最近、初代iPod touchのバッテリーがヘタリ気味です。フル充電しても、数十分ほど使うとバッテリ-が残り少ない旨の警告が表示されてしまう始末。そろそろ新モデルが出てもおかしくない時期だけに、バッテリ交換の費用をかけるのも惜しく、自力で交換しようかと目論んでいますが……不器用な私にはウラ蓋を外すのが難しい。適当な道具はないものでしょうか?

さて、今回も知られざるSnow Leopardシリーズの続編として、「CoreTypes.bundle」についてお届けする。/System/Library/CoreServicesディレクトリにあるこの書類、内部にディレクトリ構造を持つOS X独特のファイル管理単位 (バンドル) だが、興味深い特徴をいくつか備えている。

あのアイコンがほしい……そんなときは

Snow LeopardのFinderはCocoaベースとなり、64bit CPU搭載機ではデフォルトの動作モードが64bitになるなど、基盤部分で大きく変化している。Grand Central Dispatchによる最適化なども奏功し、アイコンピュレビューのような処理も軽快にこなしてくれる。Finderにかぎらず、さり気なくパワーアップしているところがSnow Leopard共通の美点と思うのだが、いかがだろう?

それはさておき、Macの機種ごとのアイコンも更新されている。Finderのサイドバーに「共有」として表示されるMacのアイコン、と言えばわかるだろうか。MacBookは白いポリカーボネイトの、現行MacBook Proは周囲が黒く縁取られた液晶の目立つ、かなりリアルなあれだ。

そのアイコンは、/System/Library/CoreServicesディレクトリにある「CoreTypes.bundle」の内部、Contents/Resourcesディレクトリにある。取り出し方は、Finderで「パッケージの内容を表示」を選択するもよし、openコマンドでバンドル内部のアイコンファイル (icns) を開くもよし。Leopardの時点から同じ方法で取り出せるが、Snow Leopardにもしっかり引き継がれていますよ、ということで紹介しておく。

機種ごとに用意されたMacのアイコン。作図ソフトでネットワーク図を描くときなどに重宝する

CoreTypes.bundlesの内部には、Macの機種ごとのアイコンがズラリ

アイコンをカスタマイズする

CoreTypes.bundleに収録されたアイコンファイルは、システム標準のデザインだ。前述した機種別のアイコンだけでなく、ファイル / フォルダを新規作成したときに適用されるデフォルトのアイコンも、このバンドルに収録されている。たとえば、フォルダには「GenericFolderIcon.icns」が、関連するアプリケーションがないファイルには「GenericDocumentIcon.icns」が適用される。

これを逆手に取ると、システムデフォルトのアイコンをカスタマイズできる。たとえば、「public.generic-pc.icns」。Windows PCなどMac以外のマシンがLANに存在するときに表示される、味気ないデザインのアイコンだが、これを任意のアイコンファイルに置き換えれば (オリジナルのpublic.generic-pc.icnsは大切に保管しておくこと)、少しはマシになるはず。問題は、いいデザインのicnsファイルをどこで調達するかだが……それは自分で作るなりフリーウェアを利用するなり、読者の皆さんにお任せしたい。

このようにPreviewでまとめて開くと、なかなか壮観

少々アンバランスだが、ブルースクリーンのアイコンよりは精神衛生上いいかも?

「マルウェア対策の謎」を整理する

Snow Leopardには、マルウェア対策機能が装備されている。ユーザが準備すべきことは特になく、"外部からの脅威に晒されるアプリケーション"、具体的にはWebブラウザやメールクライアントをただ普段どおり利用していれば、マルウェアが自動検出されるというもの。

このマルウェア対策機能については、米国のセキュリティベンダーIntegoの公開したレポート (邦訳はIntego Japanサイトの「AppleのSnow Leopardに搭載されたアンチマルウェア機能について」)に詳しいが、まずは「設定ファイルがCoreTypes.bundleに収録されている」点に注目してほしい。機能の性格上システム領域の目立たないところで設定ファイルを保管することが考慮されたのだろうが、いずれにせよアイコンファイルのなかになぜかplistファイルが2つあり、マルウェアのパターンはXProtect.plistに、対応するアプリケーションはExceptions.plistにそれぞれ定義されている。

XProtect.plistで定義されるマルウェアは、現在のところトロイの木馬2種類のみ。しかも前掲のレポートによれば、すべての亜種を検出できるわけではないらしく、除去機能を備えているわけではない。Exceptions.plistについても同様に完璧を期したものではないようで、SafariやFirefoxといったメジャーなものはともかく、P2Pソフトなど危険なファイルと遭遇する可能性がより高いアプリケーションまで網羅されているわけではない。

当コラムらしいカスタマイズの可能性だが、Exceptions.plistにエントリを追加すれば対象アプリケーションを追加できるであろうことは判明しているものの、マルウェアを公然と配布しているサイトがあるわけでもなく、検証する術がない。なんとも消化不良気味な終わり方だが、とりあえずCoreTypes.bundle内部にアクセスするときには、この2つのファイルの扱いには十分注意してほしい。

Exceptions.plistに定義されているアプリケーション。これだけでマルウェアに対処できるか……