毎度お読みいただきありがとうございます。「第283回 速攻GETした「iPhone 3G」をあれこれイジる (1)」でiPhone 3Gを入手したときのトラブルについて取り上げたためか、かなりのアクセスをいただいたようです。コラムの主旨と大きく離れてはいますが、スルーしてはいけないことと考えますので、その後の経緯について説明させていただきます。

私の考え

今回のような事態、正直言って面倒です。うれしくありません。結構な時間を費やしていますし、なによりストレスが溜まります。

"抱き合わせ"が納得できないなら他の店で買えばいい、という考えもあるかと思います。しかし、iPhone 3Gの供給は当面タイトなはずですから、私が買わなくても他の誰かがその条件で買うことでしょう。不幸のバトンタッチというか、落とし穴に近づきつつある歩行者に警告しない行為というか……私には受け入れられません。それならば自ら落とし穴に落ちて、然るべき筋に意見しようと考えたわけです。いち早く入手できたことによる私の利益は否定しませんが、それと販売方法が適切かどうかは別問題で、相殺することはできません。

かつて、Yahoo! BBでADSLモデム無料配布にまつわるトラブルが頻発したそうです。同じ企業グループには属すものの、あくまで別会社の話ですから、混同はできません。しかし、"また孫さんの会社か"という気もしますし、どちらの製品 / サービスも先頭に立ってPRに奔走したのですから、世間にそう受け取られても仕方ないでしょう。

読者の方からの反響もありました。連絡先不明で事実確認できていないため、内容を紹介することはできませんが、数件・数十件どころの話でないことは確かです (私が購入した販売店だけで初日に10人以上が購入していますし)。怒り戸惑うエンドユーザが増えないよう、微力ながらなにかできないか、という一種の義侠心が働いたことも正直にお話しておきます。

ソフトバンクモバイルへの質問状

第283回の原稿が掲載されたあと、私は以下の文章をマイコミジャーナル編集部を通じて、ソフトバンクモバイル広報部担当者へ14日にメールで送りました (改行位置を除き原文ママ)。12日に依頼した内容が"コメントください"という抽象的なものだったことと、週明けの月曜になっても連絡がなかったことから、質問事項を箇条書きにまとめてみたのです。なお、回答期限を17日に設定したのは、iPhone 3Gの再入荷・再売り出しに伴う"同様の事態"の発生を防ぎたいと考えたためです。

1.直営か非直営かを問わず、当初から販売条件として明示されていた「ホワイトプラン(i)」、「パケット定額フル(i)」、「S!ベーシックプラン(i)」以外のプランを強制、あるいは条件として販売した事実を把握しているか。

2.販売経路が限られ、個数も少ない現状では、このような"抱き合わせ販売"は独占禁止法に抵触するのではないか?

3.同様の"抱き合わせ販売"に遭遇したユーザが少なからず存在すると聞くが、今後の対応策は。

4.販売店を管理・統括する立場であるはずの貴社は、不要・不当なオプションの解約方法について、エンドユーザに周知する用意はあるか。

お忙しいところ恐縮ですが、17日までにご回答いただけますよう、お願い申し上げます。返答なき場合は、一消費者として、公正取引委員会への報告を含め検討させていただきます。

公正取引委員会への通報

日付が18日に変わっても連絡がなかったため、事前の予告どおり、今回の事態を19日に公正取引委員会宛通報しました。通報はWebサイトから行っています。なお、事態の確認や資料の提出要請は20日現在ありません。この件については、粛々と進めさせていただきます。

ソフトバンクモバイル広報部からの回答

19日になってから、編集部宛にソフトバンクモバイル広報部から回答がありました。以下、個人名は伏せますが、本文をそのまま転載します。

○○様

お世話になっております。 ソフトバンクモバイルの△△です。 ご連絡が遅くなり申し訳ございません。

以下、回答させていただきます。

1.へのご回答 iPhoneの発売に際して、 ごく一部の店舗にて不適切な販売が行われたとの報告を受けており、 当該店舗に対し、改善への指導を行っております。

それ以外の質問へのご回答 各代理店に対しては、適正な販売を指導しておりますが、 不適正な販売が行われた場合には、厳重に指導してまいります。

なお、筆者の方には、 店頭にて不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでしたと、 くれぐれもお伝えいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

わかりやすく整理すると、

  1. 「不適切な販売があった」ことは認める。
  2. 販売店の指導は行う。「指導」の内容とどれだけの効果があるかは不明。
  3. 質問事項「4」はスルー。不要・不当なオプションの解約方法について、エンドユーザに周知することはなく、払い戻すこともしない。

企業がなかなか非を認めようとしないこの日本で、約1週間という短期間でそれなりの (100点満点で40点くらいしかあげられませんが) 回答を得られたことは、上々だと思います。私が不当販売の被害を受けた当事者だったため、さすがに「○○がないのでコメントできない」と言えなかっただけかもしれませんが。不当販売の憂き目にあった同志諸君! 不要なプランは自力でキャンセルすることが現実的なようです。

というわけで21日午前、ホワイトプラン Wホワイト付き (i) からホワイトプラン Wホワイトなし (i) への変更を行いました。Webで変更できると思っていましたが、オンラインでの手続きは現在準備中とのこと。仕方なく自動音声応答サービスを使いましたよ。新プラン適用は8月1日からです。

で、今さら気付いたのですが。了承した覚えのない「基本オプションパック (i)」に入っていたようですよ! 留守番電話サービスと割込 / グループ通話だけではメリットが少ない (紛失ケータイ捜索サービスや安心遠隔ロックが使えないのではねえ……) ので、こちらも解約。7月11日から20日までの日割り計算となりました。これで、支払い方法の変更 & クレジットカードの解約を残すのみとなりました。ああ、面倒くさい。

まだWebからオプション変更 / 解約手続きできないが、自動音声応答サービス経由で可能です

最後に、ソフトバンクモバイル広報の担当△△さん、ありがとう。社内の調整にご苦労されたことでしょう。確かに私は不快な思いをしましたが、この手のトラブルの再発を防ぐきっかけになったとしたら救われます。読者の皆さん、すいません。次回からは、ふだん通りの内容に戻ります。