鶏の羽の付け根部分にある骨つき肉、手羽元。スーパーなどでも常にお手頃に手に入る、庶民の味方食材ですよね。

  • 時にこんな値段で手に入ることも

塩をふってこんがりと焼くだけで美味しいし、煮込めば良いだしが出るし、いつも大変お世話になっております。

今回はこれを使って、お手軽なフライドチキン風を作っていこうと思います。最大のポイントは「切りかた」と「成形」。僕も最近、なんとなく思いついてやってみたらうまくいったというだけなんですが、骨を持ってかぶりつくとじゅわっと肉汁があふれだし、しかも食べやすくて、ものすごくいいんですよ。

ポイントは切りかたと成形

手羽元は基本的に、片面に皮がついていて、もう片面は肉、という形状になっています。

  • 裏表

それでは肉の仕込みをしていきましょう。

まず、皮ではなくて肉のほうを上にまな板の上に置きます。そうしたら、骨に沿って縦に包丁で切り込みを入れていきましょう。

  • このように

で、僕も最近偶然発見しただけなので、コツというほどのものが確立されているわけではないんですが、何度か包丁を入れつつ、骨から肉を剥がし、両サイドに向かって平らに広げるイメージで成形していきましょう。

  • “手羽元の開き”というイメージかな

別に難しいことはなく、誰でも2、3本もやればできるようになるんじゃないかと思います。

  • どんどん量産

さて今回のレシピ、ここまででもう、僕がお伝えしたいことの90%は伝えきってしまいました。あくまで形状がポイントであって、味つけにはあんまりこだわりないんですよね。

なので、この肉の両面に、お好きな塩やスパイスソルトなんかをまんべんなくふってやってください。強いて言えば、せっかくなのでちょっといい塩とか、売り場で気になったミックスソルト、ハーブソルトなんかを使ってみると楽しいと思います。

僕が今回使ってみたのはこちら。

  • 「ふ~塩」

カルディで見つけて買ってみたんですが、塩をベースに15種類のスパイスや調味料がブレンドされていて、和洋中、どんな料理も味が決まる万能調味料なんだとか。

ところが先に感想を言ってしまいますと、今まで自分で揚げた鶏料理のなかでいちばんフライドチキンっぽい味になり、めちゃくちゃ美味しかったです。おすすめ。

  • 全体的にふっておきましょう

で、欲を言えばこの状態で30分〜1時間くらい置いておくと、肉が柔らかくなりつつ味もなじむようなんですが、正直すぐ揚げはじめてしまってもそこまで変わらないかと。手羽肉、もともと柔らかいし。

というわけで、そろそろ揚げはじめようかなというタイミングで、バットや食品用ビニール袋などを使い、肉の表面全体に片栗粉をまぶしてやりましょう。

では肉を揚げていきます。ふだんあまり手間のかからないレシピを中心にご紹介している連載ゆえ、「え〜、揚げもの? めんどくさそう!」と思われる方もいるかもしれません。そして確かに、もっと簡単な料理に比べれば多少はめんどくさい。けれども、極力楽に作れる方法でやりますので、そのあたりはご了承ください。

まず深めの鍋やフライパンに、サラダ油を1cmの深さくらいまで注ぎましょう。中火にかけ、油がちりちりと温まってきた雰囲気になってきたら、火加減を弱〜中火くらいに。

温度計を用意して「〇〇度で〇〇分」なんて計りながらやらなくても、弱目の火で様子を見ながら揚げ焼きにしていけば、ちゃんといい感じにできますので。

そうしたら、手羽元の皮目を上に、なるべく肉が平らに広がるようにしながら油へ。

  • じゅわー

あわてる必要はありません。鍋のなかの肉をよく観察していると、数分で肉の下側から5〜 6割くらいにまで火が通りはじめたことがわかるでしょう。

  • こんなふうに

そしたら一度ひとつひっくり返してみて、表面がこんがりいい色になっていたら、そのまま全部ひっくり返してやりましょう。

  • いい香り〜

またまた数分様子を見つつ、たまに肉をひっくり返してみたりしながら、もう片面もいい色になったら揚げあがり。

いったん油切りバットか、なければよく油をきって普通のお皿にでもいいんで取り出し、どんどん揚げていきましょう。その間、揚げあがった肉には、予熱でさらにじんわりと火が通ることでしょう。

  • いい感じ

というわけで完成!

  • 「フライド手羽元」

手羽元を揚げるというと、そのまま、もしくは骨を持ち手のように残して肉を片側に寄せた“チューリップ”なんかが定番かと思います。が、僕が知らないだけかもしれないけど、この“開き”タイプには出会ったことがない。

けれどもこれが、いいんですよ!

  • いただきます

ごらんのように、中央に骨が1本通っていて、その両サイドを持ってかぶりつくことができる。ひとつひとつは大きくないけれども、立派にフライドチキンっぽさがある。

さらに、上側が皮、下側が肉というコントラストも良く、ぱりっとジューシーで、あ〜もう、とにかく一度食べてみて! としか言えません。

お酒のつまみとしてはもちろん、お子さまだってきっと大喜びのはず。スーパーでお値打ちの品を見つけたらたっぷり買って、おうちでフライド手羽元パーティーなんて、いかがでしょうか!?

作りかた(ひとりぶん)

【材料】

・鶏手羽元:好きなだけ
・お好みの塩やミックススパイス:適量
・片栗粉:適量
・サラダ油:適量
※すべての分量は目安です。お好みで調整してください。

【作りかた】

1.手羽元の皮とは逆面の肉に骨に沿って切り込みを入れ、なるべく平に広げる
2.全体にお好みの塩やミックススパイスをふる
3.全体に小麦粉をまぶす
4.弱〜中火にかけた油でじっくりと両面揚げ焼きにする