「お世辞感を出さずにうまくほめて相手の懐にはいりたいとき」
「自分の立ち位置を守るべく、肯定も否定もせずにその場をのりきりたいとき」
職場や家族、恋人、友人などの人間関係をなるべくストレスなく過ごすために、自分の求めている返答や行動を相手から引き出したい瞬間は多くあります。そのときにひとこと言い換えるだけで、相手を自在にあやつる言葉の言い回しのコツを紹介します。
実際に心理学者たちがおこなった心理学実験や、深層心理をもとに、その言い換えをすることでもたらす心理効果を解説。人間の思考のメカニズムも学ぶことができます。
思い通りに人を動かしたい人だけでなく、人にマイナスイメージをもたれたり、自分のもつキャラクターを傷つけたりすることを恐れる繊細な人が対人回避術として使用することもできる一冊『ズルい言い換え事典』から一部抜粋してご紹介します!
■愚痴っぽい人とうまくやる
人はうなずいてもらえるだけで好意を持つ
愚痴や文句ばかりに終始する人は、集団の中に必ずいるものだ。そんな人に「もういいかげんにしてくださいよ」と意見するのはNG。「拒絶された! 」と思うやいなや、逆ギレされてあなたは「ひどい人」にされてしまう。
いつでもどこでも口を開けば愚痴ばかり…という人への対処法は、「うんうん」というあいづち一択。多くの人が自分の意見に同調してもらえると思うことで相手に好意を持つ。これは「好意の返報性」と言われるもので、相手が自分に好意を持ってくれていると認知することで、自分もそれにお返ししたいと思うことだ。
たとえウンザリしていたとしても、「大変だったんだね…」「困ったね…」「どうすればいいんだろうね…」など、一緒に悩んでいるポーズが取れれば、なおGOOD。解決に至らなくても問題ない。悩みを共有してくれていると思 うだけで、彼ら彼女らは安心感を得られるからだ。
愚痴を言う人は会話がしたいわけではない
そもそも愚痴ばかり言う人というのは、自分に対するコンプレックスがとても強い人だ。彼ら彼女らは心の中に強い不安を抱えているのが特徴で、自分の中に溜め込んでいるものをどんどん吐き出さずにはいられない。そうしないと、心の安定が得られないからである。自分が責められるのが怖いがために、人を責めているともいえるだろう。
ここから導き出される結論は、彼ら彼女らは会話がしたいわけではない、ということ。だからこそ、愚痴をただ聞いてあげるだけで喜んでくれるのだ。そしてやっぱり私たちにとってみれば、「あっしには関係のないことでござんす」なのである。というわけで、「話を聞いてくれるイイ人」認定されてしまった場合に備えておく必要があるだろう。それは「単純に愚痴を聞かされる機会が増えてしまう」という弊害への対策である。対策も何も、「はっきり断る」以外に選択肢はないのだが、ポイントがひとつだけ。「ごめんね。 15時から来客の予定が入ってるんだ…」とか「今日ちょっと調子が悪くて…」といった具合に、理由をしっかり伝えて感情的なしこりを残さないで断ること。これを怠ると炎上必至だ。
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『ズルい言い換え事典』(齊藤 勇監修/日本文芸社)
職場や家族、恋人、友人などの人間関係をなるべくストレスなく過ごすために、自分の求めている返答や行動を相手から引き出したい瞬間は多くありますが、そのときにひとこと言い換えるだけで、相手を自在にあやつる言葉の言い回しのコツを紹介。思い通りに人を動かしたい人だけでなく、人にマイナスイメージをもたれたり、自分のもつキャラクターを傷つけたりすることを恐れる繊細な人が対人回避術として使用することもできる一冊です。