過労自殺しかけた経験を描いた書籍「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「法律や就業規則を知っておく」です。

  • 漫画連載「会社につぶされないために」のワンシーン
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当事者意識をいつも持つようにしましょう

新卒で入社したてのころは、本当に驚くほど知識がありませんでした。「就業規則」というものの存在を知っていたかすら、怪しいです。「何か違法なことがあっても、会社を相手に戦うことはできない」という諦めもあったと思います。どうしても耐えられないことがあれば、辞めるしかないと思っていました。

「出向」と言われたときも、そもそも「出向」がどういうことなのか、よくわかっていなかったように思います。このときも、「抵抗する」という選択肢はなかったので、調べることもなく、受け入れるしかないと思っていました。思考停止状態ですね。

先輩が実際に行動してくれたおかげで、「言いなりではなく、自分で調べて、必要があれば話し合い、抗議する」という、ごく当たり前のことの大切さを知ることができたと思います。

ブラック企業で、言われるがまま働く癖がついてしまうと、「抵抗する」選択肢がまずなくなり、それに伴って「自分で調べる」「考える」という意識も薄れてゆきます。「報われないとわかっている努力は、できなくなる」のです。

しかし、その状態になってしまうと、そこから抜け出せなくなってしまいます。どこまで行動を起こすかは別としても、自分がどういう状況にあるのか、また、どういう権利や義務があるのかを、知っておくことは大切だと思います。