表示するようなので、自動振り分けでも新規の宛先からのメッセージを見逃す可能性は低い。
電子メールメッセージは「返事すべきもの」、「見るだけでいいもの」(確認や出荷通知など)、「見る必要がないもの」(プロモーションメールなど)、「見たくないもの」(迷惑メール)の大きく4つに分類できる。電子メールサービスでは、最低でも「迷惑メール」フィルター機能があるのが普通。「優先INBOX」的な機能があるなら、「返事すべきもの」、「見るだけでいいもの」とそれ以外を分離させることができる。
まずは、自分のところに来たメールを、すべてOutlook.comやGmail.comにも転送する。そして、サービス側の機能を使ってメールを分類させる。これらのサービスは、スマートフォンやChromebookでも対応アプリが用意され、Webブラウザでもアクセスが可能だ。クラウドサービスなので、フィルタリングや振り分けの機能はすべて同じものが適用される。メールを読むだけに限るので、アカウント(メールアドレス)は何でもかまわない。転送されたメッセージはコピーなので、いつでも削除できる。
Outlook.comとWindows 10/11のメールアプリの場合、Outlook.comの「優先/その他受信トレイ」機能を使うことで、「返事すべきもの」、「見るだけでいいもの」だけを優先受信トレイに残すことができる。メールアプリには、設定 ⇒ 優先受信トレイに機能を有効化する設定があることに注意されたい。
優先受信トレイにある「見る必要がないもの」に対して、右クリックメニューから「常にその他の移動する」を選んでその他受信トレイに送る。その他受信トレイや迷惑メールフォルダに「見るべきもの」があれば、「常に優先に移動する」を選ぶ。Webフラウザなら、右クリックメニューの「移動」のサブメニューに同名の項目がある。過去に遡って処理する必要はなく、1週間程度、当日のメールについて繰り返せば、優先受信トレイには必要なメールだけが表示されるようになる。
Gmailもやりかたはほとんど同じ、Webブラウザならメッセージを右クリックして「タブに移動」を選んで、適当なタブを選択する。タブの指定後に、同じ処理を常に行うか? といった確認が出るのでこれに「はい」と答えれば、以後、そのメールはメインタブには表示されなくなる(写真01)。
今回のタイトルの元ネタは、1978年の邦画「宇宙からのメッセージ」である。前年に米国で公開されたスターウォーズに「インスピレーション」を得て、日米公開の時差を利用して作った映画である。日本では同じ年に「さらば宇宙戦艦ヤマト」や「未知との遭遇」、「野生の証明」、「アニー・ホール」などの新作に加え、「2001年宇宙の旅」のリバイバル上映もあった。今から見ると名作が目白押し。筆者の好きな◯級映画も、「マニトウ」、「デモンシード」、「北京原人の逆襲」と粒ぞろい。「宇宙からのメッセージ」は、そこに埋没した感がある。SF特撮映画とはいいながら同年初頭に公開された「柳生一族の陰謀」と監督、主要俳優が同じ。千葉真一と成田三樹夫は、柳生十兵衛と烏丸少将よろしく、またチャンバラである。できれば萬屋錦之介にも出ていただきたかった。