皆さん、ベルギーと聞いて何を思い浮かべますか? チョコレート、ワッフルなどの食べ物や、サッカーのワールドカップで日本代表と戦った国などをイメージします。
では「どこにある」と聞かれると、少し考えませんか? 「たしかー、フランスのそばくらい(雑!)」な知識の筆者。旅人レベルは低く、週末に近所を散歩し、たまの熱海が旅行というサラリーマン編集者です。
そんな私が、ひょんなことから、ベルギーへ行って見どころを紹介するミッションが! 「海外の街は大きいよなー」とブツブツぼやく私。そんな意識低い系旅人に、ベルギーはどう見える?
ベルギーといえばチョコレート
ベルギーといえばチョコレート。食にあまり興味が無い私ですが、それくらいは知っています。
ということで、首都ブリュッセルの中心部にお店を構える、ショコラティエのLaurent Gerbaudさんのお店を訪問することになりました。実は、ブリュッセルは徒歩で行けるところに主要な見どころが集まっているので、旅慣れない私でも迷わず行けました。これは良いですね。
また、Laurent Gerbaudさんは中国に住んでいた経験があるので、お店のロゴは漢字モチーフなんですよ! 海外慣れしていない私には、ちょっと親近感がわきます。
2001年からブリュッセルでお店をオープンし、まだ日本にはお店はありません。
そんなLaurent Gerbaudさん、店舗と隣接したスペースでチョコレートのワークショップを毎週土曜日の11時半~13時まで開催し、事前予約すれば一般の方も1人から参加できます。料金は35ユーロで、毎回15名での実施だそう。また個別のグループ単位でも実施していて、これは予約時に日程を調整し、費用も35ユーロ以上みたいですよ。
チョコレートのワークショップに参加
このワークショップ、内容はチョコレートの食べ比べから始まり、トッピングに使うスパイスのレクチャーなど、けっこう本格的。説明が終ったら、いよいよワーク開始です。
まずは43.5度で溶かしたチョコレートの液体を台座となるプレートで受けて、ヘラのようなスティックで均等にならします。その上に、好きなドライフルーツやナッツ類を散りばめてトッピングし、冷蔵庫で30分ほど冷やしたら完成。
こう書くと簡単なようですが、意外と難しく、特に溶けたチョコレートを受けてのばすのはコツが必要。また、チョコレートは3分程度で冷えて固まるので、それまでにトッピングを終えないと駄目という、時間との戦い。
不器用な私には、この手の作業は大の苦手。でも、やってるうちに楽しくなってくるのが不思議です。ただ、トッピングには慣れやセンスが必要なので、私の作品はコレジャナイ感が満載。それでも、下手は下手なりに、何かをやり遂げたという達成感は味わえましたよ!
ベルギーチョコレートとは
そもそもベルギーチョコレートは他の国と比較して、何が違うのでしょう。そんな素朴な疑問をLaurent Gerbaudさんに尋ねました。
Laurent Gerbaudさん「ベルギーではチョコレートの歴史が長く、良質なカカオを使っているのが特徴でした。しかし、最近はあまり他の国との違いはなくなってきていますね。それこそ、日本のチョコレートが一番おいしいかもしれません(笑)。今は原材料に大きな違いはなく、ショコラティエの腕により差がつきます」。
昔は国による違いがあったのかもしれませんが、世界中にチョコレートが普及し、それぞれの国でおいしさを競い合ってるようです。
ベルギーチョコレートのトレンドは柚子?
それでは、Laurent Gerbaudさんのチョコレートには、どのような特徴なのでしょう。
Laurent Gerbaudさん「フルーツとスパイスとダークチョコレートを組み合わせたものです。この組み合わせは、自分の好みを生かしたオリジナルブレンドとなります。ショコラティエにはビターな味を好む人がいますが、私は苦さとフルーティさの両方を大事にしています」。
ちなみに、ベルギーでは「柚子」がチョコレートのスパイスとして人気だそうです。なお、中国に住んでいたことが影響しているのか、Laurent Gerbaudさんは2007年から注目して使っていたそう。
ブリュッセルの世界遺産と「がっかり名所」
ワークショップが終わり、ベルギーチョコレートを紹介できたので、ホテルへ帰ろうかなと思った私の脳裏に編集長の姿が。
「お前、ベルギーまで行って撮れ高はこれだけ?」
いや、旅人レベル1にしては頑張ってます! とイマドキの新入社員でも言わない「頑張ってます論」しか出てこない……。確かに、観光名所を何も紹介していなのは、マズイかも。
幸い、ブリュッセルは徒歩で中心部を回れるサイズの街。Laurent Gerbaudさんのお店から、ブリュッセル の観光地として有名な世界遺産「グラン・プラス」は徒歩で10分程度です。この程度なら、旅人レベルが低い私でも問題なし! 散歩の延長として、行ってみましょう。
フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーが「世界で最も美しい広場」と称えたグラン・プラス。歴史を感じる重厚な建造物が広場の四方に建っています。平日の午後ですが、たくさんの観光客でにぎわっていますよー。
グラン・プラスは中世の建物に囲まれた、縦70m、横110mの小さな石畳の広場で、一周を回っても5分程度というコンパクトさが良いです。もちろん周囲の建物の雰囲気は抜群で、昼だけでなく、ライトアップされた夜も人気だそう。こちらは、まさにリアル「おとぎの国」ですね。例のネズミが出てきてパレードしそう。
そして、グラン・プラス近くには、「世界がっかり三大名所」の一つである小便小僧があります。「腐っても鯛」ということわざもありますし、これも行ってみます。ちなみに歩いて3分もかかりません、徒歩で回っても苦になりませんねー。
そして、いよいよ見えてきました! 遠い、そして小さい! 噂を裏切らない「がっかり感」。
分かりにくいので、無駄に彼を強調しましょう。
しかし、近所にいる兄弟たちが代わりに? 存在感を出している。
1人では駄目でも、3人なら! まるで毛利元就の「3本の矢の教え」です、兄弟愛だね! (ぜったい違う)。
いかがでしょう? ブリュッセルの良さは街がコンパクトなこと。今回利用していませんが、市内には地下鉄、路面電車、バスなど交通機関も充実しています。中心部だけなら、迷わず街を回れるので、旅行経験が少なくても安心して観光できて嬉しい。
ロンドン、パリなど大きな観光都市も楽しいでしょうが、歩いていろいろ見て回るなら、ブリュッセルも良いのでは?
取材協力:ベルギー連邦政府