突然ですが、「家たこ焼き」って楽しいですよね。

だけど同時に、生地を作って、たこを買ってきてぶつ切りにして、入れる野菜をみじん切りにして、紅しょうがもみじん切りにして、揚げ玉を用意して、さらにたこ焼き機の穴のひとつひとつに油を塗って、生地を流し入れてころころと転がし続けて一生懸命焼いて、やっとできるのが十数個。かつお節や青のりを用意してかけて、ソースとマヨもかけて、さぁ熱々を食べたいけれど、第2弾も焼かなきゃいけないし……。しかも食べ終わったあとは、まな板、食器、さらにめっちゃ穴が多いたこ焼き器の洗い物が大量!

冒頭から、せっかく楽しい「たこパ」のデメリットばかり揚げてしまって面目ないんですが、けっこう気合のいる料理なんですよね。家たこ焼きって。

だけど、焼きたてのたこ焼きがめちゃくちゃ美味しいのは厳然たる事実。そこで、気合を入れて作るときは作ろう。ただ、家でひとり、ゆる〜っと飲むときのつまみにする際は、極限まで手を抜くことができないか? と考え、僕がたどり着いたメニューが、具なしのたこ焼き生地をフライパンで焼くだけという、たこ焼きならぬ「たこ焼き粉焼き」なんです。

ポイントは、市販のたこやき粉を使うこと

順を追って説明していきますんで、まぁのんびり聞いてください。

まず、これだけは用意してほしいのが、市販の「たこ焼き粉」! 長年自分で酒のつまみを作り続けて思うことは、たこ焼きやお好み焼きなどの粉もん系、それから天ぷら粉は、小麦粉から自作するんでなく、専用の粉を買うのが確実ということ。手間がないし、失敗もないし、なによりうまい。

  • ゆるっと家飲みのつまみは極限まで手を抜きたい、そこでたどりついたのが究極の手抜きレシピ「具なしのたこ焼き生地」

    今日は日清の「たこ焼粉」で

見てのとおり、「だしが決め手!」であり、「鰹と昆布のうまみと紅しょうがの風味」が最初からついていて「中はとろ〜り」と仕上がると、パッケージに書いてある。それを説明どおりに作れば、あくまで僕のような素人があーだこーだと工夫して作るより、うまいに決まってるんです。

というわけで、生地を調合。この粉の場合は、粉100g、水300g、玉子1個で2人前ができるとのことで、素直にそれに従います。まぁ、軽〜く1人前を作りたい場合は、粉と水を半分にして、玉子は半分にするの難しいし、1個入れちゃってもいいんじゃないかな。

  • 生地を混ぜるのは、大きめの計量カップが便利

で、ここからなんですが、もう、いきなり焼く! な〜んにも具を入れずに! しかも、たこ焼き器じゃなくてフライパンで! なぜなら、それがたこ焼き粉焼きなので。

  • フライパンで油を熱して

よ〜く温まったら、火を中火くらいにして、

  • 1人前の生地を流しこむ

  • あとはもうてきとうにゆすっていると

徐々に生地が固まってくるので、これをまとめるんですが、イメージ的にはオムレツですね。

  • フライパンの端によせながらくるっと

  • はい完成!

みなさん、信じられますでしょうか? この、お皿にのった、とろんとした謎の物体が、僕の言う「たこ焼き粉焼き」の完成系なのです。そう、僕は今、これを「おつまみレシピ」だと言いはって、ネットの記事で紹介しているのです。

  • ビールと一緒にめしあがれ♪

いや実際の話、これがね、なんの味つけもしなくてもちゃんと美味しいんですよ。塩気もだしの風味もちゃんと効いていて、外はカリッと、なかはとろっと、笑っちゃうくらいに「素たこ焼き」そのものの味。もちろん薄味ではあるけど、箸でちびちびとつまみながら飲むと、なんだかいいつまみになるんですよね〜。

ネギ入りも作ってみましょう

とはいえ、さすがに「おつまみ革命」なんてたいそうな名前をつけた連載で、この時点で終わるのは忍びない。そこでアレンジバージョンとして、あくまで手抜きの範囲内で、ねぎ入りバージョンも作ってみましょうか。

といっても、刻むのが面倒なので、スーパーなどで売っている「刻みねぎ」を買ってきて、生地にたっぷりと混ぜるだけ。

  • 分量は“好きなだけ”

そしたら先ほど同様、これを焼いていく。

  • じゅわーっ

  • ゆさゆさ

オムレツの容量で、フライパンの柄をトントンと叩きながら徐々に全体を返してゆき……

  • トントントン

  • それっ!

お〜、うまくいったぞ。とはいえ、形がきれいにできてもできなくても、とにかく市販のたこ焼き粉は分量を守って焼けばうまいので、あんまり細かいことは気にせずで大丈夫です。

これをお皿にのせたら、撮影用ということで、

  • さらにねぎをのせ

色味とアクセントに七味なんかもぱらぱらっとふったら、

  • 完成! 「ねぎ入りたこ焼き粉焼き」

    完成! 「ねぎ入りたこ焼き粉焼き」

  • こんなふうに箸でちぎりながら食べると、もはやたこ焼き

    こんなふうに箸でちぎりながら食べると、もはやたこ焼き

もちろん味が物足りないと思ったら、ソースでもマヨでも醤油でもポン酢でも、好きな調味料をかければすべからくうまいです。

というか、さっきねぎを足した時点で、たこやら揚げ玉やら紅しょうがも足しておけば、味はさらにたこ焼きに近づくことでしょう。だけど僕は、このたこ焼き粉焼きに関しては、なるべくシンプルに味わうのがいい気がするんですよね〜。

【材料】

・市販のたこ焼き粉
・玉子、水など、袋に記載のある材料
・足したければ、ねぎなど好きな具材

【作りかた】

1.市販のたこ焼き粉を買ってきて、記載のとおりに生地を作る。なにか具を入れたければ入れる。
2.フライパンで油を熱し、オムレツの容量で焼く。失敗しても別にいいという気持ちで。