以前、とある小さなカウンター酒場のお通しが「前日のすき焼きの残り汁にメンマを入れて煮たもの」だったことがありました。
その想像の斜め上をゆくメニューに酒場のおもしろさを感じつつ、食材を無駄にしない女将の知恵におそれいりつつ、ひと口食べてみたところ、これがなかなか美味しいんですよね。しかも、けっこうしっかりと「松茸」の香りがするように感じる。そこで「豪華ですね。松茸入りのすき焼きだったんですか?」と聞くと、「え? 松茸なんて入れてないわよ」とのご返答。
どういうこと? もしかして、すき焼きにメンマを入れると松茸味になる?
そんな仮定をもとに以前、実際に自分で作り、検証をしてみたことがあります。すると驚くべきことに、すき焼きのたれでメンマを煮はじめた時点で、けっこうそれっぽい香りがする! しかも、そこにしいたけなどのきのこ類を加えると、さらにその傾向が強まる!
これは発見だ〜、と大興奮したのですが……あくまで個人の感想であり、そもそも僕は、松茸経験がそんなに豊富なわけではありません。なので今回のレシピを実際に作ってみて「ぜ〜んぜん違うじゃん!」と思われても、当方はその責任を追えませんので悪しからず。
あくまで、自分からその気になって楽しむことこそが、おつまみ革命のキモ!
試しに牛丼にメンマをのせてみると……
で、今回思いついたレシピはというと、その現象をずっとお手軽に、お店でテイクアウトしてきた牛丼をアレンジして味わえないか? というもの。ほら、牛丼の上にのってる具材って、けっこうすき焼きに近いじゃないですか。
つまりはこういうことです。
別に、どこの店のものでもいいでしょう。
お好みで七味唐辛子をふって。
あとは牛丼の具とメンマをよく混ぜて、ごはんと一緒に食べるだけ。
すると……あ〜、やっぱり! ちゃんと作ったすき焼きにメンマを入れたときほどではないけど、なんとなくそれらしいニュアンスを感じる。なにより、メンマ入り牛丼が純粋にうまい!
ちなみに今、「メンマ 牛丼」でワード検索をしてみたところ、人気チェーンの「すき家」さんに「食べラー・メンマ牛丼」というメニューがあるようですね。が、写真を見る限り、食べるラー油の味のパンチがかなり強そう。つまり、今回のように、淡い淡い松茸風味を主体的に探しながら食べることが目的のメニューではなさそう。まぁ、普通にうまそうなので、こんど食べてみようと思いますが。
とにかく、今回楽しみたいのは松茸風味のすき焼き味! なのでもちろん、
もうひと手間でさらなるごちそうに
さて今回も、もうお伝えたいことは伝え終わってしまったのですが、さすがに「牛丼にメンマのせました〜」だけじゃあ、レシピ記事としてあんまりですよね。
そこで、もうひと手間かけたアレンジも考えてみましょう。となると、加えたいのはきのこだな。しかも、見た目や食感がとりわけ松茸に似ている、「エリンギ」!
というわけで、まずはエリンギ1本を手で縦に裂き、油をひいたフライパンで炒めていきます。
全体が温まるまで、さっと炒め合わせます。
これをどんぶりによそったごはんの上にのせれば、
完成!
作りかた(ひとりぶん)
【材料】
・牛丼:1人前
・エリンギ:1本
・メンマ:エリンギと同量くらい
【作りかた】
1.牛丼を買ってくる
2.フライパンに油をひいてエリンギを炒める
3.メンマと牛丼の具を加えて炒め合わせる
4.できた具をごはんにのせ、お好みで一味をふって完成
5.生玉子を加えてよく混ぜてたべるのもおすすめ