『木更津キャッツアイ』が好きだ。もう何度見たかわからない……いや単に、岡田准一やら櫻井翔やらが出ているからではなく、男子たちがワァワァ悪ふざけしてるところが、ものすごく楽しそうだからだ。こういう男子の集まりに憧れを抱く女は多そうだが、クドカン(宮藤官九郎)がかなりワルノリして作ってる(らしい?)ところもまたおもしろい。
このストーリーの前提になっているのが、余命半年といわれている岡田准一なのだが、このドラマを見ると、どうにも『ガラスの仮面』を思い出す。ピーンと来ている読者も多いかもしれないが、この岡田准一扮するぶっさん、ダメかも~、危ないかも~と言われながら、ぜんぜんへっちゃらで最終回まで元気なのだ。
同じような人が『ガラスの仮面』にも登場する。月影先生だ。そうとう序盤から「もう危ない、もうダメだ」と言われ続けて42巻。血を吐いたり心臓がズキンとしたり、なんの病気かまったく不明ながら、死地をさまよっては舞い戻ってくるのだ。『ガラカメ』の見所は、実はこんなところにもあるのである。
それではそのほか、私が気になっているシーンについて書いてみようと思う。今回はちょっとヲトメ心から外れてしまうかもしれないが、来週からまたタップリやるので、お楽しみに。
さて連載から30年以上経ったものの、マヤたちは10年も歳をとっていないようだが(実年齢はよくわからんが、酒を飲んでいるので20歳は超えたようだ)、時代背景を見ると、作者の心遣いがよく見える。
しかし気になっているのは、ストーリー序盤、マヤは近所の公園でバイトをするのだが、その日給だ。なんと1,500円。日給ですよ? いくら30年以上前の話だとはいっても、あまりにそれは労働基準法違反だと思うのだが、誰か教えてやれよマヤに。桜小路くんも、バイトを勝手に代わってやってないで、その辺を教えてあげればいいのに。
引き替え、最近では、桜小路くんは携帯をフル活用。現代の若者の生活を作品に取り入れようという作者の意気込みが感じられる。デートに行けば写メを撮りまくり、つまらない彼女からは携帯メールが届く。マヤといちゃいちゃやってる写メを速水さんに見られて、恥ずかしがったりしている。最新刊は突然携帯が大活躍なのである。
一方で、2人が食事に行ったのはウォーターフロントの高級レストラン。なんかバブル時代を思い出してしまう施設だが、そこで埠頭に立ったマヤは、発進したモーターボートのロープに足を取られて海に転落する。それをスチャッと桜小路くんが助けて事なきを得るのだが(それを速水さんが目撃するので心情的には大問題なんだが)、申し訳ないが、思わず大爆笑してしまった。だって、あまりにあまりな事件じゃないか。モーターボートの運転手、そんな不注意なことでいいのか?
そして、演技のためなら超人的な能力を発揮するマヤ。人形の役をやったとき、「舞台の上では一度も瞬きをしなかった」と言って周りを驚かせているが、それは役柄への入り込みように驚いたのではなく、演技のためならお魚のような生態になれる少女に驚いたのに違いない。
そして連載開始から、一貫してヘアスタイルを変えないマヤ。中学生から成人するまで、アイドルやってるころですらカットを変えないとは、なにやら「紅天女をやるまでは」みたいな強い意志を感じさせる。ちなみに『ハッピー・マニア』では、シゲタもフクちゃんも、よく髪型を変えること。少女漫画に慣れない人は、髪型で登場人物を見分けられないので、苦労するんじゃないだろうか。
はたまた、お姫様の代名詞のような姫川亜弓。マフ(毛皮でできた円筒形の防寒具)みたいに大きな縦ロールを誇っていた亜弓さんのヘアスタイルだが、最近縦ロールは消え、緩いカールに変わっている。これも、より写実的になった漫画の流れなのか。……マヤは海に落ちたりするけど。