たまにお店の名物のひとつとして、海苔とチーズを挟んだトーストサンドみたいなメニューを出している古い喫茶店、ありません?
すみません、そもそも僕、飲食店に行くといったら大衆酒場ばっかりで、喫茶店で食事をとるという習慣がないので、あまり自信はなく、漠然とした記憶だけで書いています。
けど、ありますよね。海苔とチーズを挟んだトーストサンドみたいなのを出している古い喫茶店。テレビや雑誌なんかで見たことある気がする。で、そのたび、「へ〜、パンに海苔とチーズが合うんだ。こんど作ってみよ」なんて思うんだけど、これまたすみません。そもそも僕、家でトーストを作って食べるという習慣がないので、ずっと思ってるだけだったんですよ。つまり、実際には食べたことがない。
ところで先日、家にバゲットが数枚余っていて、それでなにかつまみでも作って食べようと思ったんです。そこでふと、海苔チーズトーストのことを思い出した。そういえば冷蔵庫に、海苔の佃煮「ごはんですよ!」があったぞ。あれもなるべく早く食べちゃいたいんだよな。チーズは……粉チーズがあった。これらで喫茶店の海苔チーズトーストインスパイアのおつまみが作れないかな?
そもそも本家を食べたことがないくせに、アレンジ食材で「インスパイア」とは、自分でもとことんいいかげんな男だよなぁと思います。ただ、思いつきで作ったそのおつまみが、ものすご〜く酒に合ってしまったんですよね。そこだけは、信じてください!
海苔を入れてからは大慌てで
ではその時フィーリングだけで作った「粉チーズとごはんですよ!のバゲットトースト」を再現していきましょう。
まずはフライパンに、底全体に行き渡るくらいたっぷりとオリーブオイルを注ぎます。そしたら中火くらいの火にかけ、そこにバゲット(スライス3, 4枚ぶん)を、ひと口サイズくらいの大きさにちぎりながら入れていきます。なので、バゲットは超本格派のハードタイプよりは、少しふわふわ感のある柔らかいものがおすすめ。
このちぎりバゲットを、まんべんなく油が行き渡り、さらに表面がカリッとするくらいまで焼いていきましょう。
はい、ここで海苔の佃煮を投入。もちろん僕の家にあった、「ごはんですよ!」以外の商品でも問題はないでしょう。
量は、カレースプーンに軽く1杯って感じかな。入れすぎるとしょっぱくなるので控えめに。
で、ここからが注意したいポイント。海苔の佃煮は、フライパンにひっつくと一気に焼けて固まってしまいがちなので、素早く全体をかき混ぜながら、海苔をパンの表面に行き渡らせてください。この作業だけは、大慌てでやりましょう。
最後の仕上げは粉チーズ。好きなだけかけましょう。
引き続き混ぜながら、粉チーズでパンの表面をコーティングしていきます。やがて全体がまとまり、チーズにも焦げ目がつきはじめたら調理は終了。
仕上げに黒コショウを、これまた好きなだけふって。ちなみに、チーズにはタバスコかな? とか、海苔の佃煮が和風だから、和山椒はどうかしら? なんてあれこれ試してみたんですが、ダントツで相性がいいのは黒コショウでした。
つまみやすいひと口サイズをぽいっと口にほおりこみ、ザクザクっと噛むと、海苔の塩気と海の香り、オリーブオイルの爽やかさ、チーズのコクなどが混ざりあった美味しさがじゅわっと広がり、気分はフィレンツェ旅行。白ワインがぐいぐいすすみます。同時に、ごはんですよ! の和風テイストもきちんとあって、食感もどこか日本の「揚げ餅」を思わせる雰囲気があるから、なんだかほっとする味でもある。
単なる思いつきから生まれたレシピですが、これはいい組み合わせだったな〜。
作りかた
【材料】
・バゲット(硬すぎないもの):3、4枚
・オリーブオイル:適量
・海苔の佃煮:カレースプーンに軽く1杯ほど
・粉チーズ:好きなだけ
・黒コショウ:好きなだけ
【作りかた】
1.オリーブオイルをしいたフライパンで、ひと口大にちぎったバゲットを、表面がこんがりしはじめるまで中火で焼く。
2.海苔の佃煮を加え、大急ぎでかき混ぜながら全体に行き渡らせる。
3.粉チーズをたっぷりとふって、さらに全体をなじませる。
4.全体がまとまり、チーズにも焦げ目がつきはじめたら完成。
5.皿に盛り、仕上げに黒コショウをかける。