アップルジャパンが、iPhoto / Apertureプリントサービスの20% OFFキャンペーンを実施しています。6月15日までの期間限定、5月27日までに注文すれば父の日に間に合うとのこと。親父にフォトブックをプレゼントなんて、ちょっと照れくさいんですが、たまにはいいかもしれません。

さて、今回は趣向を変えて「XBMC」を取り上げてみたい。OS Xの統一されたデスクトップに馴染んでしまうと、雰囲気の異なるUIに出くわすと違和感を覚えるものだが、それなくしては視野が広がらないこともまた事実。Xbox風のUIを持つこのXBMC、食わず嫌いせずこの機会にご賞味いただきたい。

What's XBMC?

XBMCは、動画や音楽、静止画などのマルチメディアファイルを快適に扱うことを目的とした、メディアセンターとでもいうべきアプリケーション。開発がスタートした当初は、Xbox Media Centerと名乗っていたが、法的な問題からか現在の名称に落ち着いた。その生い立ちからもわかるとおり、Xbox風の黒を基調としたUIが特徴だ。

オープンソースの技術をベースとしていることも、特徴といえるだろう。動画 / 音楽の再生には「MPlayer」の成果を活用、対応するコーデックもMPlayerに準じている。ちなみに、MPlayerはデコードにFFmpegを使用しているので、FFmpegが対応するフォーマットはXBMCでも再生可能、ということになる。

この材料だけではOS Xユーザの"琴線"に響かないかもしれないが、Apple Remoteで操作できると聞いたら? Front Row / Apple TVでも対応しない (コーデックを追加すれば可能だが) AVIファイルを再生できるとしたら? そして、UIもなかなかCoolな印象だとしたら? 発展途上ではあるが、このXBMCは将来性大のアプリケーションなのだ。

この動画、実はApple Remoteで操作中

このようなシステム情報も表示できる

XBMCの使い方

XBMCのトップ画面は、大きく5項目に分かれている。ゲームなどのアプリケーションを起動する「Programs」、フォトビューアモードの「Pictures」、ムービー再生用の「Movies」などなど、機能そのままの命名のため迷うことはないはず。ここでは、利用頻度が高そうな「Music」を例にして、基本的な使い方を説明してみよう。

このような画面でフォルダを指定する

まず、「Music」を選択すると、右側に「Add Source」という行が表示されるはず。これをクリックして、次の「Add Music Source」画面でサウンドファイルが置かれたディレクトリを指定すればいいのだ。左側の[Browse]ボタンをクリックすると、「Browse for new share」という画面にローカルのボリュームやホームフォルダが表示されるので、目的のフォルダまで開き進めて[OK]ボタンをクリックすれば準備は完了。[Add Network Location...]ボタンをクリックすれば、SMBサーバやFTPサーバを指定することもできる。前述したが、操作にApple Remoteを利用できる点にも注目してほしい。

ちなみに、XBMCはiTunesの共有機能 (DAAPサーバ) もサポートしているが、iTunes 7.6をサーバとして試したところ、敢えなく失敗。iTunes 7で変更されたDAAPの仕様には、やはり対応していないようだ。

AAC (m4a) 埋め込みのアートワークは正しく表示されない

不具合 / 未実装の機能は少なくない。アートワークが埋め込まれたAACファイル (m4a) を再生すると、崩れた画像が表示される。動画はサムネイルが正しく表示されないだけでなく、フリーズすることもある。動作も決して軽くはなく、音楽再生時ですらCPU消費率は常に30%近い状態 (MacBook Pro 2.33GHz / 2GBを使用)。もっとも、検証したのは正式リリース前のv0.5.0b2、今後の改良を待つべき時期なのかもしれないが……。

お約束!? 勝手に日本語化

使い方の紹介だけではツマらないので、日本語化する方法を紹介しておこう。デフォルトではメッセージなどすべて英語だが、TrueTypeフォントを追加して設定をいくつか変更すれば、不完全ながらも日本語化できてしまうのだ。その手順を箇条書きにまとめてみたので、参考にしてほしい。

なお、使用できる日本語フォントだが、TrueTypeフォントならばすべてOKというわけではない。筆者はOffice 2004 for Mac付属の「MS Pゴシック」と、フリーのさざなみフォントの2種を試したが、前者は○で後者は×だった。いずれもTTCファイル (TrueType Collection) ではないので念のため。

この設定のあと、TrueTypeフォントのインストールを行う

  1. TOP画面左下の[Settings]をクリック、次の画面で[Appearance]をクリック
  2. カーソルを[Region]にあわせ、Languageに[Japanese]を選択
  3. Charsetに[Japanese (SHIFT-JIS)]を選択
  4. カーソルを[Look and Feel]にあわせ、Skin Fontsに[Arial TTF]を選択
  5. TOP画面に戻り、XBMCを終了する
  6. Terminalを起動して以下のコマンドを実行、その後XBMCを起動すればメニューは日本語で表示される

$ cd /Applications/XBMC.app/Contents/Resources/XBMC/media/Fonts
$ mv arial.ttf arial.backup
$ ln -s /Library/Fonts/フォント名.ttf arial.ttf

フォントの追加後、このように表示されればOK