この前、思わずしびれた話をひとつ。女友達と話をしていたら、「あなたがコロリと逝く言葉はねえ……」と言って、男になりきり、とあるセリフを述べた。
「××××……」
ギャーっ! 腰が抜けました。恋に堕ちるかと思った。相手は女友達だっつーの。彼女が言ったのは、こんなセリフ。
「君ががんばってるのはわかってるから、僕の前では気を遣わなくていいよ」
私は基本的に人付き合いがあまり得意ではないので、人と接するときはけっこう緊張するし、気を遣う。まあ大抵はその気遣いが間違った方向に行ってしまうため、ひどい暴言を吐くことが多く、他人からは非常に縦横無尽で自信家に見えるのらしい。いいけどさ別に。
自己評価と他人の評価との間にギャップがある人間には、"自分をわかってくれる"人間というのは非常に価値が高い。『きみはペット』のスミレちゃんがこのパターンだろう。モモはあの手この手で「わかってるよ、大丈夫だよ」と繰り返す。もし私がこのセリフを男に言われたら、撃沈間違いなし。ていうか、実際一度堕ちたことがある。ははは。
まあこのように、萌えセリフというのは正しく使えば、呪文のように効果が高い。メダパニもしくはルカニがかかった状態なので、あとは好きなように調理ができるはずである。ここでは『花より男子』で登場する萌えセリフを紹介していくので、ぜひ経験値を上げていってくれ。でも萌えセリフは間違えて使うと、バシルーラなので要注意(早く『ドラクエIX』出ないかな~)。では一番手は、花沢類のこんなセリフ。
「いつも牧野と関わると、感情が揺れる。ずっと、他人のことなんてどうでもよかったのに」
いいこと言うねえ、花沢類よ。興味があるのは、自分に影響を及ぼせるのは、お前だけだと。そういうことですか。道明寺も負けていません。
「おまえがいれば、それでなんにもいらねーし」
ほんとうか! まあ、こういうセリフは行動が伴っていないと意味がないので、バカみたいに一途な道明寺だからこそ重みがあるんだが。
「今夜12時にコール鳴らすから、部屋にこいよ」
個人的に、こういう横柄な命令は大好きである。基本的にMらしい。が、それだけではなく、自分に自信のある男子というのはモテるもんだ。上記と同じ内容でも、
「12時に電話してもいい? 部屋に来てもらっても……いいかな?」
とかだと、「えーっ? どうしようかなー」とか言いやすい。しかし、さも電話するのが当たり前、さも行くのが当たり前のように言われると、「そういうもんか」と思ってしまう女も多かろう。実際、男友達のひとりに「おう、今から来いよ」などと言われてのこのこ出かけてしまったことが何度あるだろうか。夜中の0時に。そうかあいつは道明寺だったのか。一方で、こんなのもよい。
「なんか、(お前と)もうだめかもしんねえと思ったり、する。ちくしょう。みっともねえ」
こういう弱音っていいなあ。他の人には見せない顔でしょう? 心を許してもらっている精神的密着感がたまりません。自分の環境に対する愚痴(仕事がイヤだとか)を言う男は嫌いだが、人間関係、しかも自分のことで弱っているなんて、女冥利に尽きますわ。そして最後はこれ。
「俺が家を出なきゃ、おまえを守ってやれねーだろ」
こうしたプロテクト系のセリフは、『花より男子』に非常によく出てくる。しかもこの場合、自分のために行動を起こす(家を出る)ということで、好感度莫大アップだ。それによく考えてみると、冒頭で述べた「わかってるから大丈夫」も「守ってやる」と同種なんだな。つくづくこの手のは女の萌え系セリフだってことだ。
こうしてまとめてみると、とっても頼りがいがあって、彼の中では自分を中心に地球が回っていて、でもポロリと弱いところがある、というのがヲトメ萌えってことですか。うわー、大変そう……。
<『花より男子』編 FIN>